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赤ワインは寝かせるほど美味しくなる?寝かせる理由や保存方法を解説

2023年6月16日

豆知識

ワインは、熟成させてから飲むのも楽しみ方の一つ。種類によっては長期間寝かせてから飲むことで、香りや風味が豊かな最高の状態のものを味わえます。

今回は、赤ワインを熟成させる理由やワインの特徴、見極め方などを解説します。
飲み頃の見極め方を知ることで、熟成した贅沢な味わいのワインを楽しんでみてはいかがでしょうか。

赤ワインを寝かせる(熟成させる)理由とは?

ワイン熟成樽

赤ワインはを寝かせることによってでワインの骨格となる渋みが減り、マイルドな味わいになります。
ワインが酸素に触れることで渋み成分である「タンニン」が減少するからです。

また、見た目の色もだんだんと淡い色変わっていきます。寝かせるときは、じ っくりと時間をかけて酸素に触れさせることが大切なポイントです。時間をかけることで品質を落とさず、豊かな味わいを堪能できますよ。

意外!長期寝かせるのには向いているワインはほんの一握り  

ワインコルク

長期熟成に向いているワインはほんの一握りしかありません。ワインに含まれている成分によって、熟成が必要であるかないかが変わるからです。

渋み成分であるタンニンや酸味の元になる有機酸、ワインの色素となるアントシアンの成分量が多く含まれているものは、熟成させるのに適しています。

ワインの種類によって、寝かせるのに適切な期間が変わります。ワインの特徴を踏まえて熟成させることで、香りと風味が絶頂のおいしいワインを嗜んでくださいね。

長期熟成に向いているワインの特徴

長期熟成に向いているワインは、渋みや酸味となる成分が多く含まれているものです。ワインに含まれている渋みや酸味成分を少しずつ酸化させることで最高の味わいになります。

じっくりと時間をかけてワインを寝かせると、コルクを通じて酸素がボトル内の成分に含まれます。

そして酸素の影響により、タンニン、有機酸、アントシアンなどの成分がさまざまな物質に変わります。長い間寝かせることで、まろやかな最高の味わいを楽しめますよ。

長期熟成に向いていないワインの特徴

長期熟成に向いていないワインは、熟成向きの成分が多く入っていないものです。そのため、長く寝かせても味わいが良くなりません。

逆に長く寝かせてしまうことで、味の品質が劣ってしまいます。寝かせる必要のないワインは早飲みワインと呼ばれていて、原料に使われているブドウ本来の新鮮な味わいを楽しめます。

また、買ってすぐにワインの時間を楽しめるのもうれしいポイントです。購入後はすぐに飲むか、1.2年以内に飲むとおいしさを損なわずに味わえるでしょう。

赤ワイン白ワイン共通!飲み頃を見極めるポイント

赤ワインと白ワイン

ここではワインの飲み頃を見極めるポイントをご紹介します。ポイントを押さえてタイミングを見極めることで、おいしさのピークをぜひ味わってみてくださいね。

見極め①ワインの価格

1つ目の見極め方は、ワインの価格です。1,000円程度で購入できるデイリーワインは、買った時がベストな飲み頃になります。

中価格程度のワインの場合、赤ワインは2~3年、白ワインは1~2年程度に飲むのがおいしさを損なわないタイミングです。

1万円を超えるような高級ワインは、造り手が数年後においしさのピークがくるように計算して作られているものがあります。

飲み頃を自分で判断するのは難しいので、購入したお店やソムリエさんに相談するといいですよ。

見極め②ヴィンテージチャート

2つ目の見極め方は、ヴィンテージチャートを使う方法です。ヴィンテージチャートは、ワインの専門家や評論家がその年のワイン産地の評価を数値化して一覧にしたものです。

ワインの原料であるブドウは天候により毎年出来が変わり、それに伴ってワインの出来も変わってきます。当たり年と呼ばれる「ヴィンテージ」であれば、数年寝かしてから飲むのが目安です。

一方、「オフヴィンテージ」と呼ばれるものは、長く寝かせなくでも大丈夫なワインです。ヴィンテージチャートがあればワインにあまり詳しくなくても、飲み頃を見極められるので便利ですね!

ヴィンテージチャートはネットで検索すると無料で見られるものがあるので、ぜひ活用してみてください。

ワインを自宅でおいしく熟成させるには?

