ワインは、お酒のなかでもとくにお洒落で洗練されたイメージを持つ人が多いようです。せっかくなら、お家でも美しいグラスに注いで素敵な時間を楽しみたいですよね。
ところが、「お友達を呼んで家飲みを・・・」というときに、とっておきのワイングラスがくもっていて慌てた経験はありませんか?
本記事では、以下のようなことがわかります。
- ワイングラスの洗い方
- しつこい汚れの対処法
- 正しい拭き方
- 洗うときの心得
- 汚れを防ぐ3つの方法
「ワイングラスに水跡をつけないようにするにはどうしたらいい?」「ワイングラスがくもってしまった」といったお悩みのある方は必見です!
【手順を解説】ワイングラスの洗い方
ワイングラスを洗うポイントは、以下の2つです。
- ぬるま湯(30~40度)
- 力を入れない
ぬるま湯で洗うと、普通の水に比べて汚れが落ちやすくなります。また、水はけがよくなるので、簡単に拭き上げができて楽です。
ワイングラスはごしごし力を入れて洗うと、傷ついたり割れたりする原因になります。やわらかいスポンジで優しく洗うようにしましょう。
【ワイングラスの洗い方】
- シンクの中の物を移動して十分なスペースを確保する
- ワイングラスをぬるま湯で軽くすすいで大きな汚れを落とす。
- スポンジに少量の食器用中性洗剤を付けてグラスを洗う。とくに飲み口は汚れやすいので、力を入れないようにしながら丁寧に。
- 汚れがとれたら、ぬるま湯で洗剤を洗い流す
ワイングラスは繊細なつくりなので、シンク内が狭いと蛇口などにコツンと当たるだけで欠けてしまう恐れがあります。シンクに充分なスペースをとってから洗うようにしましょう。
繰り返しになりますが、ワイングラスは力ずくで無理やり扱うのはNGです。グラスの内部も無理に手を入れて洗おうとせず、スポンジで優しく洗いましょう。
底の部分まで手が届かなくても、中に入った洗剤とぬるま湯ですすぐ程度で充分です。
ワイングラスがピカピカに!お悩み別洗い方のポイント
ワイングラスで気になる汚れといえば、以下の3つではないでしょうか。
- 水垢
- 油汚れ
- 色素沈着
ぬるま湯で洗えば汚れが落ちやすくなるとはいえ、しつこく残ってしまうこともあります。しかし、ワイングラスの簡単に取れない汚れは、ちょっとした工夫で簡単に落とせるのです。
ひと工夫を取り入れてしつこい汚れのお悩みから解放されましょう。
【ワイングラスの洗い方のポイント①】水垢
水垢取りには、食器洗いや掃除などでよく使われている「クエン酸」を使用しましょう。
水垢のできる原因はミネラルです。ミネラルはアルカリ性なので、酸性のもので中和して落とせます。
【準備する物】
- グラスの入るサイズの容器(ボウルなど)
- 水:400cc
- クエン酸:小さじ2杯
【手順】
- 容器に水とクエン酸を入れて混ぜる
- クエン酸水の中にグラスを入れて1時間放置する
- ぬるま湯ですすいでクエン酸水を落とす
- 中性洗剤を使ってグラスを洗う
- クロスで水気を拭く
クエン酸は水垢取りに非常に有効な方法ですが、酸性に弱いクリスタルグラスには使用できません。
クリスタルグラスは洗ったらすぐに水気を取り「水垢がつくのを防ぐ」ことで、キレイな状態を保ちましょう。
【ワイングラスの洗い方のポイント②】油汚れ
料理の油や皮脂、口紅などは白く曇ったような油汚れが付きます。油汚れは、重曹を使ったつけ置き洗いで撃退しましょう。
クエン酸と反対に重曹は弱アルカリ性なので、酸性の油を中和して落とします。
【準備する物】
- グラスの入る容器(ボウルなど)
- 水:400cc
- 重曹:大さじ1
【手順】
- 容器に水と重曹を入れてよく混ぜる
- スポンジを使いながら重曹水でグラスを洗う
- ぬるま湯でよくすすぐ
- クロスで拭き上げる
力を入れて洗わなくても、油汚れがキレイに落ちるはずです。ただし、重曹もクリスタルグラスには厳禁!
