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ワインの持ち込みBYOって何?メリットやマナーを知ってスマートに利用しよう
飲食店でワインの持ち込みができるのはご存じですか?
ワインには多くの種類があり、一つの飲食店で利用客の要望に応えるのは困難です。持ち込めれば、家庭では真似できないプロの料理と一緒に好きなワインを楽しめるでしょう。
本記事では、ワインの持ち込みBYOのメリットやマナーについて詳しく解説します。
「とっておきのワインで特別な日をお祝いしたい」「珍しいワインをワイン仲間と楽しみたい」という方は必見です。
ワインの持ち込みサービスBYOとは
BYOとは、英語の「Bring Your Own」の略です。
直訳すると「自分のものを持参してください」という意味で、飲食店にお酒などを持ち込んで飲んでOKということになります。
BYOは、レストランでプロの料理を堪能しながら、自分のお気に入りのワインを楽しめる素晴らしいシステムです。
日本でもBYOは広がっており、多くの場合持ち込める飲料はボトルワインに限定されています。
ただし、どの飲食店でもワインの持ち込みOKというわけではないので、事前に確認するなど「持ち込みのマナー」を守って楽しみましょう。
BYOはオーストラリアからはじまった
BYOの文化はオーストラリアから始まったといわれています。
オーストラリアは飲酒のルールや規制が厳しく、提供する側のお店がアルコールの販売許可を得るのも難しいです。
たとえば、シドニーのあるニュー・サウス・ウェールズ州では、22時以降のアルコール飲料の販売が禁止されており、深夜営業しているクラブやパブであっても提供できません。
そこで「お酒を提供できないなら、お客様に持ち込んでもらおう!」と、苦肉の策で始まったのがBYOというシステムなのです。
現在は、日本を始め多くの国に広まっているBYO。好きなワインとお店の料理を組み合わせられたり、お店で注文するよりも安くワインを楽しめたりとたくさんのメリットがあります。
ワインの持ち込み料の相場
BYOをする場合、「持ち込み料」や「抜栓料」といわれる料金が必要です。海外では、「コルケージ (corkage)」「コルキング・フィー (corking fee)」などといいます。
持ち込み料の金額はお店のシステムよって異なりますが、だいたい1本あたり1,500~3,000円程度です。高級店の場合だと、高めに設定されており6,000円ほどかかる場合もあるでしょう。
持ち込み料の相場 | 1,500~3,000円程度 |
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日本の飲食店では、「〇曜日限定で持ち込み料無料」や「○○円以上のコース料理をご注文のお客様は抜栓料無料」といったサービスを展開している場合もあります。
BYOする際は、事前に持ち込み料がいくらかかるのか確認するようにしましょう。
ワインを持ち込むメリット
ワインを持ち込むBYOをするメリットは、3つあります。
- お店でワインを注文するよりも割安
- ソムリエがワインを注いでくれる
- プロの料理とお気に入りのワインを合わせられる
飲食店へのワインの持ち込みは、外食をしながらお得にワインを楽しめます。
お店でワインを注文するよりも割安
ワインの持ち込みは、お店で注文するよりも安くワインを楽しめます。飲食店でのワインの価格は、「仕入れ値の2~3倍」に設定されるのが一般的です。
たとえば、1本あたりの仕入れ値が2,000円のワインは、4,000~6,000円程度で提供されます。
反対にレストランでは10,000円で提供されていたワインが、リカーショップをのぞくと3,000円程度で売られているということもよくあります。
ワインを持ち込んだ場合、どんなに高いワインを持ち込んでも「持ち込み料」は定額です。
つまり、高いワインであるほど、お店で注文するよりも持参したほうがお得に楽しめます。
ソムリエがワインを注いでくれる
BYOすれば、持ち込んだワインをプロがおいしくグラスに注いでくれます。
ふだんワインをあまり飲まないと、いざワインを購入しても扱いに困ることも多いはずです。
「温度はどのくらいにするの?」
「グラスはどのような形がいい?」
「うまく栓を抜けるかな?」
「継ぎ足しは自分でするべき?」
お店にはソムリエなどワインに詳しいスタッフがいるため、不安な抜栓や温度管理、継ぎ足しなど、最適なサービスを受けられます。
ワインにふさわしいグラスに最適な温度に調整されたワインがプロによって注がれれば、ワインのおいしさを存分に楽しめるでしょう。
プロの料理とお気に入りのワインを合わせられる
ワインは、料理やおつまみとのマリアージュを楽しむのが醍醐味。
ワインの種類は非常に多く、同じ銘柄でも造られた年によって味わいが異なることもあります。
