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スパークリングワインとはどんなお酒?シャンパンとの違いや製法も解説
華やかさが魅力的な”スパークリングワイン”。たくさんの種類や造り方があり複雑なので、
「敷居が高い」
「特別な日の飲み物」
と思っている方も多いのではないでしょうか?
スパークリングワインにはリッチで華やかなイメージがありますが、実際はカジュアルなものも多く普段使いにもぴったりなワインです。
本記事では、スパークリングワインについて詳しく解説していきますので、ぜひ最後までお読みください。
【この記事でわかること】
- スパークリングワインとは?
- シャンパンとの違い
- 世界のスパークリングワインの特徴
- おすすめのスパークリングワイン
スパークリングワインは炭酸入りワインの総称
スパークリングワインは炭酸が入っているワインです。3気圧以上のガス圧を持った発泡性のあるワインのことを指します。
炭酸の入ったワインはガス圧ごとに呼び方が異なります。
ガス圧 | 呼び方 |
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3気圧以上 | スパークリングワイン |
1~2.5気圧 | 弱発泡性ワイン |
1気圧未満 | 微発砲性ワイン |
スパークリングワインは、炭酸のシュワシュワとした刺激がしっかりと感じられ飲みごたえがあるのが特徴です。
スパークリングワインは乾杯酒やお祝いのお酒として愛されており、パーティーやプレゼントにぴったりのお酒ですよ。
スパークリングワインとシャンパンの違いとは?
シャンパンは、シャンパーニュ地方で造られる厳しい規定をクリアした高級スパークリングワインです。シャンパンは、スパークリングワインのカテゴリーのひとつになります。
「スパークリングワイン=シャンパン」だと思っている方も多いのですが、間違いなので注意しましょう。
たとえば、飲食店などで「シャンパンください」とオーダーすると、思いがけず高級スパークリングワインが提供されるということもあります。
シャンパンは、高級スパークリングワインのことだと覚えておきましょう。
スパークリングワインの5つの製造方法
スパークリングワインには数多くの製法があり、造り方によって味わいの印象が大きく異なります。
製造方法は、スパークリングワインを選ぶときの参考にもなるので、知っておくと便利です。
伝統的方式(メトード・トラディショネル)
方法 | 瓶内の二次発酵で炭酸を発生 |
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特徴 | ・コストがかかる ・泡がきめ細かい ・酵母のうまみが感じられる ・複雑な味わいに仕上がる |
伝統的方式は高級スパークリングワインである、シャンパンで採用されている製法です。スティルワイン(炭酸のないワイン)を瓶に詰めてから、瓶内で二次発酵を行い炭酸ガスを発生させます。
一本ずつ瓶詰めしてから二次発酵を行うためコストが高く、販売されるワインも高価になりがちです。
製造コストがかかるものの、泡がきめ細かく酵母のうまみが感じられえる複雑な味わいに仕上がります。本格的なワインを楽しみたい方は、伝統的方式で造られたワインを選ぶのがおすすめです。
代表的なワインはフランスのシャンパンですが、2,000円~3,000円程度のワンランク上のスパークリングワインにも採用されている製法です。
ちょっとリッチなワインを飲みたいときに、ぜひ試してみてくださいね!
シャルマ方式(メトード・シャルマ)
方法 | タンク内で二次発酵を行い炭酸を発生 |
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特徴 | ・一度に大量のワインが造れる ・華やかな味わいになる ・リーズナブル ・泡の持続性が低い |
シャルマ方式は最初にスティルワインを造り、タンク内で二次発酵を行い炭酸ガスを発生させる方法です。タンク内で一気に二次発酵を行うので大量のワインを造れます。
一気に大量のワインがつくれるため製造コストが低く、リーズナブルな価格で購入できます。泡の持続性が低いため、フレッシュな味わいの早飲みタイプが多いです。
華やかな味わいが魅力的で価格も控えめなので、初心者の方におすすめです!フードライクなワインが多いため、ちょっとした手土産ワインにも喜ばれるでしょう。
トランスファー方式(トランスファー・メトード)
方法 | 伝統方式を簡略化 |
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特徴 | ・本格的なワインが味わえる ・リーズナブル ・酵母のうまみや風味が控えめ |
トランスファー方式は、伝統的方式の作業工程を簡略化した製法です。
本格的な味わいながらも、価格を抑えてワインを楽しめるのがメリットです。低コストながらも、酵母のうまみを感じる本格的な味わいが楽しめます。
リーズナブルな価格で本格的な味わいを楽しめますが、伝統方式と比べると酵母のうまみや風味がやや抑えめになります。
コスパがいいワインを求める方におすすめのワインといえるでしょう。
田舎方式(メトード・リュラル)
方法 | ・一次発酵時に瓶詰め ・瓶内で続きの発酵 |
