毎年11月の第3木曜日に解禁されるボジョレーヌーボ―。
2024年の解禁日は、11月21日木曜日です。
ところで、ボジョレー・ヌーボーがどのようなワインかご存じですか?意外と「赤ワイン」ということしか知らないという人も多いはずです。
本記事では、ボジョレヌーボーについて詳しく解説していきます。
「ボジョレー・ヌーボーはどこで造られている?」
「ボジョレー・ヌーボーに高級品はある?」
ボジョレー・ヌーボーの疑問や謎を解明していきましょう。
ボジョレー・ヌーボーとは
ボジョレー・ヌーボーとは、フランス南部にあるブルゴーニュ地方のボジョレーでその年に収穫したブドウで造られたワインです。
ヌーボーはフランス語で「新しい」という意味で、ボジョレー・ヌーボーは「ボジョレーで造られた新しいお酒」を表します。
日本では1986年のバブル景気とともにワインブームとなり、ボジョレー・ヌーボーの人気も高くなりました。
ボジョレー・ヌーボーの解禁日は11月の第3木曜日
ボジョレー・ヌーボーの解禁日は、毎年11月の第3木曜日です。
解禁日は、業者たちの早出し競争を抑止するために定められました。
ボジョレー・ヌーボーは、その年に収穫したぶどうを使って造った新酒のワイン。毎年決まった時期にしか味わえないことから人気があります。
売り手側からするといち早く出荷したい!
しかし、早出し競争が始まると市場に質の悪いワインが出回ることになりかねません。そこで、フランス政府は1967年に解禁日を毎年11月15日に定めたのです。
その後、解禁日が土日や祝日になってしまうと出荷ができないという問題点があるため、1985年に11月の第3木曜日に変更となりました。
- 1985年~現在:11月の第3木曜日
- 1967年~1984年:11月15日
とはいえ、11月の第3木曜日はフランスの法律なので、日本国内では適用されません。
そもそも出荷元のフランスが解禁していないのであり得ない話ですが、日本で11月の第3木曜日よりはやくボジョレー・ヌーボーを販売しているお店があったり、手に入れられたりしたとしても罰則はないです。
ボジョレー・ヌーボーの格付け
一括りにボジョレー・ヌーボーといっても、実は格付けが存在します。
格付け | 特徴 |
---|---|
ボジョレー | もっとも一般的 |
ボジョレー・ヴィラージュ | ・ボジョレー地区の3分の1の特定の栽培エリアで造られたぶどうを使用 ・収穫量も厳しく制限される |
クリュ・デュ・ボジョレー | ボジョレー地区内の土壌豊かな10村のみで醸造される |
クリュ・デュ・ボジョレーには新酒(ヌーボー)の規定がないため、ボジョレー・ヴィラージュ・ヌーボーとして出荷されます。
ボジョレーでもおいしいワインはたくさんありますが、贈り物にするならボジョレー・ヴィラージュより上のランクのボジョレー・ヌーボーを贈るといいでしょう。
ボジョレー・ヌーボーの味わい
ボジョレー・ヌーボーに使用されている品種はガメイで、正式には「ガメイ・ノワール・ア・ジュ・ブラン」といいます。ガメイは果汁の多い品種のため、ほかの赤ワインに比べて薄い色に仕上がるのが特徴です。
ガメイの香りは、イチゴやベリーのような軽やかなフルーティーさが魅力。タンニンが少なく、果実味が豊かで適度な酸味がフレッシュさを引き立てます。
ボジョレー・ヌーボーらしいフレッシュさを味わうには、購入後は早めに飲み切るようにしましょう。
赤ワインらしく煮込みや肉料理と美味しく合わせられますが、チーズやサラダといった酸味のあるサッパリとしたおつまみとも相性抜群です。
ブラックペッパーなどの香辛料にも合うので、付け合わせに困らずオールマイティに楽しめます。
ボジョレー・ヌーボーのお値段は少し割高
フランス国内で販売しているボジョレー・ヌーボーは、数百円~数千円ほどです。いっぽう、日本でボジョレー・ヌーボーを手に入れようとすると、数千円から1万円程度かかります。
