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ピノグリの特徴とは?魅力や相性の良い料理、おすすめワインも紹介
シャルドネやソーヴィニヨン・ブランに比べて知名度が低いものの、白ワインの定番品種であり人気の高いピノグリ。
ワインを嗜みはじめたばかりの方は、「飲んだことがないけど、気になっている」「どんなぶどう品種なのか気になる」と思っている方も多いのではないでしょうか?
本記事では、ワインに興味を持ち始めたらぜひ知っておきたい、人気の白ぶどう品種ピノグリについて紹介します。
ピノグリの特徴
ピノグリはフランス・ブルゴーニュ地方原産のぶどう品種で、ピノ・ノワールの突然変異により誕生しました。
皮の色は赤紫ですが、白ワイン用ぶどう品種です。果実味が強く、濃厚な味わいの白ワインに仕上がります。
洋梨やトロピカルフルーツのようなリッチな果実味と穏やかな酸が特徴的で、ワイン初心者の方や酸の強いワインが苦手な方も飲みやすいです。
ピノグリとピノグリージョの違い
イタリアワインが好きな方のなかには、ピノグリ―ジョというぶどう品種をご存じの方も多いのではないでしょうか。
呼び名は異なるもののふたつは同じ品種です。
イタリアではピノグリをピノグリ―ジョと呼んでおり、ラベルなどにぶどう品種を表記する場合も『ピノグリ―ジョ』と表記します。
つまり、ピノグリ―ジョとラベルに記載されたワインは「イタリア産のピノグリワイン」だと判断できるのです。
ピノグリの魅力
ピノグリの魅力は、濃厚な果実味と強いアタックをもち、飲みごたえのある白ワインに仕上がるというところです。
果実味も香りも強いため、グラス1杯のワインでも満足感があるのも嬉しいポイント。甘い果実の香りと穏やかな酸が特徴的で、初心者の方でも飲みやすいワインになります。
また、食事とも合わせやすいフードライクさも人気の秘密で、世界各国でピノグリとさまざまな料理とのペアリングが楽しまれています。
日本料理とも相性がよいので、飲んだことがない方はぜひピノグリを試してみてくださいね!
ピノグリの有名産地
ここでは、ピノグリの有名産地と産地ごとの特徴を紹介します。ピノグリを試してみたいと思った方は、まずは有名産地から試してみてはいかがでしょうか?
フランス・アルザス地方
フランス・アルザス地方のピノグリは、濃厚な果実味と穏やかな酸が魅力的なリッチなスタイルが定番です。
アプリコットや桃を思わせる芳醇な香りと果実味が魅力で、蜂蜜のようなボリューム感があります。白い小花のようなフローラルなアロマも感じられ、濃厚な白ワインながらもエレガントな印象です。
アロマティックなアロマと力強い果実味が印象的なので、贅沢感のある白ワインを楽しみたい方におすすめですよ。
イタリア
イタリアのピノグリージョは、清涼感のある爽やかな味わいが魅力。
フランス・アルザス地方のリッチなピノグリに比べて、イタリアのピノグリ―ジョは軽やかでフレッシュな印象が強く、ゴクゴクと飲めるようなライトさが特徴です。
レモンのようなキレのある酸と、青りんごやマスカットを思わせる爽やかな果実味が感じられます。
フレッシュで親しみやすい味わいでカジュアルな食事とも合わせやすいため、イタリアのピノグリ―ジョはデイリーワインとしても人気が高いです。
ドイツ
フランスとイタリアに続いて、ドイツもピノグリを使ったワインが盛んに造られており、高品質なピノグリワインが人気です。
ドイツでは、ピノグリを「グラウブルグンダー」という難しい別名で呼びます。そのため、ピノグリだと気づかれていない方も多いようです。
フランス・アルザス地方とドイツは隣同士ですが、ピノグリのスタイルは異なります。
濃厚なアルザス地方のピノグリと比べると、ドイツのグラウブルグンダーは爽やかな味わい。イタリアのピノグリ―ジョと近い味わいで、ライトボディのフレッシュさが魅力です。
ピノグリに合う料理3選
飲みやすい味わいとフードライクさが初心者の方にもおすすめなピノグリ。ここでは、ソムリエおすすめのピノグリに合う料理を3つご紹介します!
生ハムメロン×フランス・アルザス地方産ピノグリ
フルーティーさと濃厚な味わいが魅力的なフランス・アルザス地方のピノグリには、生ハムメロンが相性抜群です。
メロンやアプリコットを思わせる濃厚な果実味を持つピノグリは、生ハムメロンの果実味や塩味と綺麗に調和し風味を引き立ててくれます。
また、アルザス地方のピノグリは、オリーブオイルを彷彿とさせるオイリーなテクスチャがあります。
生ハムメロンはオリーブオイルをかけて食べることも多いので、似た雰囲気をもつアルザス地方のピノグリは好相性です。
アクアパッツァ×イタリア産ピノグリ―ジョ
清涼感のある爽やかな味わいが魅力的なイタリア産のピノグリ―ジョは、アクアパッツァなどの魚介料理と相性抜群です。
ピノグリ―ジョはフレッシュさが魅力で、ライトボディの軽やかなワインです。そのため、魚介の生臭さを和らげる効果が期待できるほか、凝縮された魚介の旨み成分を引き立ててくれます。
また、アクアパッツァにはハーブが使用されていることが多く、ピノグリ―ジョのグリーンのニュアンスともよく合います。
チーズフォンデュ×ドイツ産グラウブルグンダー
白ワインにチーズを溶かした芳醇なチーズソースに、野菜やパン、お肉などをディップして食べるチーズフォンデュ。
チーズのリッチでコクのある味わいと、白ワインのフルーティーさが混ざり合うチーズフォンデュには、爽やかなピノグリが相性抜群です。
ピノグリの爽やかながらもリッチな果実味がチーズフォンデュと絶妙に絡み合い、絶品マリアージュを楽しめます。
とくにドイツ産グラウブルグンダーはすっきりとしているので、チーズフォンデュの濃厚な風味を引き立てつつも味わいのアクセントになり飽きずに楽しめますよ!