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特徴 | ・華やかでフレッシュ ・ガス圧が穏やか ・アルコール度数は低め ・スパークリングらしさはやや物足りない |
田舎方式は一次発酵の時にワインに糖分を残したまま瓶詰めし、瓶内で続きの発酵を行う方法です。スパークリングワインは一般的に二次発酵の時に補糖しますが、田舎方式ではワインに糖分を残すため行いません。
味わいは華やかでフレッシュ。通常のスパークリングワインに比べて少ない糖分で二次発酵するため、田舎方式で造ったワインはガス圧は穏やかでアルコール度数は低めになります。
炭酸の刺激やアルコール感を楽しみたい方には、やや物足りない印象になってしまいます。ですがアルコールが低めなので、お酒に弱い方や授乳中の方には飲みやすいワインといえるでしょう。
炭酸ガス注入方式(ガゼイフィエ)
方法 | ワインを造ってから炭酸ガスを入れる |
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特徴 | ・大量生産可能 ・コスパがいい ・シンプルで飲みやすい ・酵母のうまみはない |
炭酸ガス注入方式は最初にスティルワインを造ってから、炭酸ガスを充填する製法です。紹介した製法の中で最も工程が簡単で、一度にたくさんのスパークリングワインを造れます。
大量生産が可能なのでコストパフォーマンスが高く、デイリー向けのワインに最適です。
スティルワインに炭酸ガスを充填するだけなので、二次発酵による酵母のうまみは発生しません。シンプルで飲みやすい味わいが魅力的なので、初心者の方におすすめです。
国別スパークリングワインの呼び方
スパークリングワインはさまざまな国で造られており、独自の発展を遂げてきました。同じスパークリングワインでも生産国によって、呼び方が異なります。
フランス
フランスといえば、世界の3大スパークリングワインのひとつともいわれるシャンパンが有名です。
- シャンパン:シャンパーニュ地方で造られ規定をクリアしたスパークリングワイン
- ヴァン・ムス―:フランス産でシャンパン以外のスパークリングワイン
- クレマン:アルザス地方やブルゴーニュ地方、ロワール地方産のスパークリングワイン
シャンパンは芳醇でコクのある味わいが魅力的で、きめ細やかで上品な泡が特徴です。クレマンは通常のスパークリングワインと比べるとガス圧が弱めなので、優しい口当たりになります。
イタリア
イタリアのスパークリングワインはシャルマ方式を使ったカジュアルなタイプが多いですが、伝統方式を使った本格的な味わいのものもあります。
- スプマンテ:イタリア産のスパークリングワイン
- フランチャコルタ:伝統方式で造られたスパークリングワイン
- プロセッコ:世界3大スパークリングワインのひとつ。ヴェネト州で造られたスプマンテ
フランチャコルタは、シャンパン顔負けの本格的な味わいを楽しめます。
スプマンテのなかでも最も有名なのがプロセッコです。世界の3大スパークリングワインのひとつで、マスカットやりんごのような華やかな味わいが特徴的です。
イタリア産のスパークリングワインは価格が安く親しみやすい味わいなので、老若男女問わず愛されています。
ドイツ
ドイツのスパークリングワインは冷涼気候らしい、華やかですっきりした味わいが特徴です。
- シャウムヴァイン:ドイツ産スパークリングワイン
- ゼクト:ドイツ産高級スパークリングワイン
ゼクトはおもに伝統方式かシャルマ方式で造られており、炭酸ガス注入方式は禁止されています。
手間暇をかけて造られているゼクトは、高級スパークリングワインの立ち位置で、ドイツ版シャンパンのようなイメージです。
スペイン
スペインは辛口ながらも、コクのある力強い味わいが特徴的です。
- エスプモーソ:スペイン産スパークリングワイン
- カヴァ:世界三大スパークリングワインのひとつ。伝統方式で造られるスパークリングワイン
スペインで最も有名なスパークリングワインといえば、「カヴァ」。カヴァはカタルーニャ地方周辺で造られるスペイン産スパークリングワインのことで、世界三大スパークリングワインのひとつです。
伝統方式で造られており、酵母の旨味が感じられるふくよかな味わいが感じられます。酸が穏やかで飲みやすいため、ワイン初心者の方にもおすすめですよ。
ソムリエ厳選!おすすめスパークリングワイン8選
ここでは、世界各国のさまざまなタイプのおすすめスパークリングワインを紹介します。
レストランで幅広いお客様にワインを提案してきたソムリエが厳選したので、ぜひ一度試してみてください。
シャンパーニュ バロン ド ロスチャイルド ブリュット
『シャンパーニュ バロン ド ロスチャイルド ブリュット』は、シャンパンの中でも知名度が高い人気の銘柄です。
シャンパンらしいきめ細やかな泡が特徴的な、エレガントなスパークリングワイン。黒ぶどうと白ぶどうをブレンドしており、力強くも繊細な果実味が魅力です。
本格的な味わいを楽しめるので、贈り物や記念日、誕生日などの特別なシーンで選びたいとっておきの1本になるでしょう。
モンムソークレマン ド ロワール
『モンムソークレマン ド ロワール 』は、フランス・ロワール地方で造られるスパークリングワイン。
グレープフルーツのような穏やかな酸とりんごのような華やかな果実味のバランスがよく、飲みやすいため初心者の方にもおすすめです。
スッキリとしていて繊細な味わいなので、洋食はもちろん和食ともよく合います。白身魚の天ぷらやから揚げ、白和えなどの日常の食事と合わせてどうぞ!
