生ワインは、近頃人気上昇中のワインです。生と聞くと「フレッシュ」や「新しい」というイメージがありますよね?
とはいえ、普通のワインと何が違うのでしょうか?
本記事では、生ワインとワインの違いや、好みの生ワインの選び方などを詳しく解説していきます。
最後まで読んで、「生ワインは、家でも飲める?」「生ワインをおいしく飲むには?」といった疑問を解消してください。
生ワインとは「ぶどうのフレッシュさが味わえるワイン」
人気上昇中のワイン「生ワイン」。生ワインに明確な定義はありませんが、多くの生ワインは「無ろ過」「非加熱」傾向が高いです。
ろ過・加熱しないことで旨み成分がしっかりと残り、ぶどう本来のフレッシュな香りやジューシーな味わいが満喫できます。
普通のワインよりもフレッシュでフルーティーかつアルコール度数が低いので、お酒を飲み始めた方でも飲みやすいです。
生ワインの消味期限は最短2週間
生ワインの賞味期限は、最短2週間、長くても半年程度と、メーカーの任意で決められています。
本来、ワインには「賞味期限」「消費期限」という概念がありません。というのもワインは、熟成という過程を経ておいしくなる飲み物だからです。
一般的なワインには、賞味期限の代わりにぶどうの収穫された年が表示されています。ぶどう収穫年から計算すれば、ワインの熟成年数がわかるのです。
【ワインの保存期間】
ワインの種類 | 保存期間の目安 |
---|---|
ボージョレ・ヌーボー | 1年以内 |
赤ワイン(早飲みタイプ) | 2~3年以内 |
赤ワイン(熟成タイプ) | 5年以上 |
白ワイン | 1~2年以内 |
ロゼ | 購入後なるべく早く飲む |
スパークリング | 購入後なるべく早く飲む |
ところが、生ワインは少し様子が異なります。
生ワインは、ワインの品質を安定させるための過熱やろ過が行われていないので、一般的なワインと比較して熱に弱く味わいが変化しやすいです。
つまり、生ワインには「生ワインをおいしく味わってもらえる期間」として、賞味期限を定めている場合があります。
生ワインは、一般的なワインよりも早く飲み切るようにしましょう。
生ワインとワインの違い
生ワインは、一般的なワインよりもいっそうフレッシュな味わいが特徴です。
では、生ワインのフレッシュさはどのように生まれるのでしょうか?生ワインとワインの製造方法・飲める時期・保存方法の違いから解説していきます。
製造方法
生ワインとワインの製造方法での大きな違いは、ろ過と過熱処理です。ろ過と加熱処理はワインの品質維持のために行われます。
冒頭でもご説明したとおり、生ワインは「無ろ過」「非加熱処理」の傾向が高いです。
製造過程 | メリット | デメリット |
---|---|---|
ろ過 | 酵母やバクテリア、固形物などの不純物を除去できる | 過度なろ過は、ワインの香りや旨み成分、複雑味失う恐れがある |
加熱処理 | 細菌やバクテリアを死滅させて、ワインの変質を防ぐ | 過度な加熱は、ワインの旨み成分や風味が損なう恐れがある |
一般的なワインは、ろ過と加熱処理によって殺菌を行っているため、品質を安定させられます。さらに、不純物を取り除いているので、ワインの透明度が高いです。
いっぽう、生ワインは無ろ過・非加熱処理の傾向があります。無ろ過・非加熱処理であれば、ワイン本来の旨み成分が残せます。
しかし、品質を安定させる工程を経ていないため、おいしさを長く保つのは難しいです。
飲める時期
一般的なワインは、ぶどう品種や産地などで大別すると、時期に関係なく常に流通しています。
生ワインは、「できたてほやほやのワイン」です。保存期間だけでなく製造時期も限られてしまうので、毎年決まった時期にしか出回りません。
生ワインの飲める時期のイメージは日本酒の新酒に近いです。新酒は、毎年秋に収穫した新米を使ったお酒で、年末から新年にかけてはじめてしぼられます。
また、生ワインは収穫したてのぶどうを使って、造られるワインなので、「その年の新しいワイン」という点では、毎年日本では人気のある「ボジョレー・ヌーボー」ととても似ています。
しかし、無ろ過・非加熱処理で品質を維持できる期間が短いため、海外産の生ワインはあまり日本では出回っていないようです。
保存方法
ワインはデリケートな飲み物です。未開封のワインを家で保管するときには、最低でも3つのポイントに気を付けましょう。
【一般的なワインの保存方法】
- 日光や蛍光灯などの光を避ける
- 13~15度程度の涼しい温度
- 湿度は60~80%でコルクの乾燥を防ぐ
生ワインは一般的なワインよりも熱の影響を受けやすく、-10度以下の冷蔵保存が必要なものがほとんどです。
