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お酒の歴史と文化│ヨーロッパと日本の違いを詳しく解説

現代では誰もが簡単に手に入れられるお酒ですが、どのような歴史を辿ってきたのでしょうか。

本記事ではお酒の歴史と文化について詳しく解説していきます。お酒の歴史を知れば、お酒がいっそう味わい深いものになるでしょう。

そもそもお酒はなぜできた?

お酒の起源

お酒の始まりは、約1万年前にさかのぼります。人類が農業を始め、穀物を使ってパンを焼くようになった時代です。

もともとお酒の製造が始まったのは、余った穀物を貯蔵していた際に穀物が濡れてしまって自然に発酵したことがきっかけです。

また、偶然発酵した果物を食べた人々が味の変化に気がつき、ワインの始まりになったといわれています。

どちらも、穀物や果物が自然発酵したことでアルコールが生成されたのです。

後にアルコールは、「保存期間を延ばす効果」や「栄養価の高さ」がみとめられて重宝されるようになります。とくに、食料が不足していた時代において、発酵飲料は貴重な栄養源となりました。

お酒の発見は、人類が生き延びるうえで非常に重要な事件といえるでしょう。

お酒の始まりはワインとビール

お酒の始まりはワインとビール

穀物や果物の偶然の発酵によって、お酒造りの歴史は始まりました。穀物の発酵からビール、果物の発酵からワイン造りが始まったのです。

お酒のなかでも、果実酒が最も古いお酒といわれてます。紀元前5,000年頃にはメソポタミア地方でワイン造りがされていたようです。

ビールは紀元前3,000年頃に造られていた記録があります。

ワインやビールに比べると、ほかのお酒の誕生はずっと後です。日本酒は、8世紀頃の奈良時代に製造方法が確立されており、ウイスキーやスピリッツなどの蒸溜酒は11世紀初めの南イタリアで誕生しています。

【お酒の誕生時期】

  • ワイン・・・紀元前5,000年頃
  • ビール・・・紀元前3,000年頃
  • 日本酒・・・8世紀頃
  • ウイスキーやスピリッツ・・・11世紀頃

ヨーロッパのお酒の歴史

ヨーロッパのお酒の歴史

お酒の始まりであるワインとビールは、ともにヨーロッパ地方で誕生しています。

ワイン造りはローマ時代になってヨーロッパ全土に急速に広がり、中世には「キリストの血」とされるほど神聖化されていました。

いっぽう、ビールは古代メソポタミアやエジプトで栄養源として重宝され、後にヨーロッパで多様に発展しています。現在の100種類以上あるビールの大部分は、ヨーロッパが発祥です。

また、中世には蒸留酒が造られるようになります。ヨーロッパの多様な作物を活かしたウイスキーやブランデーなどの蒸留酒が次々と誕生し、世界に広まりました。

お酒はヨーロッパの風土に育まれて誕生したたこともあり、現在でもヨーロッパでは宗教儀式やお祝いに欠かせない文化的価値があります。

ヨーロッパのお酒の文化

ヨーロッパの中には様々な地形や気候があるため、地域によって作物が育つ適性があります。普及していったお酒の種類も地域によって異なるのです。

たとえば、ドイツではビールの原材料は「大麦・ホップ・酵母・水のみ」と定められています。ところが、お隣のベルギーではスパイスや果物を加えたビールが作られており、文化の違いが顕著です。

また、フランスではワインの消費が多く、ボルドーやブルゴーニュが有名です。いっぽうイタリアでは、アマレットやカンパリなどのリキュールが多く消費されています。

ただし、ヨーロッパ全体で共通しているのは、「お酒が祝祭で欠かせない存在」であるという点です。

もともと、お酒に宗教的な意義があるため、お酒を通じて絆を深めコミュニティを形成する手段となっています。

日本のお酒の歴史

日本のお酒の歴史

日本のお酒の歴史は稲作の普及とともに、自然発酵の清酒(日本酒)が生まれました。「古事記」や「日本書紀」にも酒に関する記述があり、神事や祭りで重要な役割を果たしています。

奈良時代に米と麹を用いた醸造法が確立されましたが、おもに特権階級が飲むものだったようです。平安時代後期に入ると、寺院や神社での酒造りが盛んになり技術が発展しました。

江戸時代になると、現在と変わらない醸造方法のお酒が大量に流通し、庶民が気軽にお酒を飲めるようになっています。

明治時代には西洋の醸造技術が導入され、ビールやウイスキーの生産も始まりました。

とくに明治政府は国産ビールの生産を奨励し、サッポロビールやアサヒビールなどの大手メーカーが誕生したのも明治時代です。

日本でワインやビールが広まったのはいつから?

