menu

腐ったブドウでワインが造られるって本当?腐敗と発酵の違いを解説

豆知識

「ワインは腐らせたブドウで造っている」という話を耳にしたことはありませんか?

もし、本当に腐ったブドウを使っているのであれば、飲むのに抵抗を感じてしまいますよね。

本記事では、腐ったブドウでワインが造られるという噂について詳しく解説していきます。

「腐ったブドウでワインが造られる」は間違い

ぶどう

結論からいえば、ワインは腐ったブドウから造られていません。

ワインは、ブドウの果汁を発酵させて造るお酒です。「ワイン=腐っている」という噂があるのは、「発酵=腐敗(腐る)」と誤った認識をしている方がいるからのようです。

ワインには腐るという概念はない!

ぶどう

そもそもワインには「腐る」という概念はありません。栽培から発酵、熟成までの過程で、腐敗したワインが販売されることはありえないのです。

また、ワインには賞味期限がありません。アルコール度数の高いワインは、販売後も腐敗する心配がないからです。

食品衛生法上でワインは賞味期限の表記は不要とされており、まれに100年以上熟成されたワインが販売されていることも。

ワインの状態が劣化するケースはあれど、ワインが腐った状態になるのは製造中はもちろん消費者の手に渡った後も考えられません。

つまり、ワインには腐ることはないのです。

腐敗・熟成・発酵の違いとは?

ワイン

ワインには腐るという概念がないとわかりました。

では、混同されがちな「腐敗・発酵・熟成」には、それぞれどのような違いがあるのでしょうか?

ここでは、腐敗と発酵、熟成のそれぞれの違いを解説していきます。

腐敗

腐敗とは、「微生物の力により状態変化した食品が人体に有害である状態」です。

食品を食べたことが原因で食中毒になったり、嘔吐や下痢などの症状が出たりする場合、その食品が腐敗している状態だと判断されます。

発酵

発酵も腐敗と同様に「微生物の力により状態変化した食品の状態」を指します。ただし、腐敗が人体に害を及ぼすのに対して発酵は害を及ぼしません。

ワインを飲んでも、食中毒や下痢の症状は出ませんよね?

体に害がないため、ワインは腐敗ではなく発酵していると定義されるのです。

つまり、腐敗と発酵は人間の都合により決められており、「体に害があれば腐敗」、「体に害がなければ発酵」となります。

熟成

熟成は「微生物の力を借りずに食品が状態変化する場合」を表します。

食品がもともと持っている酵素やたんぱく質などが分解した状態を熟成といい、熟成すると旨味や風味が増すのです。

 微生物による状態変化人体への害
発酵なし
腐敗あり
熟成×なし

ワインは腐らないので初心者でも長期熟成が可能

アルコール度数が高いワインは腐敗しないため、初心者でも安全に長期熟成に挑戦できます。

しかし、ワインは腐らないものの劣化はするので、初心者が長期熟成に挑戦する場合はワインセラーで管理するのがおすすめです。

また、ワインを熟成する場合は、寝かせすぎには注意してください。ワインのポテンシャルにより飲み頃は異なるため、熟成すればするほど美味しくなるというわけではありません。

ワインは熟成しすぎや劣化には注意が必要ですが、腐敗のリスクはないので安心ですね。熟成できるのもワインの大きな魅力なので、初心者の方も長期熟成に挑戦してみてはいかがでしょうか?

ワインを熟成する魅力

ワイン

ワインを熟成すると深みやコクが生まれ、リッチで上品な味わいに変化するのが大きな魅力です。香りや風味も豊かになるため、余韻も長くなり満足感が高まります。

また、若い状態のワインの味わいを知っていれば、熟成した状態との味わいの違いを比較できるのも素敵です。

ワインを熟成すると味わい深くなるほか、時間経過によるワインの成長を楽しめます。

貴腐ワインは腐ったブドウで造られている?

ワイン

極甘口の濃厚な味わいが魅力的な貴腐ワイン。名前に“腐”とついているため「腐っているのではないか?」と思われがちですが、貴腐ワインは腐ったワインではありません。

貴腐ワインは、貴腐菌(ボトリティス・シネレア)が付着したブドウを使用したワインです。貴腐菌はブドウの果皮に穴をあけるため、穴から果実中の水分が蒸発してシワシワの状態になります。

シワシワな状態のブドウが腐っているように見えること、外見からは想像がつかないほど素晴らしい味わいをしていることから”貴腐ワイン”と呼ばれるようになったのです。

貴腐ワインという名がややこしいですが、実際には腐っているわけではないので安心して楽しんでください。

長期熟成可能なおすすめワイン

腐敗しないワインは、初心者でもリスクなく長期熟成を楽しめます。しかし、ワインには、長期熟成に向いているものと向いていないものがあるので注意が必要です。

ここでは、長期熟成可能なおすすめワインを紹介します。

ポメリー・ブリュット・ロイヤル

ポメリー・ブリュット・ロイヤル
画像出典:楽天市場

ワインの長期熟成といえば赤ワインのイメージがありますが、実はシャンパンの熟成もおすすめです。

『ポメリー・ブリュット・ロイヤル』はフレッシュで爽やかな味わいが魅力的なワインで、熟成を経るとソフトで香り豊かなシャンパンに変化します。

5年前後の熟成であれば炭酸も抜けないため、ぜひトライしてみてください。

なお、炭酸が強いお酒が苦手な方や多少抜けても気にならない方は、もっと長く熟成しても美味しいですよ。

マコン・ヴェルゼ ドメーヌ・ルフレーヴ

マコン・ヴェルゼ
画像出典:楽天市場

白ワインは熟成すると華やかな果実味が落ち着き、ドライフルーツやはちみつのような濃厚な味わいに変化します。

『マコン・ヴェルゼ ドメーヌ・ルフレーヴ』は、りんごや桃のような華やかなアロマと果実味が魅力的なフランス・ブルゴーニュ産の白ワインです。

熟成を経ると蜜りんごやドライピーチのような濃厚な果実味に変化し、芳醇でリッチな味わいが楽しめます。10~15年程度寝かせると熟成による変化が顕著に出て、美味しくなるのでおすすめです!

シャトー ラグランジュ

シャトー ラグランジュ
画像出典:楽天市場

長期熟成させるワインとして定番なのが、フランス・ボルドー産の赤ワイン。

『シャトー ラグランジュ』は、鮮やかな赤黒系果実のニュアンスと力強いタンニン、ハーブのアロマが綺麗に調和したバランスのよい仕上がりです。

熟成させると凝縮感のある果実味と滑らかなタンニンに変化し、芳醇かつソフトな味わいになります。

ハーブを思わせるグリーンのニュアンスもドライハーブやたばこのような風味に変化し、ワインがよりいっそう上品に感じられますよ。

まとめ

ブドウ

「ブドウは腐ったワインを使っている」と誤解する方も多いですが、ワインには腐るという概念はなく安全に飲めます。

また、ワインは腐らないため熟成師やソムリエなどのプロ資格がない初心者の方でも、安心して長期熟成を楽しめるところも魅力的です。

ワインは安心な飲み物であり、熟成を楽しめる素敵なお酒です。ぜひ気軽に仲間とワインを飲んだり、熟成したりとさまざまな方法で楽しんでみてくださいね!

関連記事

こちらの記事もよく読まれています