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赤ワイン有名産地ごとの味の違いを学ぼう!おすすめワインも紹介
赤ワインは世界各国で造られており、産地ごとに異なった特徴を持ちます。
本記事では、赤ワインの有名産地の味の違いを解説します。おすすめワインも紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
これだけは抑えたい!赤ワインの有名産地と味の違い
赤ワインにはさまざまな有名産地があり、地域ごとに特徴や味わいが大きく異なります。
ここでは「赤ワインの有名産地ってどこなの?」「有名産地ごとの味わいの違いが知りたい」という方に向けて、赤ワインの有名産地と味の違いを紹介します。
フランス・ブルゴーニュ地方
「ワインといえばフランス」と思う方も多いのではないでしょうか?
フランスの赤ワインの有名産地として代表的なのがブルゴーニュ地方です。ブルゴーニュ地方は、南北に大きく広がっています。
ブルゴーニュ地方では、おもにピノ・ノワールを使用した単一品種の赤ワインが造られます。北と南で味わいがやや異なりますが、どちらも軽やかで穏やかな渋みが特徴的です。
- 北側:力強い酸が特徴的で、すっきりとした味わい
- 南側:酸が穏やかで果実味が強い
また、ブルゴーニュ地方の南側ではピノ・ノワールのほかに、チャーミングな果実味が特徴的なガメイの栽培をするボージョレ地区があります。
ガメイは、日本で非常に有名なボジョレー・ヌーボーの品種です。
南北問わず渋みが穏やかで飲みやすいため、赤ワイン初心者にもおすすめの産地といえるでしょう。
フランス・ボルドー地方
ボルドー地方は、ブルゴーニュ地方に並ぶフランスの赤ワイン有名産地。ブルゴーニュ地方とは反対に、渋みが強く重厚感のある赤ワインが有名です。
ボルドー地方ではおもにブレンドワインが主流で、カベルネ・ソーヴィニヨンやメルロー、カベルネ・フランなどのさまざまなぶどう品種を組み合わせます。
複数のぶどう品種の個性が混ざり合う複雑な味わいが魅力的です。
また、ボルドー地方には大きな河が流れています。河の右岸と左岸で味わいの傾向が異なるので、飲み比べてみるのも面白いです。
- 右岸:左岸に比べると渋味が穏やかで、濃密な果実が魅力の女性的なワイン
- 左岸:渋みが強く飲みごたえのある男性的なワイン
イタリア・ピエモンテ州
イタリア・ピエモンテ州は、ネッビオーロというぶどう品種から造られる長期熟成能力の高い赤ワインが人気です。
イタリアは、複数の畑から取れたぶどうをブレンドしてワインを造る文化があります。しかし、ピエモンテ州は例外で、単一畑文化が根付いた唯一無二の産地です。
ピエモンテ州の赤ワインは、凝縮感のある果実味と力強いタンニン(渋み)、豊かな酸が特徴。熟成を経ると力強いタンニンや豊かな酸が穏やかになり、まろやかで上品な味わいに変化します。
熟成前と後で味わいが大きく変化するので、同じヴィンテージの同銘柄を複数本購入しワインの変化を楽しむ愛好家も多いです。
イタリア・トスカーナ州
トスカーナ州では、土着品種のサンジョベーゼを主流とした華やかで濃厚な果実味の赤ワインが有名です。
日本で親しみ深い”キャンティ”もトスカーナ州で造られており、日常使いにぴったりなワインを多く産出しています。
癖がなく旨味のしっかりとした赤ワインが多く、お食事と合わせやすいフードライクなワインがたくさんあります。
土着品種を使用しない国際品種を使った”スーパータスカン”というワインも有名です。
