ソムリエたちがワインの味を多彩な言葉で表現しますね。聞いているだけで飲みたくなるような面白い表現から、食べ物の表現とは思えない不思議な例えまであります。
今回はワインの味を表現する方法と面白い&不思議な例えを紹介していきます。
ワインは味覚・嗅覚・触覚で感じたままに表現する
ワインは味覚や嗅覚だけでなく触覚でも感じたことを表現されます。甘い、苦いや酸っぱいといった味は味覚や嗅覚で感じますが、渋みは味ではなく痛覚にあたるので触覚に分類されます。
他にもアルコールが強いワインでは舌に乗っかるような重みを感じたり、タンニンが強く渋みの主張には舌がざらつくといった言い回しになるのです。
難しいことを考えず、一口飲んだ率直な感想を述べることが大事になります。
ワインの面白い表現方法
ここではワインの面白い表現方法を紹介します。実際にはない抽象的なものや、ワインとは別のものに例えて分かりやすくワインの魅力を表現するのです。
【ワインの面白い表現】果物
ワインの原料はブドウですが、製造方法やブドウの種類によって他の果物のような風味を感じられます。
赤ワインはベリー系の風味に例えられることが多く、白ワインはリンゴや洋ナシ、シトラスといったサッパリした果物に例えられます。
ブドウ由来のワインを原料に使われていない他の果物で表現するのは、面白いですね。
【ワインの面白い表現】人間のカラダ
赤ワインの重みやコクのことを「ボディ」と表現することから、味わいを「男性的」「女性的」といって人間のカラダに例えて表現するのです。
ボルドーワインのような濃厚で渋みが強く、複雑な果実味を感じさせるワインを女性的と例えられます。男性的な味わいは、ブルゴーニュワインのような軽やかな酸味や熟成された独特な香りがするワインで使われます。
【ワインの面白い表現】生地の肌触り
ワインの渋みは、生地の肌触りに例えます。渋みは味でなく痛覚に分類されるので、舌で触った感触で表現するのです。
口に含んだ瞬間に感じる質感やアルコールの重み、口当たりを感じたままに言葉にしてみましょう。
シルクのようになめらかなのか、荒くザラっとしているのか好みはそれぞれです。自分が好きなワインはどんな舌触りをしているのか、ワインを飲むときに意識してみてください
ワインのちょっと不思議な表現方法
ここからは、飲み物の味を表現するとは思えない不思議な表現を紹介します。ソムリエがお客さんに説明するときには使わない言葉ですが、ワインの状態を表しているので覚えておくと便利ですよ。
【ワインの不思議な表現】濡れた段ボール
コルクの消毒に使われた塩素と細菌が混ざり合ってTCA(トリクロロアニソール)という物質が発生したワインの香りを「湿った段ボールを放置したような臭い」と表現します。
この現象をブショネといって、およそ5%程度の確率で発生するといわれます。
ブショネになったワインは飲んでも体に害はありませんが、風味が落ちているので魅力も半減です。料理酒として使ってあげましょう。
【ワインの不思議な表現】猫のおしっこ
状態が悪くなったワインのことでなく、フランス・ボルドー地方原産のブドウ「ソーヴィニヨン・ブラン」を使ったワインの香りのことです。
青々とした清涼感を漂わせる独特な香りを「猫の尿ようだ」と形容されますが、イメージが悪いのでお客さんにそのまま伝えることはありません。
日本ではグレープフルーツや青草のようだと言い換えられています。
【ワインの不思議な表現】玉ねぎのくさった臭い
コルクが腐ってしまったブショネとは反対に、コルクの気密性が高すぎてボトル内の酸素が少なくなってしまったワインからは「玉ねぎがくさった臭いがする」といわれます。
ワインが酸欠を起こしてしまったともいわれ、開けてすこし時間が経てばワインが酸化することで問題なく飲めます。
ワインの味をスマートに表現しよう
ワインには様々な表現方法がありますが、基本的には感じたままに表現をします。難しく考えすぎず思ったままに表現すれば、自然にスマートな言い回しになりますよ。