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ワインのドメーヌとシャトーの違いを解説!メゾン、ネゴシアンの意味も併せて紹介
「ドメーヌとシャトーの違いってなんだろう」と疑問に思ったことはありませんか?
ワイン用語は似た意味を持ちながらも、微妙に意味合いが異なるため難しいものです。
本記事は、多くの方が意味を混同しがちな、ドメーヌとシャトーの違いについて解説します。
ドメーヌとシャトーはワインの生産者
ドメーヌとシャトーはどちらも自社畑を所有し、栽培から製造、瓶詰めまでを行うワインの生産者を表す用語です。
基本的な意味合いは同じなので、混同されがちなのもうなずけますね。
では、根本的にどのような違いがあるのか学んでいきましょう!
ドメーヌとシャトーの厳密な違い
ドメーヌとシャトーは、基本的に同じ意味です。
なぜ、ふたつの呼称に分かれたのでしょうか?
ここでは、ふたつの呼称に分かれた理由や厳密な違いについて解説します。
ドメーヌ:ブルゴーニュ中心
ドメーヌは「ブルゴーニュ地方で自社畑を所有し、栽培から醸造までを行う生産者」のこと。
ドメーヌは、小規模な生産者である場合がほとんどです。
一般的にはブルゴーニュ地方で使われる呼称で、ブルゴーニュ地方では多くのワイナリーが家族や親類などの小規模で経営されています。
しかし、まれに他の地域でも自社畑を所有するワイナリーが、ドメーヌと名乗るケースもあります。
シャトー:ボルドー中心
フランス語でシャトーは、”城”を意味しています。
ボルドー地方では家族経営のブルゴーニュ地方と異なり、大規模な醸造設備でワインを造るのが一般的です。
城のような大きな醸造所でワインを造っているため、ボルドーではシャトーと呼称するようになりました。
実際にボルドー地方のシャトーを訪れると、お城のような美しいワイナリーで見学ができますよ。
五大シャトーとは
ワイン好きなら、”五代シャトー”というワードを耳にしたことがあるかもしれません。
ボルドーでは”メドックの格付け”という1~5級の格付けによって、代表的な57のシャトーを分けています。そのなかで、見事に1級に格付けされた5つが”五代シャトー”と呼ばれているのです。
五代シャトーに選ばれているのは、以下のシャトーです。
- シャトー・ムートン・ロスチャイルド
- シャトー・ラフィット・ロスチャイルド
- シャトー・ラトゥール
- シャトー・マルゴー
- シャトー・オー・ブリオン
ドメーヌやシャトー以外にも生産者を表すワイン用語がある
ドメーヌとシャトーは自社畑を所有し、栽培から製造、瓶詰めまでを行うワインの生産者だと分かりました。
実は、ほかにもワイン生産者を表すワイン用語があります。
ネゴシアン:ぶどうを農家から買い取りワイン製造をする
ネゴシアンとは、「自社畑を所有せず、農家から買い取ったぶどうや果汁を用いてワインを醸造する生産者」のことです。
ネゴシアンには、ぶどうを買い付けて大量生産できたり、さまざまな農家からぶどうを買い付けるため品質が安定しやすかったり、というメリットがあります。
また、買い付けによる人件費や土地代などのコストがカットできるため、比較的リーズナブルな価格でワインを提供できるのも大きな特徴です。
メゾン:シャンパンの生産者を表す
メゾンは「シャンパンの生産者全般」のことです。
シャンパンメゾンは、さまざまな生産方式によって呼称が細分化されています。