【生ワインの保存方法】
- -10度以下の冷暗所で保存
生ワインは開栓してからの劣化も早いため、一度開けたら飲み切ることをおすすめします。
生ワインの選ぶ3つのポイント
生ワインは選ぶときには、以下の3つを意識して選んでみましょう。
- ぶどうの品種
- ワインの産地
- ワインの種類
ポイントを理解すれば、ご自身の好みの生ワインを見つけられるはずです。
①ぶどうの品種
生ワインの造られるブドウ品種はさまざまです。
ここでは、日本で造られる生ワインに使われる代表品種と特徴をご紹介します。
ぶどう品種 | 特徴 |
---|---|
甲州 | 日本固有の白ぶどう品種 青りんごのような果実味とほのかな苦味 穏やかな酸味 |
ナイアガラ | 生食できる グレープフルーツジュースを思わせる甘い香り |
マスカット・ベーリーA | 日本では甲州に次いで多く栽培されている品種 生食が可能 イチゴやラズベリーのような甘い香り 渋みが少ない |
コンコード | タンニンが少なく、渋みが控えめ イチゴやラズベリーのようなフルーティーな香り 豊富な果実味がある |
カルベネ・ソーヴィニヨン | 熟成しなくても深い味わい 渋みと酸味のバランスがいい カシスやブルーベリーなど凝縮した果実味のある香り |
②生ワインの産地
日本で出回っている生ワインのほとんどは、日本で造られています。日本の生ワインの産地を3つご紹介しましょう。
山梨県:ワイン造り発祥の地の歴史あるワイン
山梨県の気候は「寒暖差が大きい」「日照量が多い」「雨が少ない」とぶどう栽培に大変適しています。
良質のぶどうが栽培できるため、山梨県は日本最大のワイン産地です。山梨県の生ワインはとくに、甲州やマスカット・ベーリーAが使用され、穏やかで優しい味わいとなっています。
長野県:甘いワイン好きにおすすめ
長野県は、山梨県と同じく寒暖差が大きく降水量の少ない、ぶどう栽培に適した気候です。
コンコードやナイアガラといった甘い香りが特徴のぶどうが多く栽培されているため、甘くてフルーティーなワインが造られています。
北海道:広大な土地でドメーヌが多い
北海道は、広大な土地を利用したドメーヌが多いです。
ドメーヌとは、「自家栽培醸造家」という意味で、ぶどうの栽培からワインの醸造、瓶詰めまで一貫して行う生産者のことをいいます。
1日の気温差が大きく冷涼な気候を利用して、ケルナーやミュラートゥルガウなどのドイツ系品種や、ナイアガラやピノ・ノワールといった耐寒性のある品種が栽培されています。
北海道で造られる生ワインは酸味の効いた爽やかなものが多いので、さっぱりとした飲み口の生ワインを選ぶなら北海道産がおすすめです。
③赤・白・ロゼ
生ワインも一般的なワインと同じように、赤・白・ロゼがあります。合わせる料理との相性で選べば、いっそうおいしく生ワインを味わえます。
ワインの種類 | 相性・味わい |
---|---|
赤 | コクがある味わい 肉料理に合う |
白 | すっきりした味わい 魚料理に合う |
ロゼ | フルーティーで華やかな味わい どのような料理にも合わせやすい |
生ワインは、一般的なワインよりもフレッシュで癖の少ない傾向なので、合わせる料理の味付けも薄めの物を選びましょう。
また、生ワインにも甘口・辛口があります。食事と合わせるなら辛口、食前酒やデザート酒として楽しむなら甘口と飲み分けるのもおすすめです。
一度飲んでみてほしい!おすすめの生ワイン5選
飲める時期が限られているとはいえ、生ワインにはさまざまな銘柄があります。「どれにしよう・・・」と迷っていては、手に入れる機会を逃してしまうかもしれません。
ここでは、一度飲んでいただきたいおすすめの生ワインをご紹介します。
「生にごりワイン 赤」 井筒ワイン
内容量 | 720ml |
---|---|
地域 | 長野 |
ブドウ品種 | 長野県塩尻・松本産コンコード |
ワインの種類 | 赤ワイン |
ワインの味 | やや甘口 |
アルコール度数 | 12.5% |
井筒の生にごりワインは、信州桔梗ヶ原で収穫されたぶどうを醸造し、ワインになったばかりの状態をそのまま瓶詰した年に一度きりの限定ワインです。
無濾過・非加熱処理だけでなく、酸化防止剤も無添加のため、非常にデリケート。ぶどうをそのまま食べているような、芳醇な果実味を感じられます。
井筒の生にごりワインは、毎年11月頃から販売予定。事前予約も受け付けています。
「おたる ナイヤガラ」 北海道ワイン
内容量 | 720ml |
