美しい色が魅力のロゼワイン。赤でも白でもない絶妙なピンク色は、どのように造られているのでしょうか。
今回はロゼワインの製造方法と味わいを解説します。相性のよい料理やおすすめワインも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
ロゼワインとは?
バラ色やピンク色のことをフランス語でロゼといいます。ロゼワインはロゼの色をしたワインの総称で、色合いは赤ワインと白ワインの中間に位置します。
ここではロゼワインについて、他のワインとの違いや効能、度数について細かく解説していきますので是非チェックしてみてくださいね!
赤白ワインとロゼの違い
一般的に赤ワインは黒ぶどう、白ワインは白ぶどうが材料として使われますが、ロゼワインに使用するぶどうはどちらかに限定されません。
またロゼワインの製法は1つではなく、赤ワインのような製法を用いたものもあれば、白ワインのような製法で造られたものもあります。
ロゼワインは色と同じく、製法も赤白ワインの中間といえるのです。
ロゼワインの効能
ロゼワインは白ワインと赤ワインの中間的な存在のため、それぞれの効能を兼ね備えています。
白ワインの酸が強いのと似て、ロゼワインもすっきりした味わいですよね。白やロゼワインの酸には、リンゴ酸やクエン酸などの有機酸が含まれており、お通じの改善に効果的です。
また、赤ワインに比べて白やロゼワインには、カルシウムやマグネシウムなどの骨を健康にするミネラル成分が含まれているため、骨粗しょう症の予防になるでしょう。
そして、赤ワインには抗酸化作用のあるポリフェノールが含まれています。ポリフェノールはロゼワインにも同様に含まれており、アンチエイジングや動脈硬化などの生活習慣防止に役立ちます。
ロゼワインは白や赤ワインの中間的な性質があるため、効能もいいとこどりです。
しかし健康にいい成分があるとはいえ、アルコールが与える健康被害もあるため飲みすぎには気を付けてくださいね!
ロゼワインの度数
ロゼワインのアルコール度数は、銘柄により異なりますが11~14度です。白ワインや赤ワインと同程度のアルコール度数となります。
そのため、白や赤ワインを問題なく飲めている方は「アルコール度数が強い・弱い」と思うことはなくロゼワインを飲めるでしょう。
ラベルのエチケットにアルコール度数の表記が義務付けられているので、度数が気になる方は参考にしながら購入することをおすすめします!
ロゼワインの作り方3選
先に述べたように、ロゼワインの製法は1つではありません。ここでは製造方法3選を解説します。美しい色のロゼワインがどのように造られるのか見ていきましょう。
作り方①直接圧搾法
赤ワインに使う黒ぶどうを使って、白ワインのように造るのが直接圧搾法です。
黒ぶどうを圧搾し、皮や種を取り除いた果汁のみを発酵させ醸造します。黒ぶどうの皮や種にはワインを赤くする色素が多く含まれます。
しかしロゼワインは発酵前にそれらを取り除いてしまうため、赤ワインのような濃い色ではなく淡い色のロゼワインができるのです。
ロゼの色になるのは、黒ぶどうを圧搾したときに皮の色素が少量含まれるため。直接圧搾法で造られたロゼワインは、比較的淡い色合いに仕上がります。
作り方➁ブレンド法
ブレンド法は、できあがった赤ワインと白ワインを混ぜてロゼワインを作る製法です。白ワインに対して10~20%の赤ワインをブレンドするのが一般的で、ブレンドの比率などにより味わいが大きく変わります。
多くの地域で採用されている製法ですが、ヨーロッパではEUの規定によってブレンド法でロゼワインを作ることが禁止されています。
作り方③セニエ法
セニエ法は赤ワインに似た製法です。セニエとはフランス語で血抜きを意味し、色付いた果汁をタンクから抜き取る様子からこう呼ばれています。
つぶした黒ぶどうの皮と種、果汁をすべてタンクに入れ、数時間から数日間ほど浸します。そのタンクから色付いた果汁のみを引き抜いて発酵、醸造するとロゼワインの完成です。
皮と果汁を浸す工程があるため、色が濃くタンニンを多く含むロゼワインになります。
ロゼワインの味の違い
ロゼワインは製法によって色の濃さが変わり、色の濃さによって味わいが異なるのです。ここからはロゼの色と味わい、合う料理を紹介します。
淡いロゼ:サッパリとさわやかな味わい