ソムリエ厳選!ピノグリを味わうおすすめワイン
産地によって異なる魅力を楽しめるピノグリ。実際に飲んでみたくなった方も多いのではないでしょうか?
ここでは、ソムリエが厳選した世界各国のピノグリワインを紹介いたします。
アルザス ピノグリ トラディション カーヴ ド テュルクアイム
『アルザス ピノグリ トラディション カーヴ ド テュルクアイム』は、フランス・アルザス地方のピノグリを100%使用した中辛口の白ワインです。
アルザス地方で造られるピノグリらしい芳醇さや豊かな果実味といった魅力があります。酸は控えめで飲みやすいため、初心者の方にもおすすめです。
アプリコットや桃を思わせる濃厚かつまろやかな果実味が口いっぱいに広がり、飲みごたえ抜群!余韻には白いバラのようなフローラルさが感じられます。
ワイン初心者の方や普段は甘いカクテルを好んで飲む方、濃厚な味わいのワインが好きな方は、ぜひ試してみてくださいね。
ドメーヌ アルベール マン クレマン ダルザス アルベール マン エクストラ ブリュット
『ドメーヌ アルベール マン クレマン ダルザス アルベール マン エクストラ ブリュット』は、ピノグリの有名産地であるフランス・アルザス地方の辛口スパークリングワインです。
ピノグリのほかにピノ・ノワールとピノ・ブランをブレンドしており、芳醇で力強い飲みごたえのあるワインに仕上がっています。
柑橘のようなフレッシュでキレのある酸が魅力的で、飲みごたえがありながらも後味はさっぱりめ。和食と相性抜群で、てんぷらや肉じゃがなどの日常の食事と合わせやすいのも魅力のひとつです。
コッレマーレ ピノグリージョ
『コッレマーレ ピノグリージョ』は、イタリア・ヴェネト州で造られるフレッシュかつ華やかなピノグリージョ100%の辛口白ワインです。
グレープフルーツを思わせる穏やかな酸と、白桃のような透明感のある果実味が特徴的。
瑞々しくフレッシュな味わいなので、お酒を飲みなれていない方でもスイスイ飲めてしまうほどの飲みやすいです。
余韻にはナッツを思わせる香ばしいアロマが感じられ、コクや深みも楽しめます。前菜からメインまで合わせられるポテンシャルを持つ、フードライクなワインです!
ヴィラ・ヴォルフ ピノグリ
『ヴィラ・ヴォルフ ピノグリ』は、ドイツ・ファルツで造られるピノグリ100%の白ワインです。
冷涼な気候から育つピノグリは透明感のある酸が特徴的。ライムや青りんご、ミントを思わせるグリーンのニュアンスが感じられます。
繊細な味わいが魅力的なので、野菜やチキン、チーズなどを使いシンプルに仕上げた料理と相性抜群です。
チーズフォンデュやバロティーヌ、野菜のテリーヌなど、ヨーロッパの家庭料理とペアリングし非日常的な気分を味わうのもいいですね。
クレメンタイン ピノ グリ ローガン ワインズ
『クレメンタイン ピノ グリ ローガン ワインズ 』は、オーストラリア産のピノグリ100%のオレンジワインです。
アプリコットやマンダリンオレンジのような、ピノグリらしい濃厚な果実味が楽しめます。余韻にはオレンジピールを思わせるほろ苦い風味も感じられ、上品で大人っぽい味わいです。
オレンジワインは癖のあるワインも多いなか比較的飲みやすいタイプなので、ピノグリを試したい方はもちろんオレンジワイン初心者の方にもおすすめです。
ババル ピノ グリージョ
『ババル ピノ グリージョ』は、イタリア・アブルッツォ産のピノグリージョ100%のオレンジワインです。
ビオディナミというオーガニック農法を用いて育てられたピノグリを使用し、天然酵母で発酵させています。ワインは澱とともにステンレスタンクで熟成しており、旨味たっぷりで飲みごたえがあります。
ピノグリージョの力強い味わいや旨味が体感できる、本格的なオレンジワインです。
おわりに
ピノグリは濃厚な果実味と穏やかな酸が特徴のため、飲みやすく初心者におすすめです。お食事と合わせやすいフードライクなワインなので、普段のお食事のお供として重宝します。
まだ飲んだことがないという方も、この機会にぜひ試してみてくださいね!