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日本ワイン150年の歴史を徹底解説|魅力や世界的な評価、飲みやすいワインを紹介
近年では日本のワイン市場は急成長し、ワイン造りも活発になりました。
しかしながら「日本ワインは味が薄い」「歴史が浅い日本ワインは、他国に比べてレベルが低い」という評価があり、まだまだ国産ワインの魅力に気が付いてない日本人が多いのも事実です。
そこで今回の記事では、日本ワインの歴史を中心に魅力や特徴、飲みやすいワインを紹介します。
日本ワインの歴史について解説
ここでは日本ワインの歴史について、重要な点をピックアップして紹介します。ワイン上陸や醸造開始の背景など、日本ワインの歴史の流れを順番に確認しながら一緒に学んでいきましょう!
日本のワイン上陸は戦国時代まで遡る
日本に初めてワインが上陸したのは、戦国時代の頃。日本で初めてワインを飲んだ人物として織田信長が有名です。
しかし織田信長は下戸のためワインを飲んでない可能性があると指摘されています。だからといって、織田信長に献上されたワインを誰が飲んだかを裏付けできる証拠はなく真相は不明です。
また初めてワインを日本に持ち込んだ人物は、宣教師・ザビエルともいわれています。
『日本教会史』には、ザビエルがワインを献上したのは島津貴久であり「織田信長よりも早い時期だった」という記録が残されているようです。
一般的に織田信長が初めてワインを飲んだ人物と知られていますが、実際には島津貴久が初めて飲んだという説が有力といわれています。
日本ワイン発祥の地・甲府でワイン造り開始
日本ワインの発祥の地は、山梨県甲府市です。明治初期に、産業として初めてワイン造りが始まりました。
山田宥教と詫間憲久というふたりの人物が甲府市でワイン醸造所を設立しましたが、残念ながらこの日本初の醸造所は技術不足や卸先問題により廃業しています。
その後に、明治10年に山梨県勝沼町で『祝村葡萄酒会社(大日本山梨葡萄酒会社)』が設立されました。これが現在の日本ワインの最王手ワイナリーである『シャトー・メルシャン』です。
日本独自の改良品種が誕生
日本でも徐々にワインが生産されるようになりましたが、ヨーロッパやアメリカと気候が異なる日本では思う様にぶどうの栽培ができませんでした。
そこで川上善兵衛という人物が『岩の原葡萄園』を開設し、日本初のワイン用ぶどう品種の品種改良が始まります。10,311回もの品種交雑をおこない、22品種類の日本独自の改良品種を生み出しました。
これにより日本の気候に適したワイン用ぶどう品種が栽培されるようになり、安定してぶどうが収穫できるようになったのです。
日本ワインの文化を急成長させた川上善兵衛は、功績をたたえられ『日本ワインの父』と呼ばれています。
高度経済成長によりワイン消費拡大
ワインは戦時中に救援物資として飲用されていましたが、戦後はワイン産業が低迷してしまいます。
しかしバブル到来や東京オリンピック、高度経済成長などをきっかけにワイン産業が徐々に拡大していきました。
ワイン産業拡大にともなって日本にボジョレー・ヌーヴォーも輸入され、ワインに関心をもつ富裕層が増えたことでワイン市場は活発になります。
1990年代前半には低価格の日本ワインや南米産ワインが流通し、一気にワイン消費は拡大。一般家庭でもワインが楽しまれるようになりました。
世界に日本独自のぶどう品種が登録
日本ワインはまだまだ発展途上ですが、2010年頃に日本ワインが世界に認められたひとつの嬉しい出来事がありました。
それは『OIV(国際ブドウ・ワイン機構)』に、日本独自のぶどう品種が品種登録されたことです。2010年に甲州、2013年にマスカット・ベーリーAが品種登録されました。
OIVへの品種登録されるということは、世界に日本のぶどう品種がワインに適したぶどうとして認められた証です。
実際に品種登録をされた甲州が、ドイツやアメリカで栽培に成功しています。まだわずかですが、海外産の甲州が日本に輸入されているそうですよ。
日本ワインの特徴や魅力
ワインというお酒は造られた土地の風土気候が、如実に味わいや風味に現れます。そのため日本ワインは諸外国のワインに比べ、風味に和のエッセンスが感じられることも。
たとえば白ワインでは和柑橘やお香、赤ワインは巨峰やいちご、ゴボウのようなニュアンスが特徴的です。
和のエッセンスが混じる日本ワインは、和食とよくあいます。また日本ワインは渋みが穏やかで飲みやすいものが多いため、ワイン初心者の方にもおすすめですよ。
このように日本人にとって親しみやすい味わいや、食事と合わせやすいところが日本ワインの大きな魅力といえるでしょう。
日本ワインは美味しくないって噂は本当?