淡い色のロゼは酸味を感じるフレッシュな味わいが特徴です。その中でも甘口・辛口があり、相性のよい料理は違います。
・淡いロゼ・甘口:フルーツ、前菜、サラダ、エビチリ、生春巻きなど
さっぱりとした甘みのロゼには、同じく軽い味わいのフルーツやサラダがぴったり。
甘口の中でも甘さ控えめタイプなら中華料理やエスニック料理とよく合います。意外な組み合わせですが、甘辛な料理とロゼが上手く調和します。
・淡いロゼ・辛口:魚介類、オイル系パスタ、揚げ物など
味が強すぎない魚介類などと合わせるのがおすすめ。カルパッチョや魚のフライ、アヒージョなど魚介系ならさまざまな料理と一緒に楽しめます。天ぷらや唐揚げなどといただくのもよいでしょう。
濃いロゼ:ほのかな渋みと深い香り
濃い色のロゼはタンニンが含まれているため、渋みとフルーティーな香りがあります。
淡い色のロゼに比べて酸味が少なく、代わりに重厚さを感じます。そのため、旨味が強く味付けがしっかりとした料理が合うでしょう。
・濃いロゼ・甘口:スイーツ、チョコレート、辛い料理など
酸味が少ない濃いロゼの甘口は、適度な渋みが甘さの強いスイーツやチョコレートと好相性。
甘さ控えめなら麻婆豆腐やスパイシーカレーなどの辛い料理との相性がよく、ロゼワインならではの組み合わせが楽しめます。
・濃いロゼ・辛口:赤みの牛肉、豚肉、豚肉、魚料理、トマト系パスタなど
味わいにボリュームがあるロゼには肉料理が合います。中でも醤油ベースの和食との相性がよく、焼き鳥や角煮、肉じゃがなどと合わせるのがおすすめです。
濃い味付けの魚やトマトベースの料理などともよく合い、和食以外にも洋食や中華、エスニックと幅広い料理と一緒に楽しめます。
さまざまな味わいのおすすめロゼワイン
ロゼワインには製法により味わいが異なるとわかりました。ここではさまざまな味わいのおすすめロゼワインを紹介します。
ロゼワインを試したくなった方は、ぜひ参考にしてみてくださいね!
クレマン・ド・ロワール・ロゼ ラングロワ・シャトー
『クレマン・ド・ロワール・ロゼ ラングロワ・シャトー』は、フランス・ロワール地方の冷涼な気候で育ったカベルネ・フランを使用したキリっとしたロゼスパークリングワインです。
カベルネ・フランの栽培に適した石灰土壌の畑で育ったぶどうを使用しており、18ヶ月の熟成期間を経てリリースされます。
冷涼気候のワインらしいエレガントで爽やかな味わいが魅力的で、透明感のある酸とフレッシュなベリーのアロマが感じられます。
長期熟成しているので爽やかながらも複雑味が感じられ、本格的な味わいが楽しめるロゼスパークリングワインです。
カモミハートクラフト スパークリング ロゼ
『カモミハートクラフト スパークリング ロゼ』は、シャルドネとピノ・ノワールをブレンドしたアメリカ・カリフォルニア産のロゼスパークリングワインです。
華やかで果実味豊かなイタリアのプロセッコというスパークリングワインの製法を模範にしており、爽快な泡とライトな味わいを実現しました。
シトラスのような爽やかな味わいと、いちごやクランベリー、オレンジピールを想わせるフルーティーなアロマが混ざりあうバランスのよい1本です。
てぐみ ロゼ
『てぐみ ロゼ』は、日本ワインの王道ぶどう品種であるマスカット・ベーリーAや巨峰、キャンベルをブレンドしたチャーミングな味わいの1本です。
濾過なしで酸化防止剤も使用していない生詰めワインなので、ナチュラル志向の方におすすめ。生詰めワイン特有の酵母感とぶどう由来の複雑な果実味が混じりあう、奥深く豊かな味わいを楽しめます。
カツオ・マグロなどの赤身魚の刺身や唐揚げ、すき焼きなどの和食と相性抜群です。和食とワインを合わせて楽しみたい方にぴったりですよ。
モンテティ TM ロゼ
『モンテティ TM ロゼ』は淡い桃色の色調が美しい、イタリア・トスカーナ産の華やかながらも繊細な味わいのロゼワインです。
ピンクグレープフルーツのような穏やかな酸が特徴的で、白桃やさくらんぼのような華やかな果実味が感じられます。フローラルな桃の花の香りもあり、ライトボディながらも奥行きのあるワインです。
カベルネ・フラン特有のグリーンのニュアンスもあるため、バジルやハーブを使った香り豊かな食事とよく合います。カプレーゼやジェノベーゼパスタ、ハーブチキンと合わせると絶品ですよ!