日本でワインやビールが広まったのは、明治時代(19世紀後半)からです。

江戸時代前後にワインやビール、洋酒などが、ヨーロッパの人々によって伝えられていました。ただし、日本国民に広く知られるようになったのは明治維新以後です。

当時ビールやワインなどの外来のお酒は、欧米諸国の先進文化の象徴とされていました。日本人にとって外来のお酒が、豊かな生活や憧れの対象として広く受け入れられるようになったのです。

また、海外から輸入されるお酒と差別化するために、もともと日本で造られていたお酒を「日本酒」と呼ぶようになったのも明治時代からといわれています。

日本の飲酒文化の特徴

日本の飲酒文化

日本の飲酒文化は多様で、社会や文化に根ざした独自の特徴があります。

その一つが清酒(日本酒)の存在です。稲作の発展とともに古くから醸造され、神事や祭礼で重要な役割を果たしてきました。

焼酎も日本独自の蒸留酒であり、地域ごとに異なる製法や原料を用いた多様な味わいが楽しまれています。

また、外国からビールやワインなどが普及し、現代ではさまざまな酒類を楽しめるようになりました。

日本の飲酒文化の特徴は、伝統と革新が融合した多様性と質の高さにあります。

食との調和や季節感を重んじ、お酒を通じて人と人との交流を深める文化が日常生活に溶け込んでいるのです。

お酒は神聖なもの

日本酒はお米が原料のため、稲作と同様に神様と密接な関係があるのです。

日本の民族宗教である神道では、神様に日本酒をお供えした後に人々へ振る舞われるしきたりがあります。

お供えするお酒を御神酒と呼び、神様と同じものを口にすることで神の加護や恩恵があると考えられているのです。

初宮参りや七五三、結婚式やなど、さまざまな行事で日本酒を神様にお供えする風習は根付いています。

日本人のお酒との付き合い方

「酒は百薬の長」という言葉をご存じの方も多いのではないでしょうか?

故事成語の「夫鹽食肴之将、酒百薬之長、嘉會之好。鐵田農之本、名山大澤饒衍之臧」がもとになっている言葉で、「酒百薬之長、嘉會之好=適度な酒はどのような薬にも勝り、お祝いにも欠かせない」という意味です。

日本人にとってもお酒とは、祭りや祝い事に振舞われる神聖なものであると同時に、晩酌や友人の飲み交わすなど生活に浸透した身近なものになっています。

また、季節ごとに適したお酒を飲むのは日本特有の文化です。夏には花火とビール、冬には雪を見ながら熱燗など、季節の気候や景色を五感で感じながらお酒を楽しみます。

四季折々の風情を感じながらお酒をたしなむのは、ほかの国では決してできないことなのです。

新たな歴史をつくったワインでおしゃれに乾杯|パープルレイン

パープルレイン
画像出典:Purple Reign公式HP

お酒の歴史の中で最も古くに造られたワインは、現代でもさまざまな種類のブドウや製法で造られ、美味しさの追求は増すいっぽうです。

『パープルレイン』は、世界初の神秘的な紫色の白ワイン。パープルレインの登場も、またお酒の新たな歴史の一歩といえます。

綺麗な紫はチョウマメ(バタフライピー)という植物からくる天然由来の成分で、着色料は一切使用しておりません。

お洒落で美しいパープルレインで、ワインの奥深さと歴史を味わってみてはいかがでしょう?

【まとめ】お酒は各国で文化として根付いている

世界的に根付いているお酒文化

お酒の始まりは、穀物や果実の偶然の発酵です。とくにヨーロッパでは、気候や地形の影響でワイン造りが盛んになり、ついでビールや蒸留酒などさまざまなお酒が造られるようになりました。

いっぽう日本では、昔からお酒は神聖なものとされ、現代でも神事や祭事には日本酒がお供えされる文化が根付いています。

お酒は各国の風土や文化に根付いており、人々の生活に欠かせないものといえるでしょう。

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