ネゴシアン マニピュラン(NM) | シャンパンを製造するネゴシアン。栽培農家からぶどうを買い付けシャンパンを製造している。 |
レコルタン マニピュラン(RM) | 自社畑を所有しシャンパンを製造している、小規模生産者のこと。 |
コオペラティヴ ド マニピュラン(CM) | 生産者の共同組合のこと。組合員農家が育てたぶどうでシャンパンを造り販売している。 |
シャンパンを選ぶときには、ぜひ参考にしてみてください。
生産者を感じられるおすすめワインを紹介
最後に生産者の特徴を感じられる、おすすめワインを紹介します。
ドメーヌとシャトー、ネゴシアン、メゾンのそれぞれの味わいを楽しめる銘柄を厳選しているので、気になった方はぜひチェックしてみてくださいね。
ドメーヌワイン
ドメーヌワインは、ぶどう栽培から醸造まで、生産者の理想とする味わいを追求できます。生産者の想いやストーリー性が楽しめるため、ワイン愛好家に人気です。
ドメーヌ ロミ ブルゴーニュ シャルドネ クロ ド ラ シャペル
『ドメーヌ ロミ ブルゴーニュ シャルドネ クロ ド ラ シャペル』は、フランス・ブルゴーニュ地方の華やかな味わいの白ワインです。
ドメーヌ ロミは、300年以上の歴史を持つ老舗ドメーヌであるロミ・ファミリーが経営しています。
畑に最も適した減農薬栽培と有機栽培の中間の農法を採用しするのがドメーヌ ロミのこだわり。ドメーヌの最大の武器である、栽培に重きを置いています。
収量を調整して糖度を高めた完熟ぶどうでワイン造りをしているため、洋ナシや桃を思わせる芳醇な果実味が楽しめます。
ドメーヌ ラフージュ コトー・ブルギニョン ルージュ
『ドメーヌ ラフージュ コトー・ブルギニョン ルージュ』は、豊かな酸と華やかな果実味が綺麗に調和したエレガントな味わいの赤ワインです。
生産者のドメーヌ ラフージュは、250年以上家族経営でワイン造りをしていた老舗ドメーヌ。ドメーヌ ラフ―ジュは栽培から製造まで細部にこだわっており、雑味のない上品な味わいが魅力です。
とくに、ぶどう収穫時は非常に気を配っています。収穫したぶどうが傷つかないように小さなケースで移動させ、手作業で選定を行います。
ぶどうの傷はワインの味わいに悪影響をおよぼすので、手間がかかっても丁寧に収穫し選定しているのです。
丁寧に収穫し醸造されたドメーヌ ラフージュ コトー・ブルギニョン ルージュは、透明感のある酸が魅力的です。酸と果実味が綺麗に調和した、上品な味わいを楽しめます。
シャトーワイン
シャトーワインは、伝統的なボルドーの魅力を楽しめるところが魅力です。老舗生産者が多く、クラシックな味わいが楽しめるのが人気の秘訣です。
レ プラント ド デュルフォール ヴィヴァン
『レ プラント ド デュルフォール ヴィヴァン』は、メドックの格付け2級のシャトー デュルフォール ヴィヴァンが手掛ける本格派赤ワイン。
フラグシップワインの『シャトー デュルフォール ヴィヴァン』は、2万円を超える高級ワインです。
レ プラント ド デュルフォール ヴィヴァンは、1/4程度の価格ながらシャトー デュルフォール ヴィヴァンのエッセンスを感じられるコストパフォーマンスのよさが大きな魅力です。
ブラックベリーやカシスを思わせる濃厚な果実味を主体に、スミレのようなフローラルなアロマがふわりと香ります。
メドックの格付け2級のエッセンスを感じられる本格的な赤ワインで、贅沢なひと時を過ごしてみてはいかがでしょうか?