ドメーヌ オット バイ オット ロゼ
『ドメーヌ オット バイ オット ロゼ』は、ロゼワインの銘醸地であるプロヴァンス地方で造られた本格的な味わいを楽しめます。
透明感のあるすっきりな酸と白桃やザクロのような柔らかな果実味が魅力的な、ソフトな味わいなので初心者の方にもおすすめです。
ドメーヌ オット バイ オット ロゼに使用しているぶどうは、海に近い畑で栽培しているため程よいミネラル感やヨードのニュアンスがあり海鮮系の料理とよく合います。
プロヴァンス地方の郷土料理であるブイヤベースはもちろん、海鮮アヒージョやパスタなどのさまざまなお料理と相性抜群です。休日に海鮮BBQと一緒に楽しむのもよいですね!
ラシュトー ロゼ ダンジュ
『ラシュトー ロゼ ダンジュ』は、淡い桜色の色調が美しいやや甘口のロゼワインです。
フランス・ロワール地方の冷涼な気候で育ったラシュトー ロゼ ダンジュは、いちごのような甘酸っぱい味わいが魅力的です。適度に酸があるため、やや甘口の味わいでありながらもすっきりとしています。
サンドイッチやフランスの家庭料理である薄焼きピザであるタルトフランベなど、ライトな食事やデザートと相性抜群。軽食やデザートとよく合うので、パーティーシーンでも重宝しますよ!
タヴェル ロゼ
『タヴェル ロゼ 』は、フランス・ローヌ地方で造られた鮮やかなピンクの色調が印象的な、濃厚ロゼワインです。
グルナッシュを主体にさまざまなぶどうをブレンドしているため、複雑味のある本格的な味わいに仕上がっています。
いちごやチェリーを想わせる甘やかな果実味が特徴的です。ほどよい酸とタンニンがワイン全体を引き締め、甘やかながらもドライな印象に感じられます。
クネ リオハ ロサード
『クネ リオハ ロサード』は、「赤ワイン?」と思ってしまうような鮮やかな色調が特徴的な濃い味のロゼワインです。
アセロラのような程よい酸と、熟したいちごを頬張ったかのような濃厚な果実味が魅力的。赤系果実をぎゅっと詰め込んだような満足感の高い1本です。
味わいがしっかりとしているので、お肉料理とよく合います。生ハムやローストビーフ、タンドリーチキンなど、さまざまなタイプのお肉料理と相性抜群ですよ。
ペドロンチェリ ジンファンデル ドライ ロゼ
『ペドロンチェリ ジンファンデル ドライ ロゼ』は、見るからに濃厚な味わいが想像できる濃い朱色の色調が特徴的なロゼワインです。
“ジンファンデルの里”とも呼ばれるドライクリーク・ヴァレーで育った、高品質なジンファンデルを100%使用しています。
熟したいちごやアメリカンチェリーのような濃厚な果実味が特徴的ですが、キレのある味わいなのであまやかすぎないバランスのよい味わいが魅力的です。
濃厚で親しみやすい味わいなので、スナックやファーストフードとよく合います。フライドチキンやホットドック、ナチョスなどと相性抜群ですよ!
まとめ
ロゼワインの製法は3種類あり、工程の違いから色合いや風味が変わります。
色も製法も赤白ワインの中間といえるロゼワイン。味わいは奥深くロゼならではの料理との組み合わせが楽しめます。
幅広い料理に合わせられるロゼワインを、いろいろなシーンで味わってみてくださいね。