ワインを飲もうとしてオープナーが見つからず、途方に暮れた経験はありませんか?
また、他の道具を使って開けようとしたけれど、上手く開けられなかった経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
再びそのような事態になったとしても、身近なものでワインのコルクを抜く正しい方法を知っていれば困ることはありません。
今回はどの家庭にもある道具でワインのコルクを抜く方法をご紹介します。さらに失敗したときの対処法も解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
ワインオープナーがないときにワインを開ける便利技9選
普段身近にある道具やボトルの特性を利用すれば、ワインオープナーがなくてもワインの開封は可能です。 具体的な方法を見ていきましょう。
コルクの根元部分をライターで炙る
ライターで炙り、ワインボトルの中の空気圧を利用してコルクを抜く方法です。
コルクの下あたりをライターで温めると、ボトル内の空気が膨張してコルクが徐々にあがってきます。ワインボトルからコルクが半分以上出たら手で引き抜きましょう。
その際火が当たっていた部分は非常に熱くなっていますので、素手で触らないように注意が必要です。あらかじめ軍手やミトンなどで手を保護してから作業すると安心です。
多機能ナイフのコルク抜きを利用する
工具箱の中に多機能ナイフがある方は、簡単にワインオープナーとして代用できるかもしれません。多機能ナイフはその名の通り、活用方法がマルチ。
ナイフはもちろん缶切りやドライバー、缶抜きなどのツールを搭載しています。
もちろん、コルク抜きを搭載した多機能ナイフも少なくありません。多機能ナイフにコルク抜きがあれば活用しましょう!
工具箱に眠っている多機能ナイフ。見落としがちですが、オープナーがないときはコルク抜きが搭載されていないか確認してみてくださいね。
ネジをコルクに刺す
ご家庭にネジがあればワインオープナーの代わりになります。ネジはコルクに深く刺さる3㎝以上のものが理想。ネジ山が大きいほどコルクにしっかり引っ掛かり、抜く作業がスムーズです。
まずドライバーを使ってネジをコルクに深く差し込みます。あとでネジ頭の部分をペンチで挟むため、コルクから少し出しておきましょう。
ネジのぐらつきがないかを確認し、ネジ頭の部分をペンチで引っ張り上げます。このときネジが抜けないようにまっすぐ上にゆっくりと引き抜くのがポイントです。
ペンチの代わりにフォークや釘抜きでも代用できますよ。
ハサミの片刃を刺し込み回転させて開栓する
実は身近な文房具であるハサミも、ワインオープナーの代用が可能です。
ハサミの片方の刃をコルクに刺し込み、刺した刃が回転するように本体を回していきます。段々とコルクがあがり半分ほど出てきたらハサミを取り、手で引き抜けば開栓できますよ!
ハサミを使いコルクを開ける場合、刃の刺し込みが浅いと上手く回転せずコルクがボロボロになってしまいます。刃を刺し込む際は、しっかりと押し込むようにして奥まで挿入してください。
アイスピックを刺し押し上げる
コルクに深くまで針を刺し込めるアイスピックは、ワインオープナーの代用品に使えます。
ただし凹凸のあるネジと異なり、ツルっとしたアイスピックは垂直に刺しても抜けてしまうので、開け方にコツが必要です。
アイスピックを使用する場合は、コルクに対して斜めになるように針を刺しましょう。針をコルクに引っ掛けるようにしながら、ゆっくりと上に押し上げればコルクが出てきます。
このとき勢いよく引っ張ると、急にアイスピックがはずれてケガの原因になる可能性があります。必ずアイスピックが抜けないよう片手で固定し、ゆっくりと慎重に押し上げるようにしてくださいね。
半分ほどコルクが抜けたら、アイスピックを外して問題ありません。コルクが半分出てくれば、あとは手でねじりながら引っ張れば簡単に取り外せますよ。
フォークをコルク抜きの代用にする
