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ブレンドワインの魅力とは?メリットやおすすめ産地、ワインも紹介
複数のぶどう品種を混ぜて造る、ブレンドワイン。「なぜ、いろんなぶどう品種をブレンドするのだろうか」と考えたとはありませんか?
本記事では、ブレンドワインの魅力やメリット、おすすめ産地、銘柄を紹介します。
ブレンドワインの魅力を紹介
ブレンドワインは複数のぶどうをブレンドするため、品種の個性が混ざり合い奥行きのある複雑な味わいに仕上がるのが最大の魅力です。
単一品種でワインを造るよりも品種個性のアロマや風味が混ざり合い、1杯のワインでさまざまなニュアンスを楽しめます。
また、自由にぶどうをブレンドしてワインが造れるので、醸造家の表現したい味わい感じられるのも特徴です。ブレンドワインは、ワインを通して生産者と対話するような趣深い楽しみ方ができます。
アッサンブラージュとブレンドの違いとは?
“アッサンブラージュ”という言葉をご存じでしょうか?
よくアッサンブラージュは、「ブレンドとの違いは何か」について混乱されるのですが、アッサンブラージュとブレンドは同じ意味です。
アッサンブラージュはフランス、ブレンドは英語圏で使われるワイン用語です。語源が異なりますが、どちらも2種以上のぶどうやワインをブレンドする製法を意味しています。
ワインをブレンドするメリットを紹介
ワインを造るときに複数のぶどう品種をブレンドすると、味わいをコントロールできるうえ、味わいに複雑さが増し高品質なワインが造れます。
また、毎年安定した品質のワインの製造が可能になります。
メリット①:味わいのコントロールができる
ブレンドワインは複数のぶどう品種を混ぜると、味わいをコントロール可能です。ぶどう品種は個性豊かなので、特徴をかけ合わせることで理想の味わいに仕上げられます。
たとえば、甘いワインに酸味を与えてさっぱりとさせたい場合は、ソーヴィニヨン・ブランやリースリングなど、酸の強い品種を加えてすっきりした味わいになるようコントロールできるのです。
ブレンドワインはバリエーションが無限大であり、生産者の思い通りの味わいのワインを造れます。
メリット②:味わいに複雑味が増す
ブレンドワインは、品種ごとの個性や風味が混ざり合うため、味わいに深みが増すというのも大きなメリットです。
ブレンドワインは複数のぶどう品種の個性が集まるので、1杯のワインからさまざまな味わいや香りを感じとれます。
ぶどうの個性が重なり合うことでバランス感に優れ、複雑な味わいを織りなす高品質なワインに仕上がるのです。
メリット③:品質の安定に繋がる
フランスのシャンパーニュ地方のスパークリングワインには、基本的にブレンドが行われています。その理由は、品質の安定に繋がるからです。
シャンパーニュ地方は非常に冷涼な気候で、ぶどう栽培には厳しい環境のため、年によりぶどうのできにばらつきが出ます。
厳しい環境のなか、考え出されたのが毎年ワインを保管しておき、調合の際に保管しておいた過去のワインを混ぜる方法です。
ヴィンテージワインを混ぜることで、毎年安定した美味しいシャンパン造りが実現しました。
ブレンドワインを楽しめるおすすめ産地
ブレンドワインはさまざまな産地で造られていますが、おもにヨーロッパを中心に使われている手法です。ここでは、本格的なブレンドワインが楽しめる産地を紹介します!
フランス・ボルドー地方
フランス・ボルドー地方では、赤・白ワインともにブレンドワインが主流です。ワインをアッサンブラージュすることが、ボルドーワインの最大の特徴といえるでしょう。
ボルドー地方は気候が不安定なため、収穫時期が異なるぶどうをブレンドして品質安定に繋げています。
白ワインはソーヴィニヨン・ブラン、赤ワインはカベルネ・ソーヴィニヨンを主体に、さまざまなぶどう品種がブレンドされるのが一般です。
フランス・シャンパーニュ地方
フランス・シャンパーニュ地方は寒さが厳しく、安定してぶどうを収穫するのが困難な地域です。
シャンパンは、毎年保管した複数のヴィンテージのワインをブレンドして造っているため、ほとんどのシャンパンがアッサンブラージュをして造られています。
また、ぶどうのできがよい年には単一ヴィンテージのワインが造られることもあり、高級シャンパンとして販売されます。
イタリア・トスカーナ州
イタリア・トスカーナ州では『土着品種ブレンド』と『国際品種ブレンド』の、ふたつのタイプのブレンドワインが主流です。
土着品種ブレンドのワインは、サンジョベーゼを主体にほか品種を混ぜて造るキャンティという赤ワインが有名。ライトからミディアムボディの、飲みやすく親しみやすい味わいが魅力的です。
国際品種ブレンドは、ボルドーと似たブレンドのワインが多く、カベルネ・ソーヴィニヨンやメルローを使用し、フルボディタイプのワインを造っています。
ソムリエ厳選!おすすめのブレンドワイン
ここまで、ブレンドワインの魅力やメリット、おすすめ産地を紹介しました。ブレンドワインを飲んでみたくなったという方も多いのではないでしょうか?
