ワインは難しい飲み物だと思っていませんか?
ワインにはたくさんの常識があり難しく感じるかもしれませんが、知ればよりいっそうワインを楽しめるようになります。
本記事では、ワインを楽しむうえで知っておきたい常識をくわしく解説します。ワインの常識をマスターして、美味しくスマートにワインを楽しみましょう。
本当?ワインの常識 【基礎知識編】
まずはワインの常識のなかでも最初におさえたい、基礎知識を紹介します。ワインの常識は、知られているようで意外と違っているものも多いです。
皆さまが知っているワインの常識が、はたして真実なのか一緒に確認してみましょう!
白ワインは冷やして赤ワインは常温で飲む
「白ワインは冷やし、赤ワインは常温で飲む」は、ワインをあまり飲まない方でも一度は耳にした経験があるのではないでしょうか?
白ワインは冷やし、赤ワインは常温という常識は、実は半分正解で半分間違い。
なぜならば白ワインには冷やしすぎないほうがよい銘柄があり、反対に赤ワインには冷やして美味しい銘柄があるからです。
フルボディの白ワインは少しぬるめの温度、軽やかな赤ワインは少しだけ冷やしてから飲むのがおすすめですよ。
また、赤ワインにおける”常温”は、ヨーロッパの気温が基準となっています。日本の気候は、ワインの常識が意味する常温よりも温度が高いので、赤ワインにとって最適とはいえません。
とくに、真夏に赤ワインを飲む場合は常温だとワインの味がぼやけるため、ひんやりする程度に冷やすとよいでしょう。
ワインは開けたらその日のうちに飲む
ワインは開栓すると風味が飛んだり、酸っぱくなったりするので「その日のうちに飲まなきゃいけない」という常識も有名です。
実際にワインはほかのお酒に比べ、開栓後から味わいが大きく変化する飲み物です。「開栓したワインを次の日飲むと、酸っぱくて飲めなかった!」という方も多いでしょう。
しかし、ワインの銘柄によっては翌日のほうが風味が広がり、かえって美味しくなるものもあるのです。
また、正しく保管すれば、ほとんどのワインは開栓後も2~3日程度は美味しく飲めます。ワインを翌日に繰り越す場合は”バキュバン”など、保管専用の道具を使用して保管しましょう。
ワインのペアリングは難しい
お酒と食事を組み合わせることを”ペアリング”といいます。
「ビールや日本酒なら食事と相性をイメージできるけれど、ワインはまったく見当がつかない」という方も多いでしょう。
しかし、難しそうに感じるワインのペアリングも、コツをおさえればそこまで難しくありません。
まずは「赤ワインはお肉、白ワインは魚」などの王道のペアリングから挑戦し、慣れたらいろんなコツを試してみてはいかがでしょうか?
インターネットで検索するだけでも、たくさんのペアリングのコツがわかります。コツさえつかめば、もワインと食事のペアリングは難しくないですよ。
ワイングラスを回すのは格好つけてる
ワインを飲むときに、グラスをクルクルと回す動作は”スワリング”といい、ワインを空気に触れるように促しています。
なんとなく回したり、過剰にグラスを回したりする方がいるため「ワイングラスを回すのは格好つけてるだけ」と思われがちですが、実は意味のある仕草です。
ワイングラスを回すと、ワインは空気に触れると香りが開いてアロマが感じとりやすくなります。
しかし、本来の意味を知らずに、ワイングラスを過剰に回すのもNG。グラスの回し過ぎると、風味が損なわれてしまいます。
スワリングをするときは何度も回さず、2~3回程度ワインを揺らすように軽く回すのが正しい方法です。
初心者必見!ワインの常識 【テーブルマナー編】
ワインの常識の基礎をおさえたところで、次はテーブルマナーに関する内容を確認していきましょう。
カジュアルに楽しむシーンでは必ずしも守る必要はありませんが、レストランや披露宴などのオフィシャルな場では大切にしたい常識ばかりです。
「ワインに関するテーブルマナーをあまり知らない」という方は、ぜひチェックしてみてください!
乾杯中にグラスをぶつけるのはNG
日本では、乾杯するときにグラスやジョッキをぶつけるのが一般的です。
しかし、ワイングラスは割れやすく繊細なので、グラスをぶつけるのはマナー違反。ワイングラスをぶつけて乾杯すると、破損やケガにつながります。
ワインで乾杯するときは、「乾杯」といいながら顔のあたりまでグラスを持ち上げます。また、乾杯するときは、相手の目を見ながら微笑むと素敵ですよ。
ワイングラスは脚を持つ
ワイングラスを持つときに、ボウル部分を持つ方と脚の部分を持つ方がいます。
どちらも間違った持ち方ではありませんが、オフィシャルな場で着席してワインを飲む場合は脚を持つようにしましょう。
グラスの脚を持つと仕草に美しさが生まれるほか、手の温度が液体に伝わらないためワインの風味を損なわないといった利点があります。
いっぽう、立食パーティーの場合はグラスが安定しやすいため、ボウル部分を持つのがよいとされています。
テーブルマナーというの概念ではグラスの脚を持つのが正解ですが、シーンに合わせて持ち方を変えるのがベストです!
