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牡蠣とワインは相性抜群?ペアリングのコツとおすすめワインの紹介
ぷりぷりとした食感が美味しい牡蠣はお酒との相性がよく、酒飲みに愛されている食材のひとつです。
牡蠣とあわせるお酒といえば、日本ではビールや日本酒との組み合わせのイメージがあります。
牡蠣とワインという組み合わせを耳にしますが、「まだ試したことがない」「牡蠣とワインをあわせるイメージがわかない」という方も多いのではないでしょうか?
今回の記事では牡蠣とワインの相性について解説し、ペアリングのコツや相性のよいワインのタイプもあわせて紹介します。ぜひ、チェックしてみて下さいね。
牡蠣とワインは相性について
牡蠣とワインは相性抜群です。実はワイン大国であるフランスをはじめとした、ヨーロッパ諸国でも愛される定番の組み合わせなのです!
日本でもオイスターバーのような牡蠣とワインをあわせるお店が増え、今や一般的なペアリングといえるでしょう。
ここでは牡蠣とワインの相性について解説します。
牡蠣と白ワインは相性抜群!
魚介類によく合うワインといえば白ワイン。もちろん白ワインは牡蠣との相性がよく、王道の組み合わせといえます。
実は成分的にも、牡蠣と白ワインの相性がよいということが分かってるのです。
白ワインにはリンゴ酸や酒石酸という酸が含まれており、これらの酸は『冷旨系有機酸』といいます。
この冷旨系有機酸は、牡蠣に含まれるグリコーゲンという旨味成分と相性抜群。さっぱりとした爽やかな白ワインには、冷旨系有機酸が多く含まれるため牡蠣とよく合います。
牡蠣と赤ワインは相性抜群って本当?
牡蠣とワインを合わせるならば白ワインを選びたくなりがち。しかし、意外にも赤ワインもよく合うことをご存知でしょうか?
牡蠣と赤ワインを合わせるならば、加熱した牡蠣がおすすめです。実はこちらも成分的に相性がよいと分かっています。
牡蠣には乳酸やコハク酸、グルコン酸などの成分が含まれ、これらの酸を『温旨系有機酸』といいます。この温旨系有機酸は、加熱すると旨みを増す成分で赤ワインと相性抜群です。
牡蠣にワインをあわせるコツ
ここまでは牡蠣とワインの相性のよさを解説しました。
相性がよいと分っていても、実際に自分でペアリングを考えるのは難しいものです。ここでは牡蠣とワインを合わせるコツを紹介します。
温度で合わせる
ワインはタイプごとに適温があります。冷やして美味しい白ワインやロゼワイン、常温に近い温度で楽しむ赤ワインなど、ワインによって飲む最適な温度が異なるのです。
この適温を利用し、料理とワインの温度を近づけると相性がよくなります。
- よく冷やした生牡蠣に冷えたシャンパンや白ワインを合わせる
- 焼き牡蠣に常温に近い温度で楽しむ赤ワインを合わせる
- 温かい牡蠣のグラタンに白ワインをあわせたいので、普段より高めの温度で白ワインを飲む
このように食事の温度に合わせてワインを選択したり、飲むときの温度を調整したりするとよいでしょう。
調味料で合わせる
ペアリングのときは、調味料とワインの組み合わせを意識することもおすすめです。
スパークリング 白ワイン | 塩 レモン汁などの柑橘果汁 柚子胡椒 オリーブオイルなど |
ロゼワイン | 醤油 オリーブオイル ごま油など |
赤ワイン | 醤油 味噌 バルサミコ酢 ブラックペッパーなど |
上記の表を頼りにペアリングを考えてみましょう。
例えば生牡蠣を白ワインと合わせる場合は塩とレモン、ロゼワインと合わせる場合は醤油とオリーブオイルと調味料を変えてみます。
そうすると、同じ料理でも調味料の違いだけで相性のよしあしは大きく変化しますよ。
牡蠣の成分に合わせる
牡蠣の成分には、グリコーゲンと温旨系有機酸が含まれます。この牡蠣の成分にあわせてペアリングするのも賢い方法です。
牡蠣に含まれるグリコーゲンは白ワインと相性抜群です。しかし加熱すると温旨系有機酸が優位に立つので、今度は赤ワインとよく合う食材に変化します。
牡蠣の成分を考慮しワインと合わせるコツは下記のとおりです。
- 生牡蠣の場合:グリコーゲンという成分が引き立つので冷旨系有機酸豊富な白ワインを選択する
- 焼き牡蠣の場合:温旨系有機酸が引き立つため、赤ワインや温度高めの白ワインを選択する
このように牡蠣は食べ方により引き立つ旨味成分が異なるので、成分を意識してペアリングをするといいでしょう。
また牡蠣はミネラル分を豊富に含むため、ミネラル豊富なワインともよく合います。海沿岸部地域の畑で栽培されたワインを選ぶのもおすすめですよ。
調理別!牡蠣と相性のよいワインの特徴
ここまでは、牡蠣とワインのペアリングのコツを紹介しました。しかしコツをおさえてもワインの知識がなければ実際に選ぶのは難しいものです。
ここでは料理別にワインとのペアリング例を紹介します。ぜひチェックしてみて下さいね!