残念ながら、自分のお気に入りや飲んでみたいワインが、お店にピンポイントで置かれている可能性は低いです。「あの料理と合わせたらきっとおいしいのに!」と、がっかりすることもあるでしょう。
お店の料理と好きなワインを合わせたいなら、BYOしてしまえばいいのです。
BYOが素敵なのは、家庭では難しいプロの料理と好きな料理を合わせられ、非日常な空間を楽しめるところ。
ワイン好きな友人を自宅に招くのもいいですが、レストランで自慢のワインをふるまうのも味わい方の一つです。
ワインの持ち込みのデメリット
お店の料理を好きなワインと一緒に楽しめるBYOには、デメリットもあります。
- 持ち込み料がかかる
- お店によってサービスに差がある
「持ちこまなければよかった」と後悔しないように、デメリットも理解しておきましょう。
持ち込み料がかかる
さきにもお伝えしたとおり、お店にワインを持ち込むときは持ち込み料がかかります。
- 一般的な持ち込み料の目安:1,000~3,000円/1本
- 高級レストランやホテルなどでの目安:4,000~6,000円/1本
抜栓料は1本あたりの金額なので、持ち込むワインの価格に関係なく定額です。
つまり、抜栓料を事前に確認しておかないと、ワインをせっかく持ち込んでもかえって高くつくケースもあります。
たとえば、1本2,000円のワインを高級レストランに持ち込むと、抜栓料がプラスされて8,000円かけて2,000円のワインを飲むことになりかねません。
無駄にお金がかかってしまっては、好きなワインといえど手放しで楽しむのは難しいでしょう。
BYOするときは、お店に抜栓料を確認して持ち込みたいワインと価格が見合うか確認してください。
お店によってサービスに差がある
ワインの持ち込みは、お店によってサービスが異なるので注意しましょう。
ワインの持ち込みで、サービスが悪いと感じる例は以下のようなものがあります。
- グラスがほかの客に比べて安っぽい
- ソムリエ(スタッフ)がワインを注いでくれない
- 抜栓を客任せにする
- グラスを交換してくれない
- デキャンタの配慮がない
- お店がワインの温度調整をしてくれていない
カジュアルなワインバーで友人と気軽に過ごす夜なら、多少サービスが省かれていても気にならないという人も多いでしょう。
しかし、誕生日や記念日などの特別な日に数万円もするようなワインを用意したのに、サービスが悪いと興ざめですよね。
悪いサービスを回避するためには、用意するワインの格に見合ったお店を選ぶことが大切です。持ち込み料は高いかもしれませんが、特別な日に素敵な時間を過ごすための投資だと思いましょう。
ワインを持ち込まれたお店にメリットはあるの?
お店でワインは、仕入れ値の2~3倍の価格で提供されていることが多いです。
たとえば、仕入れ値3,000円のワインが1本10,000円で提供されている場合、7,000円がお店の粗利益になります。
しかし、抜栓料1,000円で3,000円のワインが持ち込まれると、利益は1,000円にしかなりません。
お店の立場からすると、ワインの持ち込みは大きな損になりますよね。
しかし、ワインの持ち込みはお店側にも2つのメリットがあります。
- 料理の売上がアップする
- 保管場所・手間が減らせる
持ち込みをする方の目的の一つは、お店の料理と持ち込みワインを合わせることです。持ち込みのワインで会話が盛り上がれば、さまざまな料理を注文して味を楽しむでしょう。
ワインの売上は少なくても、料理で差額をカバーできます。
また、お店の保管場所には限りがあり、膨大な量のワインを保管・管理するのは困難です。BYO可能であればお店のリストに好みのワインがなくても、持ち込む側は満足できます。
お店はたくさんの在庫を抱えるリスクや発注の手間が省けるので、お互いにウィンウィンです。
とはいえ、持ち込むよりもお店にあるワインを注文するのが本来の形には違いありません。お店に迷惑をかけないように、ワインの持ち込みのマナーを守りましょう。
ワインを持ち込むときの5つのマナー
ワインの持ち込みは、持ち込む側・お店側どちらにもメリットがあります。
しかし、本来飲食店は、お店で提供されている物を注文して飲食する場所です。
ワインを持ち込む側が「お金を払うんだから、好き勝手していいじゃないか」というスタンスだと、今まで持ち込みOKだった店もNGになってしまうかもしれません。
ここでは、ワインを持ち込むときの5つのマナーをご紹介します。
- 事前に持ち込みの確認をする
- お店に置いていないワインを持ち込む
- 飲み切れる量を持ち込む
- お店のワインも注文する
- ワインは少し残す
マナーとはいえ簡単なものばかりなので、ぜひ実践してください。
【ワイン持ち込みのマナー①】事前に持ち込みの確認をする
繰り返しお伝えしていますが、ワインの持ち込みをするときは、事前に持ち込みの確認をしましょう。
確認する必須項目は、以下の3点です。
