産地の違いなどによってさまざまな味を楽しめるワイン。
プリン体と言えばビールなどのアルコール飲料が思い浮かびますが、ワインには含まれているのでしょうか?
今回は他のお酒と比較しながら、ワインにどれだけプリン体が含まれているのかを紹介していきます。
プリン体と痛風の関係
そもそもプリン体を取りすぎると痛風を発症するのでしょうか?
体内のプリン体のうち食事の摂取によるものはたった20%ほどで、80%は新陳代謝やエネルギー代謝によって生成されています。
プリン体は肝臓で分解され尿酸へと変化し、体の外へ排出されるのが通常です。
尿酸はプリン体が体内で分解されたときにできる燃えカスのようなもので、尿酸が血液の中で限界状態に達すると結晶化して関節部に沈着していきます。これが関節炎になり「痛風」を発症する原因です。
プリン体の1日あたりの摂取量の目安は?
日々の食事においてプリン体の摂取はどれくらいにすればいいのでしょうか?
目安として、1日あたりの摂取は400㎎以下が良いとされています。
100gの食品に含まれるプリン体が200㎎を超えると「高プリン食」と呼ばれ、特に、肉類・魚介類・内臓類にはプリン体がたくさん含まれているので注意しましょう。
ワインや梅酒などお酒類のプリン体の量一覧
アルコール100mlに含まれる総プリン体量(mg)
アルコール飲料 | 100mlあたりの総プリン体量(㎎) |
---|---|
地ビール | 4.6~16.7 |
紹興酒 | 7.7~11.6 |
ビール | 3.3~8.4 |
発泡酒 | 0.1~3.9 |
ワイン | 0.4~1.6 |
日本酒 | 1.2~1.5 |
ホッピー | 1.1~1.3 |
ブランデー | 0.4 |
ウイスキー | 0.1~0.3 |
梅酒 | 0.2 |
焼酎(25%) | 0 |
泡盛 | 0 |
上記の表からプリン体の量は、全般的には蒸留酒より醸造酒の方が高いことがわかります。
ワインに含まれているプリン体は多くない
アルコール飲料のなかでもプリン体がたくさん含まれているのはビール類であり、それに比べるとワインはあまり含まれてないことがわかります。
また一般的に赤ワインより白ワインの方が、含まれるプリン体は少ないです。
これは製造方法の違いが異なるからです。赤ワインは皮や種子を同時に醸して作る一方で、白ワインは途中で取り除いてしまいます。
要注意!プリン体の多い食べ物
食品のなかにはプリン体が多く含まれているものがあります。先にも少し触れましたが、例えばレバーやフォアグラ、魚介類です。
含有量の多い食品について具体的にみていきましょう。
レバー・フォアグラ
肉類には多くのプリン体が含まれています。その中でも特に多いのが内臓です。
なかでもバー・フォアグラに含まれているプリン体は相当な量で、例えば鶏のレバーでは100gあたり300㎎を超えています。
ワインと一緒に楽しみたいフランス料理では、ポワレしたフォアグラやレバーのペーストなど臓物を使用した料理がたくさんありますが、食べすぎには注意が必要ですね。
魚・貝・甲殻類
魚介類や甲殻類にも、プリン体が多く含まれているものがあります。
特に多いのは、まいわし(干物)やタラの白子などで、100gあたり300㎎以上とかなりの含有量です。その次にさんま(干物)・大正エビ・まあじ(干物)は200㎎を超えています。
また貝類ではカキにプリン体が多く含まれていて、100gあたりでは180㎎と貝類のなかでは多いようです。
プリン体を含む食べ物はたくさんあるので、魚・貝・甲殻類のなかでは、「魚の干物と白子には注意」と覚えておくことをおすすめします。
尿酸値を上げないためには日々の習慣が大切
尿酸値が高くなってくると高尿酸血症となり、悪化すると痛風を発症する可能性が高くなります。
尿酸値を上げないためには、以下のような日々の習慣が大切です。
- プリン体の多い食べ物は控えめにする
- 水分をじゅうぶんに摂取する
- アルコールは控えめにする
- 栄養バランスの良い食事を規則正しくとる
- 運動を心がける
そして定期的に健康診断を受診して自身の状態を把握するとともに、少しでも体の異変に気づいたら医療機関でチェックしてもらいましょう。
まとめ
今回はワインに含まれるプリン体や、関連する病気などについてご紹介しました。
ワインはビールよりも格段にプリン体量の少ないことがわかりましたね。食べ物にも気をつけながら、適量な飲酒を心がけましょう。