フランチャコルタ ブリュット コンタディ カスタルディ
『フランチャコルタ ブリュット コンタディ カスタルディ』は、イタリアが誇る高級スパークリングワインです。
シャンパン顔負けのきめ細やかな泡と華やかな果実味が魅力的。ブリオッシュのような甘いパンを思わせる香ばしいアロマも感じられ、複雑味のあるエレガントなワインです。
一般的なシャンパンに比べると価格は控えめなので、「ちょっと贅沢をしたい気分」と思ったときに気軽に本格的な味わいを楽しめます。
プロセッコ スプマンテ ブリュット オロ カーザ デフラ
『プロセッコ スプマンテ ブリュット オロ カーザ デフラ』は、親しみやすい味わいが魅力的なプロセッコ。
イタリアの土着品種であるグレラを100%使用し、ステンレスタンクで発酵させたフレッシュな味わいです。
柑橘やりんごを頬張ったかのようなジューシーな果実味が魅力的で、休日の昼下がりに飲みたい癒し系タイプです。
休日にパスタやピザを用意して、イタリア気分でプロセッコとランチを楽しんでみてはいかがでしょうか?
シュロス フォルラーツ ゼクト ブリュット
『シュロス フォルラーツ ゼクト ブリュット』は、ドイツのラインガウ最古のワイナリー”シュロス・フォルラーツ”で造られています。
伝統方式で造られた本格的なゼクトで、すっきりしていながらもコクのある印象。グレープフルーツや白桃、白い花を思わせる華やかなアロマが魅力的です。
シュロス フォルラーツ ゼクト ブリュットは、野菜や魚、チーズと相性抜群です。チーズフォンデュや野菜のテリーヌ、アクアパッツァなど、華やかなお料理とよく合います。
ロジャーグラート カヴァ ゴールド ブリュット
『ロジャーグラート カヴァ ゴールド ブリュット』はパリ・コレクション公認のカヴァで、世界各国で愛される人気の銘柄です。
スペインの土着品種であるチャレッロやマカベオ、パレリャーダをバランスよくブレンドしており、穏やかな酸とコクの絶妙なバランスを楽しめます。
香り華やかなワインながらも力強さもあるため、お肉料理と相性抜群です。生ハムやローストポーク、照り焼きチキンなどのさまざまな肉料理とよく合います。
シャトー・メルシャン 日本のあわ
日本でも、海外に負けじと美味しいスパークリングがたくさん造られています。
『シャトー・メルシャン 日本のあわ』は、文旦のような和柑橘のニュアンスが魅力的なスパークリングワインです。
爽やかで繊細な味わいが魅力的なので、和食とよく合います。水炊き鍋やお刺身、天ぷらなど、お料理に柑橘を添えるイメージでワインを合わせるとよいでしょう。
パープルレインSparkling
『パープルレインSparkling』は、紫の色調が美しい白のスパークリングワインです。味わいはグレープフルーツのような爽やかな味わいで、余韻にハーブのアロマが香ります。
白のスパークリングワインとは思えない紫の色調は、ぶどう果皮の色ではなくチョウマメという植物由来のもの。チョウマメは抗酸化作用があり、酸化防止剤の使用を最小限にできるメリットがあります。
パープルレインSparklingは、ナチュラル志向のワインが飲みたい方や「王道スパークリングワイン以外のものを飲んでみたい」と思っている方におすすめのユニークなスパークリングワインです。
小さなワイナリーで生産されているため、品切れになることもしばしば・・・。気になる方はぜひ公式オンラインショップをチェックしてみてください。
おわりに
スパークリングワインは世界各国で造られており、国ごとに多様な個性や魅力があります。
乾杯のワインとして日本でも人気の高いスパークリングワインは、食事に合わせやすく食中酒として楽しむのもおすすめです。
今回の記事を参考に、ぜひさまざまなタイプのスパークリングワインを試してみてくださいね!