「日本ワインは味が薄くて美味しくない」「日本ワインは甘すぎる」など、ネガティブなイメージを聴いたことがありませんか?また実際にそう感じた方もいるかもしれないですね。
確かに日本ワインは世界各国のワインと比べあっさりしているので、薄いと感じる方もいるかもしれません。また以前は甘口ワインの醸造が主流だったため、甘いイメージが強い方も多いでしょう。
しかし現在の日本ワインはワイナリー数や取り扱うぶどう品種が増え、味わいはバラエティに富んでいます。そのため辛口ワインやフルボディを好む方の口にあうワインも増えました。
過去に飲んで美味しくないと感じた方も、現在の日本ワインを飲めば品質の高さに驚くことでしょう。バラエティ豊かな味わいの日本ワインから、きっと自分好みのワインが見つかるはずです!
「日本ワインは美味しくないのでは?」と思っている方も、ぜひ一度試してみることをおすすめします。
初心者におすすめの飲みやすい日本ワイン3選
「日本ワインを試してみたくなった!」と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ここでは初心者でも飲みやすいおすすめの日本ワインを3選紹介します。洋食はもちろん和食とも相性抜群な日本ワインを、ぜひ食卓で楽しんでみて下さいね。
てぐみ 白|京都丹波ワイン
京都丹波ワインで仕立てられる『てぐみ 白』は、デラウェアを使用したフルーティーで華やかなスパークリングワインです。
無濾過のためぶどうの旨みが強く、市販の瓶詰めワインとしては珍しい”生ワイン”です。デラウェアやはっさく、ラムネを想わせる、どことなく和を感じる不思議なアロマに心癒されます。
酸化防止剤無添加のため、ナチュラル志向の方におすすめですよ。
バローン ケルナー|ドメーヌレゾン
可愛らしいヤギと風船のパッケージが印象的な『バローン ケルナー』は、北海道のケルナーという爽やかな味わいのぶどうを使用しています。
マスカットやレモン、ハーブを想わせるアロマと、透き通った酸が特徴的な辛口白ワインです。
清涼感のあるキリっとした辛口ワインのため、食事と合わせやすいフードライクさが魅力的。しゃぶしゃぶや唐揚げ、チーズフォンデュなど、洋食から和食まで幅広いお料理と相性抜群ですよ!
穂坂マスカット・ベーリーA|シャトーメルシャン
日本ワインの発展に貢献した”シャトー メルシャン”が手掛ける、マスカット・ベーリーAを使用した赤ワインです。
『穂坂マスカット・ベーリーA』は、木苺やいちごジャムを想わせる赤系果実の熟した香りとバニラのアロマが綺麗に調和しています。果実の旨みに綺麗な酸が混じり合い、なんとも上品な印象です。
熟度の高いマスカット・ベーリーをオーク樽にいれて熟成させた、華やかかつ深みのある本格的な味わいが魅力的。日本ワインの底力を感じさせられる、ハイクオリティな1本です。
日本ワインは世界評価され始めている
ワインの歴史において日本はまだ歴史が浅く、世界的にみるとマイナーなワイン産地といえます。
しかし近年では日本のワイナリー数が急増し、本気でワイン造りに取り組む人口も増えました。そのため日本ワインのクオリティは向上しています。
そしてクオリティ向上により徐々に世界のワイン愛好家が、日本ワインに関心をもつようになりました。日本ワインがだんだんと世界に流通し始め、国際コンクールで受賞するワインも増えています。
日本ワインは発展途上ですが急成長をしているため、今後はより世界評価の高いワイン産地になるのかもしれませんね。
おわりに
今回の記事では日本ワインの歴史を中心に魅力や特徴、おすすめワインを紹介しました。
これまで海外のワインが中心で国産ワインは避けていたという方も、この機会にぜひ自国のワインに目を向けてみて下さい!
めきめきと成長している日本ワインのクオリティに、驚かされること間違いありませんよ。