私たちが普段、当たり前のように楽しんでいるワイン。スーパーはもちろんコンビニなどでも気軽に購入できるようになりました。
しかし当たり前に普及したのはワインの歴史からすれば、つい最近のことなのです。それでは、いつからワインは造られていたのでしょう?
今回はワイン歴史を紐解き、発祥の地や世界で一番古いワインについて解説します。
ワインはいつから造られているの?
諸説ありますがワイン造りは、紀元前8000年頃に始まったといわれています。
紀元前8000年は、日本では旧石器時代です。それほど昔からワインが飲まれていたとは感慨深いですね。
文献でワインの登場が確認できるのは、紀元前5000年頃です。メソポタミア文明のギルガメッシュ叙事詩にワインの醸造について記載されており、当時の遺跡や醸造用の道具が発見されています。
ワイン発祥地はフランスではなくジョージア
ワインといえば一番にフランスを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?ワインが有名で生産量も多いフランスは”本場”といますが、発祥の地はフランスではありません。
実は紀元前8000年の頃にワインを造っていた場所はコーカサス山脈付近。現在この場所はジョージアが位置するため、ワインの発祥の地はジョージアということになります。
フランスにワインが伝播したのは、紀元前600年頃です。そこからワインが流通し、一般市民が日常的にワインが飲めるようになったのは19世紀頃といわれています。
私たちにとっては随分と昔のことです。しかしワインの歴史からすれば、フランスワインの歴史はまだまだ最近のことといえますね。
ジョージアワインの特徴
ワインの発祥の地・ジョージアでは、国際品種ではなく現地で育まれた土着品種のぶどうを使用したワイン造りが主流です。
なんとジョージアの土着品種のぶどうは500種以上!そのためプロでも聞きなれないような、珍しいぶどうを使用したワインを楽しめます。
ぶどうだけでなく造り方も昔ながらの製法を大切に守っています。これをクヴェヴリ製法といい、大きな素焼きの壺のなかで醸造するジョージアならではのやり方です。
ジョージアワインを飲めば、きっと古来のワインの雰囲気を楽しめるでしょう。ジョージアワインを試すときは、ぜひクヴェヴリ製法で造られたワインに挑戦してみて下さいね!
現存する一番古いワインは沈没船から見つかった
これまでは世界最古のワイン産地であるジョージアについて紹介しました。もちろん当時のジョージアワインは残っていませんが、今でも発祥の地ジョージアのワインが飲めるのは嬉しいですね。
それでは現存する一番古いワインは、どんなものなのか気になりませんか?実は、2019年にロンドンで世界最古のワインがオークションにかけられました。
このワインは沈没船から発見されたもので、なんと300年前の品物。ワインは14本発見されており、赤ワインだったようです。
沈没船から見つかった300年前の世界最古のワイン…、なんだかロマンを感じます。
世界で一番古いワインの価値
沈没船で発見されたワインの価値はどれくらいなのでしょうか?残念ながら落札額を確認することはできませんでしたが、オークション側の推定では400万円前後の価値があるとされました。
世界最古の沈没船ワイン以外にも、実は海底でワインが見つかる事例があります。
170年海に眠っていたシャンパンがオークションで競りにかけられたときは、11本で約1240万円の落札額で購入されました。
世界で一番古いワインは飲めるのか
沈没船で発見された世界一古いワインは、果たして飲めるかも気になるところ。世界最古のワインは、科学者によると「飲むのはやめておいた方がいい」そうです。
飲んではいけないと断言したわけではないようですが、状態はあまりよくないようで少し残念ですね。しかしタンニンやポリフェノール、アルコールが検出されており、飲めば酔えるとのことです。
おわりに
今回の記事ではワインの歴史や発祥の地・ジョージア、世界最古のワインについて紹介しました。
ジョージアワインも世界最古のワインも非常に興味深く、飲みの席の小ネタにぴったりのお話です。
ジョージアワインは現在でも楽しめるので、興味があれば試してみてはいかがでしょうか?普段とは異なるワイン体験を楽しめること間違いありません。