日本でボジョレー・ヌーボーの価格が高いのは、輸送にかかる輸送費が影響です。
ボジョレー・ヌーボーは、解禁日に間に合うようにフランスから空輸します。空輸は早さがウリの反面、輸送費が高いです。
日本で購入するとフランスで購入するより割高になってしまうのは、輸入品の宿命ですね。
ボジョレー・ヌーボーのキャッチコピーがおもしろい
ボジョレー・ヌーボーの解禁とともに注目されるのは、ボジョレーワイン委員会が公表する「その年の出来栄えを表現するキャッチコピー」です。
過去のキャッチコピーには、以下のようなものがあります。
2022年 | 太陽に恵まれたヴィンテージ 果実味とストラクチュアの完璧なバランス |
2021年 | 挑戦の末たどり着いた、納得のヌーヴォー |
2020年 | 非常にバランスが取れた爽やかさのある仕上がり |
2019年 | 有望だが、生産者のテクニックが重要な年 |
2018年 | 2017年、2015年、2009年と並び、珠玉のヴィンテージとして歴史に刻まれるでしょう |
2017年 | 豊満で朗らか、絹のようにしなやか。しかもフレッシュで輝かしい |
2016年 | エレガントで、魅惑的なワイン |
2015年 | 記憶に残る素晴らしい出来栄え |
2014年 | エレガントで味わい深く、とてもバランスがよい |
2024年のキャッチコピーは、まだ発表されていませんので、判明次第こちらの記事でご紹介します。
ボジョレー・ヌーボーを心待ちにしているのは日本だけ!?
毎年話題になるボジョレー・ヌーボーですが、こんなにお祭り騒ぎになるのは「日本だけ」といっても過言ではありません。
日本のボジョレー・ヌーボーの輸入量は、世界トップクラスです。
日本人には古来から「初物は縁起がよい」という考えもあるとおり、新しい物が大好き!江戸時代には、初鰹や初茄子、初茸、初鮭が「初物四天王」として、とくに人気でした。
ワインの初物でフレッシュなボジョレー・ヌーボーは、まさに日本人好みのど真ん中なのです。
さらに、ボジョレー・ヌーボーは日付変更線の影響で、本場フランスよりも日本のほうが約8時間はやく解禁日を迎えます。
「世界に先駆けて飲める!」という点が、日本でボジョレー・ヌーボーの人気に火をつけたともいえるでしょう。
美しさとフレッシュさを兼ね備えた紫の白ワイン「パープルレイン」
最後に2020年に世界初の紫ワインとしてリリースされた「Purple Reign(パープルレイン)」をご紹介します。
神秘的な紫色ではありますが、セミヨンやソーヴィニヨン・ブラン、シャルドネを使った王道の白ワインです。
グラスに注いでまず感じるのは、爽やかで草原のような香り。フレッシュな果実味と適度な酸ですっきりとした飲み口なので、幅広い料理やスイーツと合わせられます。
「紫色って体に悪いのでは?」と不安になる方もいらっしゃるかもしれません。
ご安心ください!パープルレインは、オーガニック・無添加にとことんこだわっているワインです。
紫の秘密は、チョウマメの植物由来の色素。
抗酸化作用の高いチョウマメを酸化防止剤の代わりに使用したところ、白ワインが偶然美しい紫色に染まったのです。チョウマメの抗酸化作用は、美容効果やアンチエイジングも期待できるのだとか・・・。
秋の夕暮れのような美しい紫ワインと、ボジョレー・ヌーボーの飲み比べも一興ですよ。
ボジョレー・ヌーボーは解禁日のお祭りムードを楽しもう!
毎年解禁日には多くのイベントが催されるほど、フレッシュなボジョレー・ヌーボーは愛されています。
「ボジョレー・ヌーボーは高い割においしくない!」という厳しい意見もありますが、ボジョレー・ヌーボーは、渋みが穏やかで初心者でも親しみやすいワインです。
SNSなどでも解禁日には盛り上がっているので、ぜひお祭りに参加する気持ちでボジョレヌーボーを飲んでみてくださいね。