コルクに刺せる小さめのフォークを使ったワインの開封方法です。
フォークは凹凸がなく滑りやすいため、コルクに対してまっすぐ下ではなく少し斜めに深く差し込みましょう。そうすることフォークが抜けにくくなりますよ。
あとは外側に力をかけるように意識して、ねじりながらゆっくりとコルクを引き上げます。
この方法はフォークに負担がかかるため、折れたり曲がったりする可能性があります。お気に入りのフォークは避け、固く強度のあるものを使用しましょう。
空気入れで圧力をかけて抜く
意外なことに自転車の空気入れを使い、力いらずで簡単にコルクが抜けます。
やり方は簡単。空気入れの針をコルクに刺し込み、タイヤに送り込む要領で空気を入れていきます。
数回空気を送り込むと少しずつコルクが上昇するので、半分ほどコルクが出た段階で空気入れの針を抜いてください。その後、コルクを手で引っ張り開栓します。
この方法は圧力を利用した方法で、力もいらず簡単にコルクを抜けます。
しかし、空気を入れすぎると内部に圧力が加わりすぎコルクが勢いよく飛んで行ったり、ボトルが破裂したりするリスクがあるので気をつけましょう。
空気入れを利用してコルクを開栓する場合は、手で抜ける状態になったらすぐに空気を送り込むのをやめてください。様子を見ながら慎重に行いましょう。
ボトルの底を強めに叩きつける
ワインボトルを叩きつけるこの方法は、賃貸のお家などの壁や床の傷が心配な方にはおすすめできません。
しかしバーベキューやキャンプなど屋外でワインを開ける際には、特別な道具を使わず簡単にできるため試してほしい方法です。
まずワインボトルの底を何枚か重ねたタオルやスニーカーなどで保護します。
保護したボトルの底を床や壁に強めに叩きつけます。このときボトルの角に強い力が加わると割れることがあるため、ワインボトルと床が垂直になるように意識するのがポイントです。
さらにコルクの半分以上が瓶から出るまで繰り返し叩きつけましょう。コルクが抜けるギリギリまで叩くと突然コルクが飛ぶ危険があるため、半分以上出てきたら手で抜きます。
代用品を使う場合はケガに気をつけよう
ここまでワインオープナーがない場合の、代用方法について解説しました。ご紹介した代用品は身近にあるアイテムが多く、ひとつは実践できそうな方法があったのではないでしょうか?
しかし、代用品を使ったワインの開け方は、正しい道具の使い方ではなく危険が伴う場合もあります。試す場合はやり方をきちんと確認し、十分にケガに気をつけて行ってください。
代用法はあくま応急対応であり、常用的な活用は推奨しません。もし、ワインオープナーをお持ちでない方には、購入の検討を強くおすすめします。
代用品を使うと味わいに変化がある?
ワインオープナーではなく代用品を使った場合、肝心の味わいに変化があるのでしょうか?
答えは「YES」で、ワインの味わいに影響を及ぼします。
ワインは飲む直前に振ったり、刺激を与えたりするのは好ましくありません。というのも、ワインは振動に弱く、刺激が加わることで液中の粒子が安定性を失うからです。
粒子が不安定になると、ワインが本来持っていた甘みや滑らかさが損なわれてしまいます。渋みや雑味の印象が強く感じられたり、ざらざらとした口当たりになったりと味わいが変化するのです。
つまり、代用品を使い無理やり開けると、ワインに余計な振動や刺激が加わってしまうため、味わいに影響をおよぼします。
コンビニや酒屋にワインオープナーが売っていることも
せっかく用意したワイン、できるだけ美味しく飲みたいものですよね。そんなときは近くでワインオープナーが売っていないか探してみましょう。
ワインオープナーはデパートやキッチン雑貨店で販売しているイメージが強いですが、実はコンビニや酒屋など近所で手に入る場合があります。
一度購入すれば、何度も活躍してくれるワインオープナー。もし、金銭面や時間に余裕があるのなら、無理やり代用品を使って開栓せずワインオープナーを購入するのもおすすめですよ!
