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ワインマナーを学ぼう|継ぎ足しはNG?意外と知らない基本ルールを解説
「ワインの継ぎ足しをしたら先方に怒られてしまったけど、これってマナー違反なの?」など、細かいワインのマナーで疑問に思った経験はありませんか。
もともと海外文化であるワインのマナーは、日本人の当たり前がマナー違反である場合も少なくありません。
出先でも安心してワインを楽しめるように、基本のマナーを学びましょう。
ワインの継ぎ足しのOK・NGは相手によるので確認が必要
気になる継ぎ足し問題は、国ごとにマナーが異なるためどちらが正解とはいえません。
- フランス:飲み干す前に注ぐ
- アメリカ・イギリス:飲み干してから注ぐ
継ぎ足しはOK派とNG派に分かれるため、相手によって正解が異なるのです。
ただし、継ぎ足すと冷やしていたワインがぬるくなったり、香りが開いた美味しい状態を台無しにしたりというデメリットがあります。
ワインの継ぎ足しは「お注ぎしてよろしいですか?」と、相手に確認をとるのがベストな答えといえるでしょう。
ワインを注ぐときの3つのルール
継ぎ足し以外にも、ワインを注ぐときにはルールが存在します。
【ワインを注ぐルール①】注ぐ順番はレディーファーストと年功序列を意識する
ワインは注ぐ順番が決まっており、第一にレディーファースト、第二に年功序列を意識します。
女性から年長順に注いでいき、次に男性も同様に注いでいくのが正しい注ぎ方です。
しかし、これは一般的なワインマナーです。
日本のビジネスシーンでは、取引先を優先させる場合もあります。接待でワインを飲む場合などは、上座から順にワインを注いでも問題ありません。
【ワインを注ぐルール②】グラスになみなみワインを注がない
ビールやサワーは、グラスになみなみと注ぐのが一般的ですよね。ついワインも同じように注ぎたくなるかもしれませんが、実はNG行動です。
ワインを注ぐときは、グラスの3分の1が目安。ワインをグラスいっぱいに注ぐと、ワインの魅力の一つの香りを取りづらくなり美味しさが半減してしまいます。飲み切る前にぬるくなるのもデメリットです。
ワインを注ぐときは、グラスの3分の1程度を目安に注ぐようにしましょう。
【ワインを注ぐルール③】ボトルの注ぎ口をグラスに当てない
ワインを注ぐときは、ボトルの注ぎ口をグラスに当てないようにしましょう。
ワイングラスは飲み口が薄いものほど口当たりがよいとされ、薄造りのものが多いです。もし、注ぎ口が少しでも繊細なグラス縁に触れると、割れてしまう恐れがあります。
ワイングラスは非常に繊細なので、注ぎ口をぶつけないように慎重に取り扱ってくださいね!
スパークリングワインは要注意!泡を注ぐ場合に気を付けるべきポイント
スパークリングワインは通常のワインのように一気に注ぐと、グラスからワインがあふれてしまいます。泡の加減を確認しながら、数回に分けてゆっくり注ぐようにしましょう。
ワインを継ぎ足す場合も温度や泡もちをキープするために、グラスのワインがなくなるギリギリまで注がないようにすると美味しく楽しめます。
- 数回に分けて注ぐ
- なくなるギリギリまで継ぎ足しはしない
ワインを注がれるときの3つのルール
ワインを注がれるときのマナーは、とくに高級レストランや結婚披露宴などのフォーマルな場所で重宝されます。
注がれるときのルールを守り、スマートにワインを楽しんでくださいね!
【ワインを注がれるルール1】女性にワインを注いでもらわない
ワインの本場であるフランスでは、「女性がお酒を注ぐのは娼婦のやること」という概念があるため、女性にワインを注いでもらうのはNGとされています。
日本では、海外ほど女性にワインを注いでもらうことがNGという認識がありませんが、レディーファーストの面でも男性が注ぐ方が好ましいといえるでしょう。
とくに、国際的な場や海外では注意が必要です。
【ワインを注がれるルール2】高級レストランではソムリエに注いでもらう
グラスが空になってしまうと、つい自分で注ぎたくなりますよね?
ソムリエがいる高級レストランでボトルをオーダーした場合、自分で注がないようにしましょう。着席したまま注ぐと食器やグラスを割ったり、テーブルを汚してしまう恐れがあります。
最初から最後までワインをスマートに飲むために、ソムリエに注いでもらうようにしましょう。グラスが空になったと気が付いてもらえないときは、アイコンタクトでおかわりを促します。
【ワインを注がれるルール3】注いでもらうときはグラスに触れない
日本ではお酌をしてもらうときにグラスやお猪口を手で持ちますが、ワインの場合はNGです。
ワイングラスは飲み口がすぼまっているものも多く、手で持つとグラスを割ったりこぼしたりするリスクが高まります。
相手の注ぎづらい場所にグラスがある場合は、注ぎやすい位置に移動させるとスマートですよ。
高級レストランではとくに気を付けたいワインマナー4選
カジュアルな場では自由にワインを飲むのもよいですが、フォーマルな場所ではマナーを守って食事を楽しみたいものです。
マナーの中でも、とくに高級レストランで気を付けたいマナーを紹介します。
マナー①:乾杯でグラス同士をぶつける
日本では、乾杯するときにグラス同士をぶつけるのが一般的です。ワインを飲むときもついグラス同士をぶつけたくなりますが、実はマナー違反にあたります。
ワイングラスはジョッキやコップと違い、割れやすく繊細。とくに高級レストランでは、飲み口を重視した薄いグラスを使っている場合が多いです。
乾杯でワイングラス同士をぶつけると、破損の恐れがあるのでやめましょう。
ワイングラスで乾杯するときは、グラスを軽く持ち上げてアイコンタクトをしながら「乾杯」というのが正式な乾杯です。
マナー②:香りの強い香水や整髪料は控える
ワインは香りを楽しむお酒です。香りの強い香水や整髪料は、ワインのアロマを感じとる妨げになるので控えるのがマナーです。
せっかくの美味しい食事とワイン。周囲の人が自分も気持ちよく食事できるように、香りのエチケットを守るようにしましょう!
