ワインにはさまざまな種類がありますが、どのような特徴や違いがあるのでしょうか?
本記事では、ワインの種類や色、甘辛度、ぶどう品種など、あらゆる角度からワインの魅力を徹底解説していきます。
「ワインについてもっと知りたい」「ワイン選びが上手になりたい」という方は、ぜひチェックしてみてください。
主なワインの種類による特徴や違い
ワインは造られ方で区分が異なります。まずはワインの種類ごとの特徴や違いを解説します。
スティルワイン
スティルワインとは、いわゆる炭酸の入っていないワインのことです。ワインのなかでも「最も口にする機会が多いワイン」といえるでしょう。
スティルワインのスティル(still)は、「動きがない」「泡立たない」という意味で使われる言葉。アルコール度数が9~15%程度の、炭酸が入っていないワインがスティルワインと呼ばれます。
スパークリングワイン
スパークリングワインは、発泡性のあるワインのことです。
スパークリングワインは、アルコール発酵が終わった後に糖分と酵母を添加し、二次発酵させて炭酸ガスを生じさせる方法で造られます。
おもにガス圧が3気圧以上あるワインがスパークリングワインです。
3気圧以上 | スパークリングワイン |
2.5~1気圧 | セミスパークリングワイン |
1気圧以下 | 微発泡ワイン |
1気圧以下のものは微発泡ワインと呼ばれ、スパークリングワインではなくスティルワインに分類されます。
フォーティファイドワイン(酒精強化ワイン)
フォーティファイドワイン(酒精強化ワイン)は、ワインにアルコールを添加して造られます。
「フォーティファイドワインなんて飲んだことがない」とお思いの方も多いかもしれませんが、知らぬうちに口にしていることも多いです。
実はシェリーやポートワインなどのワインが、フォーティファイドワインと分類されます。
フォーティファイドワインは、アルコール添加するため通常のワインに比べてアルコール度数が高くなるのが特徴です。
スティルワインが12度~14度程度のアルコール度数なのに比べて、フォーティファイドワインは18度前後になります。
フレーバードワイン
フレーバードワインとは、スパイスやハーブ、果実、甘味料を加えて風味付けしたワインのこと。
サングリアやベルモットがフォーティファイドワインに分類されます。フルーツやハーブを入れるため、香り豊かだったり甘みがあったりと華やかな味わいに仕上がるのです。
香り豊かなフレーバードワインはそのままストレートで楽しめますが、カクテルにするのも定番の楽しみ方です。
色味別のワインの特徴
赤ワインや白ワインであれば何となく違いがわかるかもしれませんが、「ロゼワインやオレンジワインについてはよくわからない」という方も多いのではないでしょうか?
ここでは、色別にそれぞれのワインの特徴を解説します。
白ワイン
白ワインは、基本的に白ぶどうの果汁を発酵して造られます。発酵するときに皮や種を取り除き、絞った果汁のみを使うため透明感のあるワインに仕上がるのです。
皮や種には渋みがあるものの白ワインでは取り除くので、渋みがなくすっきりした味わいのワインになります。
「ワイン=渋い」というイメージがあり飲むのを避けていた方は、白ワインから挑戦するのがおすすめです。
赤ワイン
赤ワインは、黒ぶどうの果汁を発酵して造られます。白ワインと異なり、皮や種を漬け込んだまま発酵させるので、皮の色素がワインに移り真っ赤に染まるのです。
発酵時に一緒に漬け込んだぶどうの皮や種には「タンニン」と呼ばれる渋み成分があるため、赤ワインは渋みが感じられます。
ロゼワイン
ロゼワインは、黒ぶどうを使用して造られます。発酵の途中でほんのり色づいたら皮や種を取り除くため、赤ワインのような赤にならず透明感のあるピンク色になります。
苦み成分が含まれる皮や種を取り除くので、白ワインと同様に渋みがなく飲みやすいです。
オレンジワイン
オレンジワインは白ぶどうを使用して造られます。オレンジ色をしているのは、白ぶどうの皮の成分がワインに溶け込んでいるから。
オレンジワインは赤ワイン同様に、発酵の過程で皮を一緒に漬け込み造られているため、渋みを伴います。また、白ワインと比べると、複雑味や果実味が強いです。
甘辛度によるワインの特徴
ワインには甘口から辛口まで、さまざまなタイプがあります。
ワインはぶどうの糖分をアルコールに変えますが、すべての糖分をアルコール発酵に使用するわけではありません。ワインになったときに残ったぶどうの糖分量のことを「残糖度」と呼びます。
残糖度により、甘口から辛口に分類されるのです。
ここでは、甘辛度ごとのワインの特徴を紹介します。
極甘口