クリスタルグラスには「酸化鉛」という成分が含まれており、重曹と反応してグラスを白く曇らせる恐れがあります。濁ってしまったグラスは、二度と元には戻りません。
ワイングラスに重曹を使用するときは、材質をよく確認してからにしましょう。
【ワイングラスの洗い方のポイント③】色素沈着
アントシアニンは時間が経つと酸化して取れにくくなってしまいますが、酸素系漂白剤を使えば落とせます。
【準備する物】
- 食器用漂白剤
【手順】
- 食器用漂白剤を分量通りに水で薄める
- ワイングラスを30分程度つけ置きする
- ぬるま湯でよくすすぐ
- クロスで拭き上げる
漂白剤を使うとしつこい汚れが取れやすくなります。しかし、金属や樹脂が付いている場合、漂白剤につけるとグラスを痛めてしまうかもしれません。
ガラス以外の素材が付いているときは、漂白剤につけて問題ないか確認するようにしましょう。
もう一歩美しく!ワイングラスの拭き方
ワイングラスをキレイに保つには、水あとを残さないように拭くことが大切です。洗い終わった後に水切りかごなどのうえに放置しておくと、水垢の原因になります。
洗ったらなるべく早く拭きあげるようにしましょう。
【ワイングラスの拭き方】
- クロスを2枚用意する
- クロスをそれぞれの手に持つ
- 台座の部分を包む洋にして片手で支え、反対の手でステムと台座を拭く
- 片手をボウルの下を支えるように持ちかえる
- 反対の手のクロスをボウルの中に軽く丸めるようにして入れる
- ボウルの中のクロスをクルクル回して水滴を取る
- 丸めたクロスで外側を拭く。クロスは縦方向に動かす
- 水滴が取りきれれば完了
ワイングラスは「ねじる力」に弱いです。台座とボウルを持って両手でねじるような拭き方は絶対にやめましょう。
また、一度に多くのグラスを拭くときはクロスを多めに用意しておき、クロスが水気を含んできたら変えるようにしてください。
濡れたクロスで拭くと、ワイングラスに水跡が残る原因になります。
ワイングラスを洗うときのおすすめグッズ
ワイングラスを洗うときに必要な基本セットは以下の3つです。
- 洗剤
- スポンジ
- クロス
ワイングラスを美しくするアイテムのおすすめをご紹介します。
洗剤
【洗剤を選ぶポイント】
- 食器用中性洗剤
- ワイングラスに匂いが残らない洗剤
洗剤は食器用中性洗剤であれば、とくにメーカーなどは問いません。ただし、ワインは味とともに香りを楽しむので、洗いあがった後に洗剤の匂いが強く残るものは避けましょう。
CHARMY Magica 除菌プラスプロフェッショナル LION
「CHARMY Magica 除菌プラスプロフェッショナル」は、おなじみのマジカがプロ用に設計された食器用中性洗剤です。
しつこい油汚れも、ナノレベルに分解してしっかりと落とせます。クエン酸や重曹が使えないクリスタルガラスを洗うのにもってこいです。
洗いあがった食器にはもちろん、手にも匂いが残りません。
2024年9月時点では業務用の取り扱いしかありませんが、まな板や布巾、スポンジなどの除菌にも使用できるので、使いきれない心配はないでしょう。
ヤシの実洗剤 SARAYA
ヤシノミ洗剤は、1971年の発売以来愛されるSARAYAのロングセラー商品です。ヤシの実から作られた植物性洗剤で、香料や着色料など人工添加物の一切入っていません。
天然素材の中性洗剤なので、ワイングラスなどの食器洗浄にはもちろん、野菜や果物を洗うときにも使用できます。
液体タイプと泡タイプがありますが、ワイングラスを洗うときには液体を使いましょう。
スポンジ
【スポンジを選ぶポイント】
- 食器用とグラス用で使い分ける
- やわらかい素材を使う
- 研磨剤の含まれていない物を使う
グラスを洗うスポンジは、家庭用の食器洗い用で問題ないですが、グラスを傷つけないように柔らかく、研磨剤の含まれていない物を選びましょう。
またグラスに食事の油などが移るとかえって汚れてしまいます。スポンジは食器用とワイングラス用で分けて使うのがベストです。
ワイングラスのためのスポンジ marna
「ワイングラスのためのスポンジ」、ワインボトルの形になっているおしゃれなスポンジです。
外側は目の細かいソフトスポンジ、中心は水切れに優れた脱膜スポンジで、グラスを傷つけることなく優しく洗い上げます。
柔らか素材で折りたたみやすく、グラスの縁もスポンジではさんでしっかり汚れを落とせるのも魅力的なポイント。自立するので、水切れがよく衛生面でも安心です。
グラススポンジBY210SP BIRDY.