シャトーラグランジュ
『シャトーラグランジュ』は、メドックの格付け3級のボルドー地方を代表する赤ワインです。
カベルネ・ソーヴィニヨンを主体に、メルローとプティ・ヴェルドをブレンドしたボルドーワインらしいクラシックな味わいが魅力的。
しなやかなタンニン(渋み)と熟した赤黒系果実のニュアンスが上品なワインです。グラスに注ぐと、赤黒系果実やローズマリー、キノコ、カカオを思わせる複雑なアロマが広がります。
複雑ながらも上品な赤ワインで、メドックの格付け3級の気品を感じられる極上の味わいをお楽しみください。
ネゴシアンワイン
ネゴシアンワインはぶどうや果汁を買い付けてワインを醸造するため、高品質ながらも価格が控えめなのが嬉しいポイントです。
マリー・ルイズ・パリゾ マコン・ヴィラージュ
『マリー・ルイズ・パリゾ マコン・ヴィラージュ』は、ネゴシアンの”マリー・ルイズ・パリゾ”が手掛ける華やかな味わいの白ワインです。
マリー・ルイズ・パリゾは、ブルゴーニュ全域から良質なぶどうを選び、ハイクオリティなワインをたくさん生み出しています。
高品質で安定した酒質のワインを多く生み出し、高い評価を受けている注目のネゴシアンです。
マリー・ルイズ・パリゾ マコン・ヴィラージュは、白桃やリンゴを思わせる華やかな果実味と白い花やはちみつを思わせるエレガントなアロマが魅力です。
アンリ ド ブルソー コトー ブルギニョン
『アンリ ド ブルソー コトー ブルギニョン』は、リーズナブルな価格ながらも旨味たっぷりのブルゴーニュ産赤ワイン。
アンリ ド ブルソーは長期契約を結んだ小規模農家とタッグを組み、108haの広大な畑を管理しています。
契約農家と共同で畑を管理することで年間約78万本もの大量生産を可能にし、リーズナブルな価格ながらも高品質なワインの生産を実現しました。
アンリ ド ブルソー コトー ブルギニョンは、ラズベリーやチェリーを思わせるジューシーな果実味が口いっぱいに広がる旨味たっぷりの1本です。
渋みも穏やかで飲みやすい赤ワインなので、ワイン初心者の方にもおすすめです。
メゾンワイン
メゾンワインは、いわゆるシャンパンの生産者。厳しい規定をクリアしたもののみ「シャンパン」と名乗れるため、メゾンが生産するワインの味わいは折り紙付きです。
シャルル エドシック ブリュット レゼルブ
シャルル エドシックは、1851年創設のネゴシアン マニピュラン形態のシャンパンメゾン。なかでも『シャルル エドシック ブリュット レゼルブ』は、シャルル エドシックの代表的なシャンパンです。
口に含むと、蜜りんごやアプリコットを思わせる濃厚な果実味が口いっぱいに広がります。泡はクリーミーで口当たりがよく、上品な果実味と綺麗に調和します。
ワイン通を唸らせるクオリティの高さで、「ワイン愛好家でシャルル エドシックを知らない人はいない」といえるほど人気の高い大手メゾンです。
ムニュエル・ボネ グラン・クリュ ブラン・ド・ブラン キュヴェ・ド・レゼルヴ
『ムニュエル・ボネ グラン・クリュ ブラン・ド・ブラン キュヴェ・ド・レゼルヴ』は、自社畑のシャルドネ100%でつくられる繊細な味わいのシャンパンです。
生産者のムニュエル・ボネは、自社畑のぶどうを使いシャンパンをつくるメゾン。
ぶどうの栽培は、リュットレゾネというできるだけ農薬や化学肥料を使わない農法を採用しています。リュットレゾネを用いることでぶどうが健全に育ち、本来のピュアな味わいを表現できるのです。
口に含むと柑橘を思わせる豊かな酸とアロマが広がり、爽やかな味わいを楽しめます。ムニュエル・ボネの栽培から醸造にいたるこだわりを感じられる、透明感のある繊細な味わいのシャンパンです。
おわりに
ワイン生産者といってもさまざまな生産方式やたくさんの呼称があります。それぞれのよさを理解してワインを選べるようになると、の味わいを見つけやすくなるので覚えておくと便利です。
生産者の想いや栽培、醸造方法に思いを馳せてワインを飲むと、より一層ワインを美味しく感じられることでしょう。
ワインを飲むときは、ぜひ生産者や醸造方法に関してもチェックしてみてくださいね。