極甘口はデザートワインの中でもとくに強い甘みを持つワインで、はちみつのように濃厚な甘みが魅力です。
まるでスイーツを食べているかのような強い甘みがあるため、少量でも満足感が高く食後にデザート代わりに楽しまれています。
極甘口ワインの代表的なものは、「貴腐ワイン」や「アイスワイン」といわれ強い人気を誇ります。
甘口
甘口はしっかりと甘みが感じられますが、極甘口に比べるとソフトな印象。綿あめのようなソフトな甘みで、口に入れるとふわっと優しい甘さが広がるため飲みやすいです。
極甘口ワインは、はちみつを舐めたような強い甘みが感じられます。いっぽうで、甘口ワインは、桃やメロンを思わせるナチュラルな甘みが魅力的です。
極甘口ワインは少量でも満足感があり食後酒向けですが、柔らかな甘みをもつ甘口ワインは食後酒はもちろん食前酒としても楽しめます。
中辛口
中辛口はすっきりとした味わいながらも、ほんのりと甘みが感じられます。極甘口や甘口に比べると甘みが穏やかなので、甘いワインが苦手な方でも飲みやすいです。
ほんのりとした甘みが食材の旨味や風味を引き立ててくれるので、食事と合わせやすく食中酒にぴったり。とくに繊細な味付けの和食と相性抜群なので、日本の食卓にもマッチします。
天ぷらや南蛮漬け、サバの塩焼きなどと合わせると絶品マリアージュを楽しめます。
辛口
辛口は甘みがなく、キレのある味わいが魅力的です。辛口と呼びますが唐辛子のような「辛味」があるわけではありません。
甘みがなくドライな味わいなので、甘いものが苦手な方や食事中は甘くないワインが飲みたい方に人気があります。
辛口ワインは食事に合わせやすいものが多く、食前から食中酒まで楽しみ方は幅広いです。
ワインのぶどう品種による違い
ワインは使用するぶどう品種により味わいが大きく異なります。
今回は定番の5種類のぶどう品種による、味わいの違いや特徴を紹介します!
シャルドネ
シャルドネは「白ワインの女王」と呼ばれるほど、世界各国で栽培されるポピュラーなぶどう品種です。ぶどう自体の癖が強くないため飲みやすく、多くの方に親しまれています。
また、シャルドネはニュートラルなぶどうといわれており、育った環境の気候風土の影響により味わいが大きく変化します。
ワインに育った土地の気候風土の影響が現れることを「テロワール」といいます。
癖がなくテロワールを綺麗にワインに反映させるシャルドネは、ワイン愛好家に人気のぶどう品種です。
ソーヴィニヨン・ブラン
ソーヴィニヨン・ブランは酸味が強く、フレッシュなフルーツやハーブのアロマが魅力的なぶどう品種です。
キリっとした清涼感のある味わいが特徴で、爽やかな辛口白ワインが好きな方に人気があります。
栽培される産地の気候により味わいが変化し、温暖な産地ではトロピカルフルーツ、冷涼な産地では柑橘類のアロマが際立ちます。
産地によってワインのニュアンスが大きく変化する品種でありながら、共通して力強い酸やハーブのアロマがあり爽やかなワインが多い傾向です。
カベルネ・ソーヴィニヨン
カベルネ・ソーヴィニヨンを使用したワインは、濃厚な果実味と豊かなタンニンがあり力強いフルボディタイプに仕上がります。
若い段階ではピーマンやミントを思わせるグリーンのニュアンスが感じられ、濃厚ながらもバランスの良い印象です。
熟成するとグリーンのニュアンスが変化し、ドライハーブやたばこのようなアロマに変化します。
熟成したカベルネ・ソーヴィニヨンは、ドライフルーツのような凝縮感とたばこのような重厚感が綺麗に調和しリッチな味わいを楽しめます。
ピノ・ノワール
ピノ・ノワールはラズベリーやスグリのような赤系果実の華やかなニュアンスと、豊かな酸が魅力的なぶどう品種です。
渋みは穏やかで繊細かつエレガントなワインに仕上がるため、高級レストランなどでも積極的に提供されています。
また、高品質なピノ・ノワールは需要が高いです。そのため、一大産地であるフランス・ブルゴーニュ地方のピノ・ノワールワインをコレクションする愛好家たくさんいます。
メルロー
メルローはまろやかな果実味と程よい渋みがあり、バランスの良いワインです。病気に強く環境適応能力の高い品種のため、世界各国で栽培されています。
ブルーベリーやカシスを思わせるジューシーな果実味とアロマが魅力。タンニンも柔らかいため飲みやすく、ワイン初心者の方にもおすすめです。
メルローワインはリーズナブルな価格のものが多く、カジュアルに楽しめます。いっぽうで偉大なワインになるポテンシャルも持ち合わせており、10万円以上で取引される高級ワインもあります。
おわりに
種類や甘辛度、ぶどう品種ごとの特徴を把握しておけば、自分好みのワインを探しやすくなります。
ぜひ本記事を参考に、自分好みの最高のワインを探してみてください。