紫の食べ物というと何を思い浮かべますか?「ナス」「ブルーベリー」「シソ」・・・じっくり考えてみると、たくさん出てくるでしょう。
実は、紫の食べ物には、形や味はバラバラでも共通のすごい効果があるのです。
本記事を読めば、以下のようなことがわかります。
- 紫の食べ物のすごい効果
- 食べたほうがいい紫の食べ物
- 色別食べ物の健康効果
ぜひ最後まで読んで、紫の食べ物のすごさを知ってください!
紫の食べ物の効果はアンチエイジング!すごいといわれる栄養素
紫の野菜・果物類には「ファイトケミカル」が多く含まれているといわれます。
ファイトケミカルとは植物の化学物質の一つで、植物が害虫から身を守るために作り出す色素や香り、ねばねば成分などです。
ファイトケミカルは、人間には作り出せません。そのため、野菜や果物類からファイトケミカルを体に取り入れる必要があります。
紫の食べ物で注目されているファイトケミカルは、「アントシアニン」です。
アントシアニンはポリフェノールの一種で抗酸化作用があり、健康維持や美容の効果が期待できます。
【アントシアニンの効果】
- 眼精疲労回復
- 肌の老化防止
- 老眼や白内障、視力低下などの予防
- 整腸作用
- 動脈硬化や心筋梗塞、糖尿病など生活習慣病予防
- 抗がん作用
- 記憶力低下防止
紫の食べ物の持つアントシアニンは、体の機能低下を防いでアンチエイジングに繋げる効果があるといえるでしょう。
積極的に食べてほしい!紫の食べ物一覧
ここでは、気軽に取れる紫の食べ物をまとめました。
食べ物 | アントシアニン以外のおもな栄養素 |
---|---|
紫キャベツ | ビタミンC、リン、ミネラル、カロテン、食物繊維など |
紫芋 | ビタミンC、ビタミンE、β-カロテン、食物繊維など |
ブルーベリー | ビタミンC、ビタミンE、食物繊維、ミネラルなど |
カシス | ビタミンC、ビタミンA、β-カロテン、ビタミンEなど |
ぶどう | レスベラトロール、タンニン、カリウムなど |
ナス | ビタミンA、カリウム、食物繊維、ビタミンC、ナスニンなど |
黒豆 | カリウム、カルシウム、鉄分、イソフラボンなど |
紫ジャガイモ | 食物繊維、カリウム、ビタミンCなど |
シソ | βカロテン、ビタミンC、カルシウム、鉄、食物繊維など |
紫玉ねぎ | ビタミンB6、葉酸、ビタミンC、カリウムなど |
詳しくご紹介していきます。
紫キャベツ
紫キャベツには、豊富なビタミンCが含まれており、その量は普通のキャベツのおよそ1.5倍です。
ビタミンCは、メラニン色素の生成を阻害する効果があるため、肌の調子を整える効果があります。
また、紫キャベツに含まれている「キャベジン」と呼ばれるビタミンuの胃粘膜修復作用は、食欲増進や免疫力向上、風邪予防などの効果が高いです。
【紫キャベツに期待できる効果】
- 生活習慣病予防効果
- 美肌効果
- 止血効果
- 胃の調子を整える効果
- 目の健康をサポートする効果
紫芋
紫芋はさつまいもの一種で、中まで紫色をしているのが特徴です。沖縄の「紅芋」といえば、ご存じの方も多いでしょう。
紫芋には、さつまいもの成分であるビタミンCやビタミンE、食物繊維に加え、アントシアニンが豊富です。
紫芋葉抽出物には、免疫細胞のNK細胞や単核球細胞を増加させる作用があるといわれており、免疫力アップが期待できます。
【紫芋に期待できる効果】
- 肝機能向上効果
- 目の健康を守る効果
- 美肌効果・美白効果
- アンチエイジング効果
- 便秘解消効果
- 動脈硬化や糖尿病など生活習慣病予防効果
- 免疫力アップ
ブルーベリー
ブルーベリーの日本の生産量1位は長野県です。種類が豊富なため北海道から鹿児島まで全国で広く栽培されています。
原産地のアメリカでは原住民に古くから食されており、病気予防や疲労回復の効果がすでに知られていました。
ブルーベリーといえば、「目にいい」といわれるアントシアニンが有名です。また、ミネラルの一つである亜鉛も多く、細胞の生まれ変わりを促進する働きがあります。
【ブルーベリーに期待できる効果】
- 肌の老化防止効果
- 眼の機能を改善する効果
- がんを予防する効果
- 生活習慣病予防効果
- 腸内環境を整える効果
- 膀胱の感染症を予防する効果
- むくみ予防効果
カシス
カシスの大きな特徴は、ブルーベリーやラズベリーなどの仲間で、アントシアニンが豊富です。
カシスにはブルーベリーなどにはない「デルフィニジン-3-ルチノシド」と「シアニジン-3-ルチノシド」という2種類のアントシアニンが含まれています。