レ モラン シャンパーニュ ブリュット キュヴェ レゼルヴ
ブレンドタイプのスパークリングワインといえば、やはりシャンパンでしょう。
『レ モラン シャンパーニュ ブリュット キュヴェ レゼルヴ』は、ピノ・ノワール45%、ピノ・ムニエ50%、シャルドネ5%の比率でブレンドされた黒ぶどう主体のコクありシャンパンです。
力強くコク深い黒ぶどうの味わいをベースに、シャルドネを少量ブレンドすることで柔らかさとエレガントさが加わります。
どんな食事とも合わせやすいフードライクなワインであるとともに、力強く複雑味のある味わいのため肉料理と相性抜群。
ローストビーフやローストチキンといったパーティー料理とよく合うので、誕生日や記念日、クリスマスなどの特別な日にぴったりですよ。
【紫ワイン】パープルレインSparkling
『パープルレインSparkling』は、セミヨンとソーヴィニヨン・ブラン、シャルドネの3種の白ワイン用の王道ぶどう品種をブレンドして造られた、オーストラリア産の辛口スパークリングワインです。
美しい紫色の色調が特徴的で、紫色は人口着色料ではなく、チョウマメという自然由来の植物からなる色味です。
抗酸化作用のあるチョウマメを使うとこで、酸化防止剤の添加を極力抑えています。
味わいはドライでいきいきとした酸が魅力的です。チョウマメはワインの味わいに影響はなく、癖のない透明感のあるスパークリングワインに仕上がっています。
シャルドネやセミヨンを思わせる、豊かな果実味が引き立ちます。非常にフードライクなワインなので、特別な日から日常の食事までシーンを選ばないワインです。
リュヌ・ブランシュ クロ・デ・リュヌ
『リュヌ・ブランシュ クロ・デ・リュヌ』は、なめらかな口当たりと濃厚な果実味が魅力的なボルドーの辛口白ワインです。
濃厚な果実味が魅力的なセミヨンを主体に、ソーヴィニヨン・ブランを30%ブレンドし爽やかさをプラスしています。
セミヨンらしい白桃やマスカットを思わせるリッチな果実味に、ソーヴィニヨンブラン由来の爽やかなミントのアロマが混ざり合うエレガントなワインです。
醸造方法もこだわりが強く、手摘みと朝収穫を徹底。収穫後のぶどうは優しくプレスしてワインにしており、醸造工程に細やかな配慮をし雑味が出ないように工夫が施されています。
アルテジーノ ビアンコ トスカーナ
『アルテジーノ ビアンコ トスカーナ』は、イタリア・トスカーナ州で造られている華やかな辛口白ワインです。
イタリアで定番の白ワイン用ぶどう品種であるヴェルメンティーノに、国際品種であるシャルドネやヴィオニエをブレンドしています。
塩味や柑橘のニュアンスが魅力的なヴェルメンティーノと、シャルドネやヴィオニエのリッチな味わいが混ざり合うバランスのよい仕上がりです。
いきいきとした酸と塩味、白桃やレモンを想わせるフレッシュな果実味が楽しめます。
リビス・ホワイト・ブレンド
『リビス・ホワイト・ブレンド』は、オーストラリア産のソーヴィニヨン・ブランとシャルドネをブレンドした辛口白ワインです。
ソーヴィニヨン・ブラン特有のミントや柑橘を想わせる爽やかさと、シャルドネのまろやかな果実味が混ざり合うバランスのよい仕上がりです。
リビス・ホワイト・ブレンドは日本女性が審査員のワインコンペティション”サクラアワード”で、金賞を受賞した輝かしい実績があります。華やかな白ワインなので、ワイン初心者の方や女性に人気です。
ブリオ ド カントナック ブラウン
『ブリオ ド カントナック ブラウン』は、メドック格付3級を誇るシャトー・カントナック・ブラウンのセカンドラベルです。
カベルネ・ソーヴィニヨンとメルロー、カベルネ・フランの3種のぶどうをブレンドしており、複雑味のある濃厚な味わいが楽しめます。
3種のぶどうが綺麗に調和した複雑味と重厚感のある味わいは、本格的なブレンドワインを楽しみたい方におすすめです。
ル テロワール コート デュ ローヌ
『ル テロワール コート デュ ローヌ』は、グルナッシュ主体にシラー25%、ムールヴェドル5%をブレンドしたフランス・ローヌの赤ワインです。
樹齢30年~100年の古樹からとれるぶどうを使用しています。ぶどうは樹齢が高くなるほど収穫量は減るものの、濃厚で凝縮感のある味わいになるのが特徴です。
そのため濃厚な果実味と力強いタンニン、スパイシーなアロマが魅力的。複雑味のある濃厚な味わいが楽しめる、フルボディの赤ワインです。
カンパぺーリ ロッソ・トスカーノ
『カンパぺーリ ロッソ・トスカーノ』は、サンジョベーゼ主体にメルロー30%をブレンドしたイタリア・トスカーナ州のミディアムボディの赤ワインです。
酸が豊かなサンジョベーゼに果実味の強いメルローをブレンドされており、軽やかすぎないしっかりとした果実味も堪能できます。
ブルーベリーやブラックベリーを思わせる鮮やかな果実味が特徴的。余韻にはオーク樽由来の香ばしいアロマが広がります。
おわりに
個性異なるぶどう品種を混ぜることで、複雑味のある本格的な味わいが楽しめるブレンドワイン。生産者の表現したい味わいが楽しめる、ユニークな製法です。
ブレンドワインを飲むときは、「なんでこのぶどうをブレンドしたのだろう?」と考えながら飲むと面白いですよ。