グラススポンジBY210SPは、一流店に勤めるプロたちの意見を結集して開発されたグラス洗い専用のスポンジです。
スポンジに無数ある大小の気孔によってつくられるきめ細やかな泡が小さな汚れまで吸着し、どんな形状のグラスでもストレスなく洗い上げてくれます。
グラス洗い用スポンジを日々酷使するプロの現場で1ヶ月使用しても、衰えることがないほどの耐久性は大きな魅力です。
グラス拭き
【クロスを選ぶポイント】
- 食器用とグラス用で分ける
- 大きめのものを使う
- けば立ちにくい素材を使う
クロスは、スポンジと同様食器用とグラス用で分けて使いましょう。食器用のふきんは、油汚れが付いているので、ワイングラスを曇らせてしまいます。
小さなクロスだと、手が直接グラスに触れて皮脂がついてしまうかもしれません。グラスを拭くならフェイスタオル程度の大きさは欲しいです。
また、キッチンペーパーなど、けば立つもので拭くと、繊維がワイングラスについてしまうのでおすすめできません。
業務用 グラス拭き用トレシー 東レ
「業務用 グラス拭き用トレシー」はメガネ拭き用「トレシー」で有名な東レがつくったグラス磨き専用のクロスです。
ポリエステル100%なのでけば立つことはなく、洗濯して繰り返し使えます。
プロのバーテンダーも愛用するトレシーで、油膜や指紋、水跡などの汚れをスッキリと磨き上げましょう。
マイクロファイバー・ポリッシング・クロス RIEDEL
ワイングラスの有名ブランドであるリーデルのオリジナルグラス専用お手入れクロスです。50cm×64cmの大判サイズなので、グラスを包み込むように磨けます。
高性能マイクロファイバーは、吹き上げるときのけば立ちやキズを気にすることありません。吸水力に優れており、乾きが早いのも魅力的。
目地が細かいので、傷つきやすく繊細なクリスタルグラスを磨き上げるのにも最適です。
酔ったら洗うな!ワイングラスを洗う心得
ソムリエやワイン通の方のなかでは常識ですが、ワイングラスのお手入れの一番の心得は「酔ったら洗うな」です。
ワインで気持ちよく酔った状態で洗おうとすると、洗い方や拭き方が雑になってワイングラスに水跡や油汚れが残ってしまいます。手元が狂って大切なグラスを割ってしまうかもしれません。
なにより「めんどくさい」という気持ちで洗うよりも、キレイにしようという意気込みを持って手入れするほうがグラスも喜びます。
酔った当日はボウルに水を張っておき、翌日に丁寧に洗ってあげましょう。
酔ったら洗うな。ワイングラスを美しくかつ長持ちさせる一番の方法として、ぜひ覚えておいてください。
ワイングラスの汚れを防ぐ3つの方法
ワイングラスのお手入れを簡単にしたいなら、食事中にも汚さない工夫も大切です。ワイングラスを汚さないことは「ワインの飲み方のマナー」にも繋がるので、ぜひ実践してみてください。
ワイングラスを汚さない方法は3つです。
- 料理をしっかり飲み込んでから飲む
- 口を拭いてからワインを飲む
- 口を付ける場所を一定にする
口の中に食べ物が残っている状態でワインを飲むと、料理の油分がグラスの中に入ってしまいます。ワインを飲むのは口の中を空にしてからにしましょう。
料理の油分は唇にも付いています。料理を食べながらのワインは、口をナフキンで拭いてから、グラスに口をつけましょう。お肉などジューシーな料理を食べているときにとく効果的な方法です。
さらに、ワインを飲む位置を一定に保てば、グラスの汚れる場所が圧倒的に少なくなります。毎回バラバラな位置で飲むと、ワインの口にたくさん飲み跡がついてしまい、見た目にも美しくありません。
とくに女性は口紅やリップを付けていると、汚れが目立つので要注意です。
ワイングラスの汚れを防ぐ方法を身につけて、グラスも所作も美しくしましょう。
まとめ
ワイングラスは、非常に繊細です。グラス専用のスポンジを用意して優しく洗い上げましょう。
普段のお手入れは食器用中性洗剤で問題ありません。とくに気になる汚れには、クエン酸や重曹を使用するのもいい方法です。
また、汚れを防ぐならワインを飲むときのマナーも身につけるようにしましょう。ワインを楽しむ段階からワイングラスを汚さないように心がければ、お手入れがグッと楽になります。