カシスのアントシアニンは、摂取してから体に吸収されるまでの時間が非常に短いです。
また、末梢血管の血流を改善する働きがあるため、体内に吸収された後は素早く体の隅々に届き、効果を発揮します。
【カシスに期待できる効果】
- 疲れ目軽減効果
- 血流改善効果
- 緑内障の進行抑制効果
- 眼の下のクマ解消効果
- 血糖値上昇抑制効果
- 筋肉疲労改善効果
- インフルエンザ予防効果
- 肌のアンチエイジング効果
ぶどう
ぶどうは世界でもっとも生産量が多い果物の一つといわれています。日本では、夏から秋にかけて旬を迎えるお馴染みの果物です。
ぶどうには、アントシアニンのほかに「レスベラトロール」や「タンニン」などのポリフェノールがふんだんに含まれています。
なかでもレスベラトロールは、長寿遺伝子サーチュインを活性化させ若さを維持する効果があることから「若返りの成分」といわれるほどです。
【ぶどうに期待できる効果】
- 疲労回復効果
- アンチエイジング効果
- 眼精疲労回復効果
- 糖尿病など生活習慣病の予防・改善効果
- 下痢予防効果
- むくみ予防・改善効果
ナス
ナスは、奈良時代から日本人に親しまれている野菜です。夏バテ防止や炎症抑制などの効果があるとして、古くから民間療法で使われています。
ナスはよく「栄養がない」といわれていますが、そんなことはありません。食物繊維はセロリより多く含んでいるくらいです。
ナスの皮の紫色は「ナスニン」というアントシアニンの一種です。ナスニンはとくに強い抗酸化作用があり、コレステロール値の低下や動脈硬化防止の効果が期待できます。
【ナスに期待できる効果】
- 夏バテ防止効果
- 生活習慣病予防・改善効果
- がん予防・抑制効果
- 抗炎症効果
- 免疫力アップ効果
- アンチエイジング効果
- 便秘予防・改善効果
黒豆
黒豆は、よくお節料理や豆大福などに使われています。皮の濃い紫色(黒)が印象的ですが、大豆の仲間です。
黒豆にはイソフラボンが豊富に含まれており、女性ホルモンのバランスを整えるのに優れています。
また、黒豆は優れた抗酸化作用をもつ「シアニジン-3-グルコシド」というアントシアニンが大半のため、メタボリックシンドロームの抑制に効果的です。
【黒豆に期待できる効果】
- 美肌効果
- 更年期障害を改善する効果
- 骨粗しょう症を予防する効果
- 便秘を解消する効果
- 生活習慣病を予防・改善する効果
- 血中コレステロールを減少させる効果
紫ジャガイモ
紫ジャガイモは黒っぽい紫色の見た目が特徴です。切ると中まで鮮やかな紫色になっています。
普通のジャガイモに比べるとビタミンCが豊富で、美容や健康への効果が高いです。
紫ジャガイモのビタミンCはでんぷんに守られ熱で壊れにくいため、蒸したり焼いたりと火で調理しておいしく摂取できます。
また、ジャガイモは食物繊維が豊富なので、便秘解消にも効果的です。
【紫ジャガイモに期待できる効果】
- シミ・しわ・たるみなど肌の老化防止効果
- 便秘解消効果
- 腸内環境を整える効果
- 目の疲れを和らげる効果
- 視力回復効果
- 血圧の上昇抑制効果
- 炎症の減少効果
- むくみ予防
- 花粉症予防
しそ
しそは、一般的には「赤しそ(赤紫蘇)」のことをいいます。スーパーでよく見かける大葉(青じそ)は赤しその変種です。
赤しそには、「シソニン」といわれるアントシアニンが含まれています。シソニンは、食中毒予防や食欲増進、風邪予防、精神安定といった効果が高いです。
しそ固有の爽やかな香りの正体は「ペリルアルデヒド」というポリフェノールの一種で、高い防腐効果や抗菌作用があります。
【しそに期待できる効果】
- 抗アレルギー効果
- 抗菌・防腐効果
- 抗うつ効果
- 骨や歯を丈夫にする効果
- ストレス緩和効果
- 貧血予防効果
- 疲労回復効果
- 免疫力向上効果
- 目の健康を維持する効果
- 食欲増進効果
- 風邪予防効果
- 食中毒予防効果
紫玉ねぎ
紫玉ねぎと普通の玉ねぎとの栄養価はほぼ同じなので、普通の玉ねぎで栄養摂取は可能です。
玉ねぎには、硫化アリルやオリゴ糖、食物繊維、カリウムなど、ダイエットに適した成分が多く含まれています。
玉ねぎを毎日適量摂取すると、新陳代謝アップや血流改善、むくみ改善などの嬉しい効果を得られるでしょう。
ただし、紫玉ねぎはアントシアニンを豊富に含んでいるため、生活習慣病予防や目の老化予防などに効果があります。いっそう体の健康を気遣うなら、紫玉ねぎがおすすめです。
【紫玉ねぎに期待できる効果】