スーパータスカンは伝統的なイタリアワインの型にはまらず、生産者独自の表現でワインを醸造しています。産地にとらわれず生産者の想いや表現したい味わいを楽しめるのが魅力的です。
アメリカ・カリフォルニア州
カリフォルニア州は、アメリカワインの総生産量の約8~9割を占める一大生産地です。
赤ワインの主要ぶどう品種はカベルネ・ソーヴィニヨンやピノ・ノワール、ジンファンデルとバラエティに富んでいます。
昔は重厚感のあるフルボディのカベルネ・ソーヴィニヨンが人気を博していましたが、現在はエレガントな味わいのピノノワールも有名です。
アメリカのワイン法は品種・栽培・醸造方法などの規定はないため、ヨーロッパと比べて生産者の個性が強く表現されます。
単一ワインはもちろんブレンドワインも造られており、さまざまな味わいを楽しめるのが魅力的です。
チリ
チリは、東側にそびえるアンデス山脈や地中海性気候など、地形や気候のさまざまな影響を受けます。
アンデス山脈や気候の影響を受け、ぶどうは「雨が少なく日照量が多い」「昼と夜の寒暖差の大きい」という理想的な環境で育つのです。糖度が高いぶどうが育ち、濃厚で旨味の強いワインが仕上がります。
また、チリでは75種類以上のワイン用ぶどう品種を栽培しており、赤ワインの味わいがバラエティ豊かです。
品種によって味わいは異なりますが、共通して濃厚な味わいになるためフルボディの赤ワインが好きな方におすすめの産地といえるでしょう。
アルゼンチン
チリの隣国であるアルゼンチンは、アンデス山脈から乾燥した暖かい風”ソンダ風”が吹くため、温暖で乾燥した大陸性気候です。
温暖な気候と日照量の多さがぶどうの完熟を促し、濃厚な味わいの赤ワインが造られます。
主要なぶどう品種は、濃厚な果実味と力強いタンニンが特徴的なマルベックです。チリの赤ワインは、熟度が高く濃密な果実味が特徴的。アルコール度数は高い傾向があります。
重厚感のある力強い味わいやアルコール感の強いワインが好きな方におすすめの産地です。
日本
日本ワインといえば、山梨や長野、北海道のイメージが強いかもしれませんが、実はほとんどの都道府県でワインを造られています。
使用するぶどう品種は多岐にわたり、日本特有の土着品種から国際品種まで幅広く栽培されています。
日本特有の土着品種を使ったワインは、和のエッセンスを感じる上品な味わいが魅力的です。なかでも、マスカット・ベリーAは2013年にOIV(国際ブドウ・ワイン機構)に品種登録されており、日本ワインが世界でも注目されるきっかけになりました。
日本を代表するマスカット・ベリーAを使用する赤ワインは、キャンディのような甘やかな香りと穏やかなタンニンが魅力的です。
滋味深い味わいと柔らかなニュアンスが特徴的なので、繊細な和食の味わいを引き立ててくれます。
【ソムリエに質問】赤ワインはどこ産が一番美味しいの?
赤ワインの有名産地と味の違いを紹介しましたが、「結局、赤ワインはどこ産が一番美味しいの?」と疑問に思った方は多いのではないでしょうか。
残念ながらその疑問には、どんなに優秀なソムリエでも回答できません。なぜなら、人により好みの味わいや苦手なタイプが異なるからです。
一番美味しい赤ワインは、自分で飲んでみる以外に答えが出せないのです。ぜひ、いろんなワインを飲み比べて、好みの産地を探してみてください。
赤ワイン有名産地ごとのおすすめワインを紹介
最後に赤ワイン有名産地ごとのおすすめワインを紹介します。
赤ワインの有名産地を学んで実際に飲んでみたくなった方は必見です!