生牡蠣と相性抜群のワインの特徴は?
生牡蠣は冷旨系有機酸が豊富な酸味の強いワインと相性抜群でしたね。つまり相性のいいタイプは、スパークリングワインや白ワインとなります。
選ぶポイントは、樽の影響を受けていない爽やかな味わいのワインを選ぶことです。また熟成したワインでなく、爽やかな酸が残ったフレッシュな早飲みタイプのワインがよいでしょう。
スパークリングワインとあわせるならば、フランスのシャンパンやスペインのカヴァが相性抜群。特にシャンパンと牡蠣の組み合わせは有名で、フランスで親しまれている楽しみ方です。
白ワインとあわせるならば、フランスのシャブリが王道の組み合わせです。
フランスのシャブリ地方はかつて牡蠣生息した海が畑になったといわれています。そのためシャブリ地方で造られるワインは、ミネラルが豊富で牡蠣とよく合うといわれているのです。
焼き牡蠣と相性抜群のワインの特徴は?
加熱調理の焼き牡蠣は温旨系有機酸が引き立つ食べ方です。そのため赤ワインとよく合います。
おすすめの組み合わせは、国産赤ワインです。国産赤ワインの和のニュアンスがお醤油やポン酢をかけて頂く焼き牡蠣とよく合いますよ。
もし牡蠣と赤ワインの組み合わせはハードルが高いと感じるのであれば、イタリア産の赤いスパークリングワインである辛口のランブルスコもおすすめです。
辛口のランブルスコは白ワインのような爽やかさがありながらも赤ワインらしいコクや旨みがあり、焼き牡蠣の温旨系有機酸によく合います。
牡蠣のアヒージョと相性抜群のワインの特徴は?
牡蠣の旨みがしみ出た濃厚な味わいが魅力的のアヒージョは、赤ワインやロゼワインとよく合います。
赤ワインであれば、スペイン産の若いテンプラニーリョがおすすめ。
テンプラニーリョは、熟成が進むと味わいが濃厚になります。牡蠣と合わせる場合は、ワインに味わいが負けてしまわないよう若いヴィンテージを選択しましょう。
若いワインはラベルに記載されているヴィンテージを頼りに、今から2~3年ほど前のワインを選ぶといいですよ。熟成が進みすぎずちょうどよい味わいのワインを選べます。
またロゼワインは、オリーブオイルや濃厚な旨みの要素とよく合います。牡蠣のアヒージョとあわせるのであれば、フランスやスペイン産の辛口ロゼがおすすめです。
牡蠣フライと相性抜群のワインの特徴は?
ぷりぷりの牡蠣にサクサクの衣のコントラストが楽しい牡蠣フライは、ワインのおつまみにもぴったり。
加熱した牡蠣は赤ワインと相性がよく、渋みが少なく果実味の強いワインがおすすめです。赤ワインとあわせる場合は、牡蠣フライにソースをかけるとより相性がよくなります。
おすすめのペアリングはイタリア産のバルベーラというぶどう品種を使用した赤ワインや、日本のマスカット・ベーリーAを使用した赤ワインです。
どちらも果実味が強く穏やかな渋みが魅力的なワインで、牡蠣フライとよく合いますよ!
もし冷たいワインとあわせたい場合は、濃いめのロゼワインと合わせるのもいいでしょう。
白と赤の長所を兼ね備えるロゼワインは、加熱牡蠣と相性抜群です。牡蠣フライのこってりとした味わいと、ロゼワインの爽やかさが心地よい箸の止まらない絶品マリアージュを楽しめます。
おわりに
今回の記事では、牡蠣とワインの相性やペアリングのコツ、おすすめのワインを紹介しました。牡蠣とワインは非常に相性抜群で、調理法によっていろんなタイプのワインと合わせられます。
ぜひ牡蠣とワインのペアリングを楽しんでみて下さいね!