マナー③:ワインをぐるぐる回さない
よくワイン通の方が、ワイングラスを回す姿を見かけます。「理由は分からないけど、みんなやってるしグラスを回しておこう」と真似している方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ワイングラスを回すとワインの香りがグラス内に広がり、豊かなアロマや風味を楽しめます。
グラスを回すのは理にかなった行為ですが、ぐるぐると回しすぎるとかえって風味が飛んでしまうので気をつけましょう。
高級レストランでグラスをぐるぐる回しすぎると「ワインを台無しにしてる」と白い目で見られたり、こぼしたりするリスクがあるので注意が必要です。
マナー④:口紅は食事前にティッシュオフする
口紅をしている方は、ワイングラスに口紅跡が付かないようにティッシュオフしておきましょう。正しいマナーだと誤解されがちですが、口紅跡を指やナプキンで拭うのはマナー違反です。
口紅はティッシュで軽く落としておくだけで、グラスにべっとりと口紅跡が残るのを防げます。
また、グラスの飲み口を強くぬぐうと、破損のリスクもあります。
女性のたしなみとして、ワインを飲むときは口紅を軽く落とす習慣を身につけておきましょう。
おもてなし上手なワインの注ぎ方
おもてなし上手なワインの注ぎ方を学んで、完璧なおもてなし作法をマスターしましょう!
手順は以下の通りです。
- ワインボトルの底を持ち、ラベルを相手側に向ける
- グラスの飲み口にぶつけないように、ゆっくりとワインを注ぎ入れる
- 注ぎ終わったら注ぎ口を切るようにひねる
- ナプキンで注ぎ口を覆うようにしてワインの雫をふき取る
手順通りに注ぐとこぼしたり、グラスを割ったりすることなく上手にワインを注げます。
ラベルを相手に向けると何の銘柄かわかったり、ゆっくり入れることで風味が広がったりと注ぐ所作を意識するだけでワインの美味しさをより際立たせられます。
ぜひワインの注ぎ方を意識して、おもてなし上手な作法を身につけてください。
ソムリエに聞く!ワインを注ぐときのよくある質問
最後にワインを注ぐときによくある質問にソムリエが回答します!ワインを注ぐときに多くの方が疑問に思う内容ばかりなので、ぜひチェックしてみてくださいね。
質問①:ワインを注ぐときにこぼさない方法は?
ワインを注ぎ終わったときに、ボトルの注ぎ口をひねるように持ち上げるとこぼれにくくなります。それでも注ぐのが苦手だという方は、ポワラーというワイングッズを活用するのがおすすめです。
ポワラーはワインを注ぎやすくするアイテム。注ぎ口に差し込むだけでこぼさずにワインを注げるため、お客様の服を汚してはならないレストランやイベントでも重宝されています。
価格もそこまで高くないので、ワインの液だれが気になる人はぜひ試してみてください。
質問②:接待で女性がホストの場合も注いではいけないの?
ワインを女性に注いでもらうのはNGというマナーがありますが、「接待で女性が取引先の方にワインを注いではいけないの?」と思った方も多いのではないでしょうか。
日本のビジネスシーンでは、取引先を優先させる必要がある場合も。女性がワインを注いではいけないというのがワインマナーですが、ビジネスシーンなどでは臨機応変に対応して問題ありません。
日本では必ずしも女性が注ぐのをNGとしていません。しかし、可能であればお店の方や同じ会社の男性に注いでもらった方が望ましいです。
質問③:ソムリエが空グラスに気が付かない場合は自分で注いでいいの?
ソムリエが空のグラスに気が付かないと、つい自分で注ぎたくなります。しかし、高級レストランなどでは、自分で注ぐのは控えたほうがよいでしょう。
レストランの広いテーブルで手を伸ばしてワインを注ぐのは、スマートではありません。また、グラスや食器を破損したり、こぼして同席の方の服を汚してしまったりするリスクもあります。
どうしてもソムリエが気が付かないときは、アイコンタクトをしましょう。ソムリエはレストラン全体を見ているので、アイコンタクトだけでも気が付いてくれるはずですよ。
おわりに
ワインの継ぎ足しは相手によってNG・OKが異なったり、注ぐ順番があったりとルールがあります。最初は難しいと感じるかもしれませんが、ひとつひとつのルールはそこまで難しくありません。
乾杯でグラスをぶつけるなど、日本には独自のお酒の楽しみ方があるので、カジュアルなレストランや自宅飲みなどの日常的なシーンでは厳密に守る必要はないかもしれません。
ルールを重んじる高級レストランや結婚披露宴などのオフィシャルな場に行くときは、ぜひ本記事を読み返してください。
何度かルールを意識して実践すれば、自然とワインマナーが身につくはずですよ。