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ワインの作り方の工程をわかりやすく解説!美味しいワインはどうやってできる?

2023年12月19日

豆知識

ブドウを原料に造られるお酒、ワイン。その作り方の工程はご存じでしょうか?

今回はワインの作り方の工程をわかりやすく解説します。家庭でお酒を造るときの注意点も解説しているので、参考にしてみてください。

赤ワインと白ワインの作り方の工程は基本的に一緒

赤ワイン 白ワイン 作り方

赤ワインは黒ブドウを原料にして、果汁だけでなく皮や種も一緒に発酵させます。白ワインは白ブドウを原料に、皮と種を除いて果汁のみを発酵させます。

例外的に黒ブドウを使った白ワインも存在しますが、果汁のみを発酵させるので赤ワインのような色はつきません。

赤と白でワインの作り方は基本的に同じですが、ブドウを圧搾する作業を白ワインは最初に行います。皮も一緒に混ぜて発酵させてしまうと、白ワイン特有の白さが出ないからです。

ワインの作り方の工程を解説!

ワイン造りの工程はワイナリーによって違いはありますが、基本的に8工程で作られます。古くから続く伝統的な作り方で、時代によって少しずつ変化しながら現代に伝わっているのです。

工程①ブドウの選別

ブドウ 選別 ワイン

原料となるブドウは9月から11月の秋ごろに収穫を行います。収穫したブドウで未成熟や傷んでいるブドウを取り除き、選別します。

手作業で選別するとブドウを痛めにくいですが、機械で選別すると短時間で大量に選別が可能です。

工程②除梗(じょこう)・破砕

ワイン 除梗 破砕

梗(こう)とはブドウの枝を指しで、除梗とは枝からブドウの実をバラバラにする作業のことです。除梗が終わると、ブドウの果皮を破く作業を行います。

昔は除梗と破砕を別々に行っていましたが、近年は除梗破砕機で除梗と破砕が同時に行われています。

工程③発酵

ワイン 発酵

除梗・粉砕作業が終わったブドウを果醪(かもろみ)とよび、これに酵母を加えることでアルコールが発生します。

発酵には木樽だけでなくステンレスタンクも使われます。赤ワインの発酵度数は26℃から30℃程度です。白ワインはもう少し低い温度で発酵させます。

工程④圧搾

ワイン 圧搾

赤ワインの場合は、発酵後に圧搾機を使ってブドウを押しつぶし果汁を絞り出します。昔はワインに宗教的な意味合いが強かったため、圧搾作業は女性のみが行っていたそうです。

白ワインだと発酵させる前に圧搾して、果汁のみを絞り出し果皮や種子を取り除きます。圧搾して果汁の部分のみを取り出せるので、白ワインでも黒ブドウを原料に作る場合もあります。

工程⑤熟成

ワイン 熟成

無事に発酵を終えたワインは、木樽かタンクで1~2年熟成させます。樽熟成をおこなうと、ワインの味がまろやかになって風味も鮮やかになるのです。

発酵中のワインは蒸発や樽に吸収されることで目減りしてしまうので、ワインを継ぎ足して補充を行います。この作業がウイサージュです。

工程⑥滓引き(おりひき)

ワイン 滓引き

滓(おり)とよばれる樽やタンクの底で沈殿した酵母やブドウの欠片などを残して、ワインの上澄みの部分を取り出す作業をします。熟成中に定期的に期間を置いて複数回行われます。

工程⑦清澄・濾過

清澄とは、ゼラチンなどの清澄剤を使用して、ワインの中にまだ残っている滓を取り除く作業です。

そこからさらに、遠心分離機やミクロフィルターを使って細かい不純物を取り除いていきます。この作業が濾過です。

濾過まで行うと滓がなくキレイなワインが生まれます。一方で香りや味わいが落ちる場合があるので、近年は濾過を行わない業者も増えてきました。

工程⑧瓶詰め

ワイン 瓶詰め

そしてついに、瓶に詰めコルクやスクリューキャップで密閉したら完成です。ワインによっては味わいに深さを出すために、瓶に詰めた後もさらに熟成をさせる場合もあります。これを瓶内熟成と呼びます。

ワインを家で作るのは違法!

ワインの作り方も分かったところで「自分でもやってみよう!」と思っている方がいたら、要注意です。実は家庭でワインを作るのは、法律で規制されています。

酒税法で禁止されている

お酒作りに関する法律は、酒税法で定められています。酒税法の第二条によると、製造免許を受けた業者や製造場で製造したものでないといけません。(参考文献:E-GOV法令検索)

免許を受けないで酒類の製造をした場合には、10年以下の懲役又は100万円以下の罰金。販売をした場合は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処されることがあります。(参考文献:国税庁HP)

ワインの作り方で違法にならない条件

ワイン 家庭 製造

お酒を家庭で作るのは法律違反ですが、一部条件をクリアすれば認められる場合もあります。

まず消費者自らが消費するためであることが重要です。販売目的でなく同居の親族のみで楽しむ場合で以下の条件であれば、法律違反にはならないので確認してみてください。

①アルコール度数は20%以上

アルコール度数が20%以上のお酒を使用して果実酒を作ることは、法律違反にはなりません。

アルコール度数が20%を超えると、酵母菌が活動できずお酒の発酵が進みません。つまり新しくお酒を生み出していることにならないので、果実酒などを作る際にはアルコール度数が20%以上のお酒で作りましょう。

②米、麦、あわ等の穀物を漬け込まない

穀物類を発酵させると、ビールや日本酒の製造になってしまいます。またウィスキーや焼酎などの原材料にもなるので、これらを漬け込むことは禁止されています。

③ぶどう・山ぶどうなどのぶどう類は使用禁止

ブドウを発酵させるとワインの製造になるため、ブドウの使用は禁止になっています。

しかし、ホットワインを作る場合は例外です。ワインに果実を入れて飲むだけなので、調理扱いになり酒税法違反にはなりません。ただし、漬け込んで置いておくと酒税法違反になる可能性があり要注意です。

まとめ

ワイン 職人

ワインは収穫したブドウを発酵させ絞り出し、綺麗に濾過して瓶詰すれば完成。言葉で解説するのは簡単ですが、とても複雑で丁寧に造られていることがわかりますね。

職人さんたちの丁寧なお仕事のおかげで、わたしたちは美味しいワインを飲めます。

ワインの作り方を知っていると、今日から飲むワインの味が一味変わるかもしれませんね。

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