- 美肌効果
- 冷え性の改善効果
- 生活習慣病予防・改善効果
- 抗炎症作用
- 肝臓機能の改善
- 腸内環境を整える作用
- 血液をサラサラにする効果
- むくみ予防・改善効果
- 脂肪を分解しやすくする効果
ビーツにアントシアニンは含まれていない
紫の野菜で「ビーツ」をご存じでしょうか?「食べる輸血」などといわれ、スーパーフードとして注目されている野菜です。
ロシア料理のボルシチの材料として有名で、日本では「火焔菜(かえんそう)」や「渦巻大根(うずまきだいこん)」と呼ばれています。
紫のカブのような形をしていますが、実はほうれんそうの仲間です。
ビーツには、アントシアニンは含まれていません。ビーツの色素は、「ベタシアニン」というポリフェノールの一種が起因しており、厳密には赤い色素を持っています。
つまり、ポリフェノールの仲間だからといって、決して「ポリフェノール=紫」ではないのです。
とはいえ、ビーツに含まれるベタシアニンもポリフェノールなので、強い抗酸化作用を持っています。
【ビーツに期待できる効果】
- アンチエイジング効果
- 腸内環境を整える効果
- 高血圧予防の効果
- 肝機能を高める効果
- 血流改善効果
知っておこう!カラー別野菜の健康効果
野菜のさまざまな色合いは食卓を美しく彩るだけでなく、色によってその野菜の持つ栄養を知るのに役立ちます。
野菜の色ごとの効果・効能をご紹介しましょう。
色 | 成分 | 効果・効能 | 代表的な野菜 |
---|---|---|---|
赤 | リコピン | 抗酸化作用 がんの予防 美肌効果 生活習慣病予防 | トマト 金時ニンジン スイカ |
カプサンチン | 抗酸化作用 動脈硬化予防 | トウガラシ パプリカ | |
オレンジ | プロビタミンA | 抗酸化作用 抗がん作用 動脈硬化予防 | ニンジン カボチャ |
黄 | フラボノイド | 抗酸化作用 デトックス効果 アンチエイジング効果 ストレス緩和効果 | タマネギ レモン |
緑 | ルテイン | 抗酸化作用 抗炎症作用 眼病予防 生活習慣予防 | ケール キウイ ブロッコリー ホウレンソウ |
クロロフィル | 抗酸化作用 がん予防 消臭効果 コレステロール値上昇抑制 | ホウレンソウ ピーマン | |
紫 | アントシアニン | 抗酸化作用 アンチエイジング 抗がん作用 眼精疲労回復 眼病予防 生活習慣病予防 | 紫キャベツ ブルーベリー ナス シソ |
茶(黒) | クロロゲン酸 | 抗酸化作用 アンチエイジング効果 抗アレルギー効果 生活習慣病予防 | ゴボウ ジャガイモ |
白 | イソチオシアネート | 抗酸化作用 ピロリ菌対策 抗がん作用 殺菌作用 消化促進作用 | ダイコン キャベツ |
硫化アリル | 抗酸化作用 血液をサラサラにする効果 抗菌効果 | ネギ にんにく |
紫の効果を感じる紫色の白ワイン!?パープルレイン
最後に、紫の食べ物の抗酸化作用を利用した、美しい紫色のワインをご紹介します。
見た目の神秘的な紫色が目を惹くパープルレイン。パープルレインは、オーストラリアの小さなワイナリーでうまれました。
紫色をしていますが、パープルレインはセミヨンやソーヴィニヨン・ブラン、シャルドネを使用した王道の白ワインです。
「白ワインが紫って人工着色料じゃないの!?」と心配になりますよね。パープルレインの紫の秘密は、チョウマメという植物の「アントシアニン」です。
チョウマメのアントシアニンの主成分「テルナチン」は、とくに抗酸化作用強く、ワインに欠かせない酸化防止剤の代用として最適でした。
テルナチンの効果 | ・抗酸化作用 ・肌荒れ改善 ・アンチエイジング効果 ・抗炎症作用、 ・眼病予防、 ・眼精疲労回復 ・血糖値上昇抑制 ・抗うつ ・抗ストレス など |
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ワイナリーのオーナーは健康志向の高い妻好みのワインを追究する過程で、チョウマメにたどり着いたのです。
特別な人への愛の詰まった美しいワインは、彩り鮮やかなサラダやフルーツとも相性抜群。ぜひ一緒に召しあがってください。
まとめ
紫の食べ物に含まれているアントシアニンには、抗酸化作用や眼精疲労回復、アンチエイジング効果などさまざまな効果があります。
ただし、突然大量に摂取したからといって、すぐに効果を得られるわけではありません。
食物からの栄養は、ほかの食べ物とのバランスをとりながら適量をコンスタントに摂取するように心がけましょう。