ワインオープナーの基本の使い方
ワインオープナーといっても、さまざまなタイプがあり使い方が異なります。基本の使い方をマスターしましょう。
スクリュー式(T字型)
スクリュー式は最もポピュラーなタイプです。価格が安くコンビニや100円ショップなどでも購入できます。
ハンドルにスクリューがついたシンプルな構造で、使い方も簡単です。
- キャップシールをはがす
- スクリューをコルクに垂直になるように刺し込む
- ハンドルを引っ張ってコルクを抜く
「使い方もシンプルで安いので、初心者の方におすすめ」と紹介したいところですが、実は抜くのが大変です。
ハンドルを引っ張りコルクを抜く際にかなりの力が必要なので、力に自信がある方以外は苦戦する可能性が高いでしょう。
また、スクリューをコルクに垂直に刺し込まないと抜きづらいためコツもいります。
スクリュープル
スクリュープルのワインオープナーは、簡単にコルクを抜けるため初心者の方におすすめです。
- キャップシールをはがす
- オープナーをワイン口にセットする
- ハンドルを回し、スクリューを刺し込む
- コルクが抜けるまでハンドルを回す
オープナーをセットし、ハンドルを回すだけで簡単にコルクを抜けます。力も必要ないため、女性や年配の方に人気があります。
ウィングタイプ
ウィングタイプも簡単にコルクを開栓でき、力も不要で女性や年配の方におすすめです。
- キャップシールをはがす
- スクリューをコルクに刺し込む
- 左右のウィングがあがるので、押し下げていく
スクリュープルのオープナーと類似しており、コツいらずでコルクを開栓できます。
しかし、ウィングタイプはスクリュー部分が太めのものが多いため、コルクが崩れやすい古酒や瓶口の細いワインには不向きです。
ソムリエナイフ
多くのソムリエが愛用しているソムリエナイフは、ワイン愛好家に人気があります。ソムリエナイフはコルクのタイプを問わず開栓できる万能タイプです。
- キャップシールをはがす
- スクリューをコルクに垂直になるように刺し込む
- フック部分を瓶口にかける
- ハンドルを持ち上げ開栓する
ソムリエナイフは、古酒や瓶口の細いワインも楽々で開けられる万能タイプです。ただし、開け方に慣れるまでに時間がかかります。
初心者の方は苦手意識を持つ方が多いですが、慣れれば力いらずでどんなワインも開栓可能です。
コルク抜きで困ったときの対処方法
コルクが上手く抜けずに困ることがありますよね。そんなときにどうするのがベストなのか、対処法をご紹介します。
コルクが瓶の奥に入った
コルクが折れて瓶の奥に入ってしまった場合、もう一度コルク抜きを差し込んで抜いてみましょう。
コルクをこれ以上割ったり崩したりしないように、慎重にゆっくりと行うのがポイントです。少し斜めに差し込み瓶に沿ってゆっくりと引き上げます。
それでも抜けない場合は瓶の中へ押し込む方法が簡単でおすすめです。
ワインボトルの口より細長いものでコルクを押して瓶の中に落とします。そのままコルクをワインの中に入れておくと風味に悪影響が出るため、コルクキャッチャーや茶こしなどでコルクを早めに取り除きましょう。
コルクがボロボロに崩れてしまった
コルクがボロボロに崩れてワインボトルに入ってしまったときは、茶こしやフィルターなどを使って除去します。
飲み切ってしまう場合は茶こしを通しながらグラスに注ぎ、飲み切らない場合は茶こしを通してからワインが注ぎやすいデキャンタなどの他の容器に移すのが無難です。
このときワイン本来の味わいを保つ配慮として、使用する茶こしの素材が重要です。茶こしは金属製が主流ですが、酸を多く含むワインは金属に触れると化学反応を起こすことがあります。
ワインの本来の味を楽しむなら、竹を編んだものや化学繊維を用いたものがおすすめです。
まとめ
今回ご紹介した方法を知っていれば、ワインオープナーがなくてもワインを楽しめます。
しかしワインの味わいに影響を与えたり、ケガの危険があったりとデメリットも多いため、緊急事態のときに利用するのがおすすめです。
「ワインオープナーがなくて困った」というシーンでは、ぜひ活用してみてくださいね!