注いでもらうときはグラスを触らない
レストランや披露宴の会食で同席者やウェイターからワインを注いでもらう際に、グラスに触れるのはNGです。
ワインを注がれていると、親切心から注ぎやすい位置にグラスを移動させたくなる方も多いでしょう。
しかし、グラスが突然動くと、ワインがこぼれたりワイングラスを倒したりするリスクが高まります。
注がれているときは、グラスは置いた位置のまま触らないようにしましょう。「グラスを移動する」という気配りを行う場合は、注がれる前に注ぎやすい場所まで動かすといいですよ。
ホストテイスティングは美味しさを確認するためではない
ワインをボトルオーダーした時にソムリエに「テイスティングしますか?」と質問され、戸惑ったという経験はありませんか?
ホストテイスティングは「美味しいワインか」を確認するためではなく、「注文したワインが間違いないか」「ワインの状態は健全か」の2点を確認するために行います。
ワインはコルクの不具合や輸送・保存時のトラブルで、状態が悪くなっているかもしれません。
状態異常は、細心の注意を払っても防ぎようのないものなので、ワインを注文したホストの方に、ワインが問題ないか事前に確認するために行います。
ホストテイスティングをする場合は、味の感想などを述べる必要はありません。ワインに違和感がなければ、「これでお願いします」と一言伝えれば完璧です!
初心者必見!ワインの常識 【グラス編】
ワイングラスの使い方をマスターすると、お家で飲むワインがグッと美味しくなります。
自宅でワインを楽しむ方は、ぜひチェックしてみてくださいね!
ワイングラスは使い分ける
ワイングラスにはたくさんの種類があり、ワインによって適したグラスが異なります。なぜかというと使用するグラスが違うだけで、まったく別のワインのように味わいや風味が変化するからです。
シャンパングラス(フルートグラス)
シャンパンやスパークリングワインを飲むときは、『シャンパングラス(フルートグラス)』が適しています。
細長い形状のシャンパングラスは、スパークリングワインの泡が液面に上っていく姿が美しく見えるようにデザインされているのです。
また、形状が細長いため、ワインと空気が触れる面積が少ないところもメリットのひとつ。空気に触れる面積が少ないと炭酸が抜けにくくなり、スパークリングワインを飲むのに最適です。
万能グラス
『万能グラス』はワイングラスのスタンダードで、幅広いワインに使用できます。
基本的にどのようなワインに使ってもバランスがよいですが、とくに辛口白ワインや軽やかな赤ワインと相性抜群です。
初めてグラスを購入するのであれば、最初に選びたいワイングラスといえるでしょう。
シャルドネグラス
飲み口が大きく開いた『シャルドネグラス』は、果実味が強く感じられるようにデザインされています。果実味やアロマが豊かな白ワインを飲むのに適した、上級者向けのグラスです。
フランス・ブルゴーニュやアメリカ・カリフォルニア産の濃厚で樽の風味があるワインに使用すると、香りや風味がよりいっそう感じられます。
フルボディの白ワインを好む方におすすめのワイングラスです。
ピノノワールグラス
『ピノノワールグラス』は、風船のようにグラス下部が大きく膨らんだ大ぶりのワイングラスです。
ボウル部分が大きく膨らんでいるため、グラス内に香りが溜まりやすくなっています。酸が強調されるため、ピノノワールのように酸が特徴的な赤ワインに適しています。
フランス・ブルゴーニュ地方やドイツのピノノワールを好んで飲む方なら、ぜひ手に入れておきたいワイングラスです。
ボルドーグラス
チューリップのような形状の『ボルドーグラス』は、その名の通りボルドーワインのようなフルボディの赤ワインに適したグラスです。
ボルドーグラスは果実味や甘みが強調され、タンニンが和らぐ特徴があるので、フルボディの渋みの強い赤ワインでもまろやかになり、旨みが感じとりやすくなります。
フランス・ボルドーやアメリカ・カリフォルニア産のカベルネ・ソーヴィニヨンなどのワインには最適のグラスです。
おわりに
ワインの常識を身につけると、間違いを防げるだけでなくいっそうワインを楽しめます。もし知らない知識があれば、今後ワインを楽しむときに活用してみてくださいね!