2022年4月1日より民法が改正され、成人の年齢が18歳に変わりました。18歳が成人になりましたが、20歳未満の飲酒は禁止されたままです。
今回は未成年飲酒禁止法と、成人(18歳)からできることのポイントを解説していきます。
18歳の飲酒は法律で禁止されている
民法の改正により成人年齢が20歳から18歳に引き下げられましたが、飲酒ができる年齢は20歳のままです。
これは行政手続法に含まれる「二十歳未満ノ者ノ飲酒ノ禁止ニ関スル法律」によるものです。以前までは未成年飲酒禁止法という名称でしたが、2022年の民法改正に伴い名称が変更されました。
「二十歳未満ノ者ノ飲酒ノ禁止ニ関スル法律」は飲酒をした20歳未満への罰則は規定されておらず、20歳未満に酒を販売・提供した営業者その関係者に50万円の罰金を科すものです。(参考:国税庁HP)
海外での未成年飲酒の法律は?
海外での飲酒可能な年齢は、以下の通りです。
アメリカ | 21歳以上 ※州によって異なる |
イギリス | 18歳以上 ※地域によって異なる |
ドイツ | 18歳以上 ※一部のお酒は16歳以上 |
フランス | 18歳以上 |
オーストラリア | 18歳以上 |
韓国 | 19歳以上 |
フィリピン | 18歳以上 |
アメリカやイギリスのように同じ国の中でも州や地域によって微妙に違う場合があります。ドイツでは、お酒によって飲酒可能な年齢が変わります。たとえば蒸留酒を飲めるのは18歳以上ですが、ビールやワインは16歳から飲酒可能です。
海外に留学や旅行をした場合には、その国・地域の法律や条文に従って飲むようにしてください。
18歳からできること 一覧
18歳になり成人と認められると、様々な事が可能になります。
- 親の同意がなくても契約できる
- 携帯電話の契約
- ローンを組む
- クレジットカードの作成
- 賃貸契約 など
- 10年パスポートの取得
- 公認会計士や医師免許、司法書士などの国家資格の取得
- 婚姻(男女ともに18歳から可能)
- 性同一性障害の方の性別取扱いの変更審判
未成年者が契約するときには、保護者の同意が必要です。保護者の同意を得ずにした契約を未成年者は、すぐさま取り消すことが可能です。これを「未成年者取消権」といいます。
18歳になると未成年者取消権が行使できなくなり、安易な契約でトラブルに巻き込まれる可能性が高まります。成人になったという責任をもって、契約するときには慎重に検討しましょう。
20歳未満が飲むと体に悪影響を及ぼす
成人年齢が18歳に引き下げられたのに、なぜ20歳未満の飲酒は認められないのでしょうか?それは、健康面への影響が大きい青少年の保護のためです。
内臓疾患や性ホルモンのダメージのリスク
まだ身体が未熟な青少年が飲酒をすると、二次性徴に悪影響を及ぼします。男性は勃起不全や精子へのダメージが起こり、女性には生理不順や無月経になるリスクがあります。
またアルコールの分解能力もまだ未熟なため、肝臓やすい臓へのダメージも大きくなりがちです。若いうちから内臓疾患を抱えると、将来の仕事や生活への支障をきたします。
急性アルコール中毒になりやすい
20歳未満の人はアルコールの分解が遅く、感受性が高いことから急性アルコール中毒になりやすいとされています。
急性アルコール中毒とは、大量にアルコールを摂取したあとに一時的に酩酊状態になることです。一気飲みだけでなく、飲みすぎによっても引き起こされます。
急性アルコール中毒になると嘔吐や呼吸数の低下により意識がなくなり、死亡に至るケースもあります。
まとめ
海外でも20歳未満の飲酒は認められてはいるものの、青少年への健康被害の観点から年齢制限を設けられています。
お酒は気持ちを高揚させて楽しいコミュニケーションをとりやすくさせてくれますが、一方で飲み過ぎによる危険性も多く存在します。
美味しく楽しく飲むためにも、正しいルールを守って飲むようにしてくださいね。