ワインを自宅でおいしく熟成させるには、いくつかのポイントがあります。ワインセラーがなくても家庭で保存が可能なので、ぜひ参考にしてみてください。

保存環境

ワイナリーなどで見るワイン熟成庫は、薄暗く湿度が高くひんやりとしています。

家庭でまったく同じような環境を整えることは難しいですが、似たような環境を整えればワインの品質を保ちながら熟成できます。

【ワインの理想的な保存環境】

  • 温度は14度前後で一定に保つ
  • 湿度は70%前後
  • 直射日光に当たらない涼しく暗い場所
  • 匂いのしない場所
  • 振動のしない場所

家庭でワインを保存する場所として、日の当たらない押入れや床下収納などがおすすめです。

熱のこもる台所や洗濯機の近くは、温度が一定に保てないことや振動によってワインの変質の原因になりうるので避けた方が良いでしょう。

もちろんワインセラーがあれば理想的ですが、環境をきちんと守って保管すればワインは時間と共にきれいに熟成していきます。

寝かせる期間

寝かせる期間は、ワインの種類によって異なります。保存期間をワイン種類別にまとめましたので目安にしてみてください。

ワインの種類保存期間
赤ワイン(ボージョレ・ヌーヴォー)1年以内
赤ワイン(熟成向き)5年~50年以上
白ワイン1年~2年
スパークリングワイン熟成不要
ロゼワイン熟成不要

適切に保存されていれば、基本的には保存期間に制限はありません。飲み頃を見極めるポイントを参考にして、保存期間を決めてください。

ですが、ボージョレ・ヌーヴォーやスパークリングワイン、ロゼワインは購入後すぐに飲むことをおすすめします。

ボージョレ・ヌーヴォーはできたてのフレッシュさを楽しむワインなので、早めに消費することがポイントです。ロゼワインについても、時間が経過するほど特有の美しい色合いが損なわれてしまう可能性があります。

寝かせ方

ワインを長期保存する場合は、寝かせ方にも注意する必要があります。

【ワインを劣化させない寝かせ方】

  1. 横置きでも立置きでもOK(スクリューキャップの場合は立てて保存)
  2. コルクが乾燥しないようラップで覆い、ボトル全体を新聞紙やプチプチなどの緩衝材で巻いておく
  3. さらに、ワインボトルを段ボールや発泡スチロールの箱に入れて保管する

また長期保存したワインを飲むときは、ワインが劣化していないか確認することも大切です。

ワインから異臭がする場合や、栓抜きで開ける際に空気が抜ける音がした場合は注意が必要です。少しでも異変を感じた場合は、飲むのをやめておきましょう。

寝かせるのにおすすめ!熟成が楽しみなワイン4選

数あるお酒の中でも、ワインは熟成させて楽しめることが魅力のひとつです。ここからは、寝かせる価値のある熟成向きワインをご紹介します。

メルキュレイ・ヴィエイユ ヴィーニュ・ルージュ

画像出典:楽天市場

深みのある濃いルビー色で、キイチゴやチェリーなどの香りを彷彿とさせるブルゴーニュの辛口赤ワイン。

若いうちはタンニンが硬い印象を感じることもありますが、熟成によってまろやかで厚みのある味わいへの変化する熟成向きのワインです。

ピエロパン・アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ

画像出典:楽天市場

リッチでまろやかな味わいに、果実味と酸味による爽やかな余韻が楽しめるイタリアの赤ワインです。

肉のグリルや煮込み料理、辛口チーズなどと好相性。食後にゆっくり味わうにもおすすめの熟成ワインです。

ローガン・ワインズ ウィマーラ シラーズ・ヴィオニエ

画像出典:楽天市場

コストパフォーマンスに優れたオーストラリアの赤ワイン。プラムやスパイス香が立ち上がる滑らかな口当たりが心地よく、リッチで繊細な果実味が楽しめます。

スクリューキャップタイプのワインのため、自宅で熟成させる場合は立てて保管するのがおすすめです。

ルイ・ジャド・ニュイ・サン・ジョルジュ

画像出典:楽天市場

フランスのニュイ・サン・ジョルジュ村で最も長命な赤ワイン。

熟成中期でもフルボディでタニックな味わいを保ち続ける長期熟成向けのワインです。濃厚な色合いと良く熟した果実の香りが味わえます。

注意:開封前のワインの冷蔵庫保存はダメ!

ワイナリー

開封前のワインの冷蔵庫保管はおすすめしません。冷蔵庫の中では冷え過ぎや乾燥、振動による影響を受けやすいからです。

ワインは温度や湿度、光に配慮して保管することで品質を保てます。未開封のワインは13~15度で、湿度が60~80%、光の当たらないなるべく暗い場所に保管するのがおすすめです。

天候も日々変わるのでワインの保管場所の調節は難しいです。普段気軽に飲むワインは床下収納など、高級なワインにこだわりのある人はワインセラーを使うと管理しやすいですよ。

まとめ

赤ワイン

赤ワインは熟成させてから飲むのも楽しみ方の一つです。熟成向きのワインを購入した時は、今回紹介した内容をぜひ参考にしてみてくださいね。

ワインに適した熟成期間を守って、おいしさの絶頂を堪能してみてはいかがでしょうか。

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