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地域 | 北海道 |
ブドウ品種 | ナイヤガラ(国産ぶどう100%使用) |
ワインの種類 | 白ワイン |
ワインの味 | やや甘口 |
アルコール度数 | 10% |
北海道ワインの「おたる ナイヤガラ」は、マスカットを思わせる爽やかな香りと味が魅力の生ワインです。
やや甘口のため、「ワインが苦手」という方でも親しみやすいのが魅力。ぶどうそのままの甘みを満喫したい方は、ぜひお試しいただきたい1本です。
「巨峰ぶどうワイン ロゼ」 シャトレーゼベルフォーレワイナリー
内容量 | 720ml |
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地域 | 山梨 |
ブドウ品種 | 山梨県産巨峰種葡萄 |
ワインの種類 | ロゼワイン |
ワインの味 | 甘口 |
アルコール度数 | 11% |
「巨峰ぶどうワイン ロゼ」は、全国のシャトレーゼやシャトレーゼのオンラインショップで通年販売されています。
フルーティーかつアルコール感が控えめで飲みやすく、どのような料理にも合わせやすいです。
「てぐみ デラウェア」 丹波ワイン
内容量 | 750ml |
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地域 | 山梨、山形、香川 |
ブドウ品種 | デラウェア |
ワインの種類 | 白 スパークリング |
ワインの味 | 辛口 |
アルコール度数 | 10% |
「てぐみ 白」は桃やリンゴなどの果実味溢れる香りが特徴の生ワインです。飲むとシュワシュワと心地よい泡を感じられます。
スパークリングの秘密は、酵母の作り出す炭酸ガスです。発酵終了直前のワインを瓶詰めして瓶の中で発酵を続けることで、酵母が生み出した炭酸ガスがワインに溶け出しました。
すっきり辛口の飲みやすいスパークリングワインです。
「生ワイン 赤」 ミレックスジャパン
内容量 | 500ml |
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地域 | 国産・アメリカ |
ブドウ品種 | コンコード |
ワインの種類 | 赤ワイン |
ワインの味 | やや辛口 |
アルコール度数 | 12.5% |
ミレックスジャパンの「生ワイン 赤」は、ぶどう本来の味がダイレクトに味わえるのが特徴の生ワインです。
醸造工程で加熱処理を一切していない温度変化に敏感なワインであるかわりに、コンコード種のコク深い香りもしっかりと感じられる仕上がりになっています。
ワインの酸化防止剤が気になるなら紫ワインもおすすめ!
「ワインは好き。でも酸化防止剤が気になる・・・」
ワインに限らず、食品の酸化防止剤の存在が気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
酸化防止剤には、風味の劣化や酸化を防止する効果があります。ワインによく使われている酸化防止剤は、「亜硫酸ナトリウム」です。
過剰に摂取しなければ問題ないといわれていますが、胃の弱い人が摂取すると胃痛を起こす恐れがあります。
生ワインには酸化防止剤が添加されていない物も多いので、健康的にワインを味わいたい方にはぴったりです。
とはいえ、賞味期限の短い生ワインを常備するのは難しいもの。
酸化防止剤の添加されていないワインをお探しなら、紫ワイン「パープルレイン」はいかがでしょうか?
内容量 | 750ml |
---|---|
地域 | オーストラリア |
ブドウ品種 | セミヨン、ソーヴィニヨン・ブラン、シャルドネ |
ワインの種類 | 白ワイン |
ワインの味 | 辛口 |
アルコール度数 | 12.5% |
パープルレインは、オーストラリアの醸造家が健康志向の強い奥様好みのワインを追究した結果生まれた白ワインです。
「酸化防止剤はともかく、紫って人工着色料じゃないの?」と心配になる方もいらっしゃるでしょう。
パープルレインの紫は、酸化防止剤の代わりに使われているチョウマメから偶然採れた植物由来の色素です。
つまり、パープルレインは酸化防止剤・人工着色料不使用の体に優しいワイン。
健康に気遣いながらも、美しい紫ワインに酔いしれてみませんか?
まとめ
生ワインは、無ろ過・非加熱処理で造られているワインです。一般的なワインよりもぶどう本来のフレッシュさや果実味がしっかりと味わえます。
ただし、温度変化に弱く、長期間保存に向いていません。生ワインを購入したら、すぐに冷蔵保存をし、開けたら一度に飲み切ることをおすすめします。