- 持ち込みOKか
- 持ち込み料はいくらか
- どのようなサービスが受けられるのか
持ち込みNGのお店を選ぶわけにはいかないので、持ち込み可能かどうかを確認するのは当然です。
持ち込み可能であれば、持ち込み料とサービスを聞いて持ち込みたいワインに見合っているか検討しましょう。
ワインによっては、事前に冷やしたほうが美味しいタイプも多いです。予約日時以前にワインを預けられるかどうかを確認しておくと、ベストな状態でワインを味わえるでしょう。
【ワイン持ち込みのマナー②】お店に置いていないワインを持ち込む
ワインの持ち込みをするときは、お店のリストに載っていないワインにしましょう。持ち込みがいくらお得だからといって、なんでもかんでも持ち込むのはよくありません。
「お店で注文したら10,000円だけど、持ち込みなら4,000円で飲めるからお得だよ」という考え方で、お店にも置かれているワインを堂々と持ち込むのは最悪の行為です。
「特別な日のためにずっととっておいた」
「自宅で開けるのはもったいない」
「ワイン仲間と味の感想を言い合いたい」
お店で楽しむのは、とっておきのワインこそふさわしいです。
【ワイン持ち込みのマナー③】飲み切れる量を持ち込む
持ち込むワインは、飲み切れる本数を持ち込みましょう。
お店の保管スペースには限りがあります。飲めるのかわからない大量のワインを持ち込むとお店側に迷惑がかかるので、複数本持ち込むなら予約の際に「何本まで可能なのか」確認しておくのがベストです。
また、飲み切れなかったワインはお店に放置してはいけません。持ち帰るか、お店の人へのおすそ分けとしてふるまいましょう。
何も言わずに放って帰ると、お店の人は処分するべき物なのかわからず困ってしまいます。
ワインの持ち込みをするときは飲み切れる本数を用意し、飲み残した場合も放置したままお店を去るのはやめましょう。
【ワイン持ち込みのマナー④】お店のドリンクも注文する
BYOで、まったくお店のドリンクを頼まないというのはおすすめしません。「絶対のマナー違反」というわけではありませんが、お店に置いてあるドリンクも注文すると非常にスマートです。
ワインの持ち込みをすると、お店が得られる利益は少なくなります。売上への配慮と持ち込みを許可してくれた感謝を込めて、お店のメニューに載せてあるドリンクを注文しましょう。
注文するときはわざわざ高い値段のワインを注文する必要はなく、お店で平均的な価格帯の物で問題ありません。「そんなにたくさんワインを飲めない」という場合は、グラスでほかのドリンクをオーダーするのもアリです。
【ワイン持ち込みのマナー⑤】ワインは少し残す
実はワインの持ち込みをするときは、「少し残す」というマナーがあります。
ワインはどのようなワインでもお店のスタッフにとっては、ワインの知識を深める材料になります。とくに、駆け出しのソムリエだと、「試してみたい!」と思うワインは山ほどあります。
お店のスタッフで飲めるようにボトル半分ほど残しておき、帰る際に「よかったら後で味見してみてください」と声かけをするとスマートです。
「ワインは飲み切れる量を持ち込む」というマナーと矛盾していると感じられる方も多いでしょう。
もちろん、BYOの目的は好きなワインをお店で味わうことなので、すべて飲み切っても問題ありません。
しかし、特別な日に用意された希少なワインをおすそ分けすると、お店に非常に喜ばれます。
持ち込みワインのおすそ分けは、「ワインを持ち込ませてもらっている」という感謝の気持ちを表す手段のマナーとして覚えておいてください。
BYOにおすすめ!オーストラリア生まれの紫ワイン
神秘的な色をまとった「Purple Reign(パープルレイン)」は、BYO発祥の地オーストラリアで生まれました。
不思議な紫色をしていますが、セミヨンやソーヴィニヨン・ブラン、シャルドネを使った王道の白ワインです。
紫の秘密は、チョウマメの植物由来の色素。「バタフライピーティー」の色素というとイメージしやすい方も多いでしょう。
パープルレインの生みの親は「健康志向の強い妻でも安心して飲めるワインを造りたい」という思いで体に優しいワインの研究を続けていました。
試行錯誤の結果、酸化防止剤の代わりに抗酸化作用の高いチョウマメを使用したところ、偶然にも白ワインが美しい紫色に染め上げられたのです。
小さなワイナリーで造られているパープルレインは輸入本数も少なく、お店に持ち込むワインにもってこいです。
妻への愛が詰まった希少で美しい紫色のワインと特別な時間をすごしませんか?
まとめ
BYOが可能であれば、自分の好きなワインをお店に持ち込んでプロの料理と一緒に味わえます。とっておきのワインを、家庭では真似できないサービスで楽しめるのもメリットです。
とはいえ、「お金は払うんだから」となんでも好き勝手に持ち込むのはNG。お店に持ち込ませてもらっているという感謝の気持ちを忘れずに、マナーを守って持ち込むようにしましょう。