ブルゴーニュ ピノ・ノワール ルイ・ラトゥール
『ブルゴーニュ ピノ・ノワール ルイ・ラトゥール』は、フランス・ブルゴーニュ地方産のピノ・ノワール100%の赤ワイン。
200年以上もの歴史を持つ老舗ワイナリー”ルイ・ラトゥール”が手掛けるワインで、本格的なブルゴーニュ地方の赤ワインが楽しめます。
チェリーやプラムを思わせる甘酸っぱい果実味が魅力的です。渋みは穏やかで、しっかりとした酸と果実味が感じられるエレガントな味わいを楽しめます。
渋みが強いワインが苦手でも飲みやすいので、「赤ワインに挑戦したい」という初心者の方におすすめの1本です。
シャトー モン ペラ
『シャトー モン ペラ』は、フランス・ボルドー地方で手掛けられるフルボディの赤ワインです。
ボルドー地方の定番ぶどう品種であるメルローとカベルネフラン、カベルネ・ソーヴィニヨンがブレンドされており、本格的なボルドーワインの味わいを楽しめます。
熟したベリーやプルーンのような甘やかな果実味にスパイス、モカのニュアンスが混ざり合う複雑な味わいが魅力的。
チョコレートのようななめらかな口当たりと、まろやかな渋みが心地よいリッチな仕上がりになっています。
複雑味のある赤ワインが好きな方におすすめしたい、本格的な味わいのボルドーワインです。
フォンタナフレッダ バローロ
『フォンタナフレッダ バローロ』は、ピエモンテ州で造られるネッビオーロ100%の赤ワイン。
バローロは”イタリアワインの王様”と言われており、ネッビオーロから造られる濃厚な味わいのワインが有名です。
しなやかなタンニンと力強い酸、赤黒系果実を思わせる華やかな果実味とアロマが楽しめます。長期熟成のポテンシャルも秘めており、今飲んでも寝かして飲んでも美味しいワインです。
長期熟成を楽しみたい方や、力強くもエレガントな味わいのワインを好む方におすすめのワインといえるでしょう。
グラーティ キャンティ
トスカーナ州の赤ワインで、キャンティは外せません。『グラーティ キャンティ』は、老舗ワイナリーが手掛ける本格的なキャンティが楽しめます。
グラーティ キャンティはサンジョベーゼ主体のワインで、華やかな果実味としっかりとした酸が魅力的。果実味が豊かでジューシーな味わいは、食事と合わせやすい普段使いにぴったりの1本です。
キャンティはフードライクなワインで、洋食はもちろん和食ともよく合います。食事とワインのペアリングに挑戦したいときは、キャンティを選んでみてはいかがでしょうか?
デコイ ダックホーン カベルネソーヴィニヨン
『デコイ ダックホーン カベルネソーヴィニヨン』は、カリフォルニア産の赤ワイン。カリフォルニアワインらしいジューシーな果実味と、濃厚な旨味が楽しめるクラシックな1本です。
カベルネ・ソーヴィニヨンを主体にメルローをブレンドした、渋みと果実味のバランスがよいまろやかで濃厚な味わいが楽しめます。
濃厚な果実味やアロマが楽しめるリッチな赤ワインなので、フルボディの赤ワインが好きな方におすすめです。
モンテス アルファ カベルネ・ソーヴィニヨン
『モンテス アルファ カベルネ・ソーヴィニヨン』は、チリワインのパイオニアと名高いモンテス社が手掛ける赤ワインです。
カベルネ・ソーヴィニヨンを主体に、メルローを10%ブレンドしています。ブラックベリーを思わせる濃密な果実味と、チョコレートや葉巻のニュアンスが感じられるリッチな味わいが魅力的。
12か月の樽熟成を経てリリースするため、バニラやコーヒーを思わせる香ばしいアロマが感じられます。
リーズナブルな価格ながらも上質な味わいが楽しめるので、コストパフォーマンスのよい本格派赤ワインを求める方におすすめです。
カテナ・アラモス・マルベック
『カテナ・アラモス・マルベック』は、アルゼンチン産の濃厚な味わいの赤ワインです。
有名なワイン評論家のロバート・パーカー氏からアルゼンチン初の5つ星評価をされた実力派ワイナリーのワインで、リーズナブルな価格ながらも本格的な味わいを楽しめます。
完熟ブラックベリーのような濃密な果実味が特徴的で、スパイスやチョコレートのような複雑なアロマも感じられます。
チョコレートケーキのような重厚感のあるワインなので、「とにかく重たいワインが大好き!」という方におすすめの1本です。
マスカット・ベリーA樽熟成 シャトー酒折
『マスカット・ベリーA樽熟成 シャトー酒折』は、日本を代表するぶどう品種マスカット・ベリーAで造られた赤ワイン。
渋みは穏やかで、いちごやチェリーを思わせる華やかな果実味、キャンディーのようなチャーミングなニュアンスが魅力的です。
樽熟成をさせているので、温かみのあるウッドのアロマも楽しめます。ベリーを思わせるチャーミングな印象がありながら、樽由来のウッドのアロマが調和した上品な味わいです。
赤ワインの渋みが苦手な方や和食とのペアリングに挑戦したい方におすすめの1本です。
おわりに
赤ワインは世界各国で造られています。しかし、生産する国や産地によって気候風土やワイン法が異なるため、味わいも大きく変わります。
味わいの差を感じられるので、同じぶどう品種のワインを産地ごとに試してみてはいかがでしょうか?
ぜひ、さまざまな産地の赤ワインを飲み比べて、好みのワインを探してください。